2015年02月17日
観劇「チャンジェリング 」by Thomas Middleton & William Rowley
写真はWEBより拝借いたしました
観劇「The Changeling 」by Thomas Middleton & William Rowley
Sam Wanamaker Playhouse グローブ座の屋内新劇場
Thomas Middleton(1580-1627) は英国ルネッサンス期の作家 である シェークスピアに次ぐ戯作家
と言われまして 「The Changeling 」は 1622年晩年に書かれたものです
罪深い人間の性 キリスト教による「原罪」背徳行為 とその結果として生じる「堕落」をテーマとし
愛と欲からなる衝動に身を任せる男女が描かれております
そして 終幕 主役の死により 背徳の動機が明らかにされ エピローグにおいて道徳性の回復が語られる
といった 幕の流れは シェークスピア の作品のいくつかは Thomas Middleton との合作か
或いは書き換えと言われる程に よく似ております
純粋で美しいもの と 不純で醜悪な 人間の相反する二面性が 対をなす登場人物 と複線のある
ストーリー構成も しかりでありました
会場となった Sam Wanamaker Playhouse グローブ座の屋内新劇場 は昨年1月にオープンしたばかり
蝋燭の明かりのみで上演はなされます
なので 舞台はとても暗いのです しかも暖房も入りませんからコートは離せません
がチラチラと揺れる生明かりが造りだす劇空間は たとえそれがおぞましい物語だといたしましても
現実を隔絶し 物語にどっぷり浸れますので 逆に とても贅沢な時空を提供されていると言えましょう
音響ももちろん 生音楽のみですので 音と一緒に奏者の呼吸をも味わえます
RSCの俳優は シェークスピアの詩脚に乗った台詞を ステッピングを使い習うと聞きました
その台詞廻しは実に美しいのです シュタイナーの言語造形を知っているのかどうかは存じませんが
役者に語られる言葉は命を持っております そこに 確かな演技力が基盤としてありますので
信頼を置いて ドラマに身を委ね 心行くまで楽しめました
演劇学校の学生だったころ
公演向けの稽古では 「演じる事を考えるのでなく 台詞をちゃんと伝える事に集中するように」と
監督は学生に言い続けておりましたが そんなことを思い起こしております
日がな一日 演技術 を学ぶ訳ですから 役造りとその演技の事にばかり気をとられてしまいます が
いざ公演とならば 台詞を観客にきちんと伝えることに意識を置く
普段積み上げた演技の業は考えなくてもチャンと付いてくるから と そう言うことでありました
と たのしい演劇の日々
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