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2022年10月22日

Alchemy of Actor エピジェネティクスepigenetics 10

Alchemy of Actor epigenetics 10


reprogrammingリプログラミング  心筋の研究例

通常細胞分化は不可逆、一度決まった臓器や組織に分化した体細胞は、

exa,いったん心筋細胞に分化したならば、その後肝臓や神経など他の種類の細胞になることはない。

それに対してリプログラミングとは、
すでに分化した細胞からこの固定化された標識を消去して未分化の状態に戻し、
体を構成するあらゆる種類の細胞に分化することができる多能性を持った幹細胞を作り出す現象を指す。

リプログラミング技術により、ヒトの皮膚などの体細胞からiPS細胞を作り、
目的の臓器や組織に分化誘導して病気やけがで損なわれた部位に移植する再生医療 クローンを導く


ダイレクトリプログラミング

体細胞を初期化しiPS細胞に戻してから分化誘導し、目的の細胞を樹立するまで長時間を要す。
加えて培養した心筋細胞のほとんどは筋線維の配列が不揃いで収縮力が弱く、細胞の成熟度が低い。
実際の心筋細胞と同じように拍動するまで成熟するのは数パーセントに満たない。
実用可能なレベルにまでリプログラミングの性能を高める研究が進む一方で、
もう一つ注目されている手法『ダイレクトリプログラミング』。

ダイレクトリプログラミングは体細胞に特定の因子を導入し、ダイレクトに目的の細胞に性質を転換。
iPS細胞を作るプロセスが省略され、時間もコストも削減で誘導した細胞の成熟度も高い。
ヒトの細胞を抽出し実験室で作製するiPS細胞と違い、
,心筋に直接導入因子を注入し、身体の中で心筋細胞を誘導す。
現在その為のダイレクトリプログラミングを促す因子発見が進む。

リプログラミングは罹患率・死亡率が高い心臓病の治療に期待がかかる。
心臓は自己再生能力が極めて低く、現在は重症心不全においては心臓移植以外に有効な治療手段がない。

心臓の中でも特殊な細胞「ペースメーカー細胞」は、不整脈の発生と関わる。
ペースメーカー組織 刺激伝導系は 
心拍動の源となる電気信号を作り出し、それを心筋に伝える特殊な心筋群、心拍動の司令塔、
ペースメーカー組織に異常を来たすと心臓は正常なリズムで拍動しなくなる。
ペースメーカー組織は部位によって異なる電気信号を発する性質があり、
異常が起きる部位によって異なる種類の不整脈を起こす。
そこでどのような因子がどこでどのように作用して不整脈を起こすのか解明が進んでいる。

運動によって引きおこされる不整脈・徐脈(心臓の拍動数が異常に減少した状態)の原因を調べた研究では
 運動させ徐脈を誘発したマウスのペースメーカー組織内で変動する分子を解析
 miR-423-5p(マイクロRNA)が徐脈の原因となっている事を発見。

一般にマイクロRNAは遺伝子の発現を抑制する働きを持つ。
通常はタンパク質が必要以上に合成されるのを抑えて正常なレベルに保つ働きを担う。
徐脈マウスではそのマイクロRNAがペースメーカー組織で異常に増加し、
ペースメーカー組織の機能維持に重要な転写因子やイオンチャネルの量を減少させている。

マイクロRNAの発現を抑えると徐脈マウスの心拍数が正常に戻る、
疾病時 変動するマイクロRNAや転写因子のような分子は細胞機能に影響を与えるが、
ペースメーカー細胞のダイレクトリプログラミングを可能にする導入因子でもある。



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