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2021年09月05日

俳優の錬金術Alchemy of Actor 知覚の哲学Philosophy of perception 79*

俳優の錬金術Alchemy of Actor 知覚の哲学Philosophy of perception 79
Chemistry39Chemistry39

混成軌道hybrid orbital
原子番号6Cは、K殻に2電子とL殻に4電子を持ち、
単独のC 6個の電子は K殻の1s軌道は2個で満たされ、
残りの4個の価電子は、L殻にある1つの2s軌道に2個と 3つある2p軌道に1個づつ収容。
2p軌道にこのように電子が収容される理由は、電子自身のクーロン力の反発を最小限に抑えるためで
電子が同一のp軌道ではなく、別々のp軌道に収容されることで、電子間の反発が軽減される。
「フントの規則(Hund rules)により 電子軌道に電子が収容されるとき、電子は許される限り、できるだけ多くの軌道に分布しようとす


sp3混成軌道hybrid orbital 関数;
1つのs軌道と3つのp軌道の重合せにより4つの混成軌道を定式化
結合の種類;4本のσ結合
結合角;109.5°
見分け方;4個の原子と結合

C原子が4本の等価な結合を持つために、同じエネルギー準位の4個の不対電子を持たねばならん。
このような不対電子を4個作るため、C原子は2s軌道の電子1個を励起させ、空いている2p軌道に遷移。
しかし、このままでは電子のエネルギー準位がバラバラで、歪んだ結合となってしまうので、
これらの4つの電子軌道を混成し、軌道を再編成す

「sp3混成」は、1つのs軌道と3つのp軌道を混成したという意味。
このようにわざわざ電子を励起させてまで混成軌道を作る理由は、
結合してオクテット則を満たすことにより、大きなエネルギー的安定性が得られるから。

sp3混成軌道は、1/4のs軌道性と3/4のp軌道性を持ち、2p軌道と2s軌道の間のエネルギーを持つ。
sp3混成軌道の形は、p軌道の形に似ているが、
その亜鈴形は、軌道胞の一方が大きく、他方は小さく 片方に著しく偏っている。
結合する際大きい軌道胞を使うと、他軌道との重なりが非常に上手くいくので、
結合は大きい軌道胞で形成することになる。
これは、軌道同士の重なりが良好であればあるほど、より安定し、結合は強くなるから。
sp3混成軌道では、このようにほとんど無駄なく軌道を重ね合わせることができるので、
非常に効率よく結合を形成することができる。

sp3混成軌道は、1つのC原子上に4つの軌道胞を持ち、それぞれが正四面体の4つの頂点に向く。
このような独特な幾何学的配置により、各軌道は残り3つの軌道からできるだけ離れて存在でき、
すべての軌道が電子対で満たされば、軌道間の反発は最小になる。
この4つのsp3混成軌道で作られる結合の角度 109.5°「マラルディの角度(angle of Malardi)」は
正四面体の中心から、各頂点へ向かって引いた直線間の角度と等しい。
この角度は、自然界でも様々なところに現れる

sp3混成軌道は、他の混成軌道あるいは電子軌道と、大きい軌道胞を重ね合わせることによって結合を作る。
このような結合軸方向を向いた電子軌道同士の重なりによる結合を、「σ結合(sigma bond)」。
C原子は混成軌道を編成することにより、
原子価状態で結合を形成する場合よりも軌道同士の重なりが良好になり、より安定なσ結合を作れる。



<sp2混成軌道 hybrid orbital関数;
1つのs軌道と2つのp軌道の重合せにより3つの混成軌道を定式化
結合の種類;3本のσ結合と1本のπ結合
結合角;120
見分け方;3個の原子と結合している

C原子は、単結合だけではなく、二重結合のような不飽和結合を形成す。
Cが、エチレンC2H2やベンゼンC6H6のように3個の原子と結合を形成するとき、
Cは「sp2混成軌道」を作る。
sp2混成軌道では、Cは同じエネルギー準位の3個の不対電子を持ち、3本の等価な結合を作ることができる。
このような不対電子を3個作るため、Cは2s軌道の電子1個を励起させ、空いている2p軌道に遷移。
ここまではsp3混成軌道と同じだが、sp2混成軌道は、2つの2p軌道だけを混成させる。
「sp2混成」というのは、1つのs軌道と2つのp軌道を混成したという意。

sp2混成軌道は、1/3のs軌道性と2/3のp軌道性を持ち、
同じエネルギー準位の3つのsp2混成軌道とエネルギー準位の高い1つのp軌道を持つ。したがって、
sp2混成軌道は4個の不対電子が等価ではなく、
エネルギー準位の低いsp2混成軌道で3個の原子と結合を作ることになる。

sp2混成軌道の形は、結合を形成する3つの軌道胞が軌道間の反発を最小にするために、
ぞれぞれが正三角形の頂点に向かったような形をしている。
これらの軌道胞は同一平面内にあり、各軌道間の角度は120°

なお、sp2混成軌道がこのような形になるのは、p軌道の反発の寄与をないものと考えるから。
実際はp軌道の電子存在で、多少の反発力は働く しかし、
p軌道がsp2混成軌道の作る平面の上下に分布すること、
sp2混成軌道と比べて原子核に遠いところに分布すること により、p軌道の反発の寄与を無視する。
したがって、sp2混成軌道は、p軌道が混成軌道とは異なる挙動をし、
結合軸方向を向いた電子軌道同士の重なりによるσ結合ではなく、
結合軸に対して垂直に分布する2つのp軌道同士の重なりによる、「π結合(pi bond)」を形成。                         


一般的に、σ結合とπ結合の2本の結合を合わせて、二重結合と呼ぶ。
二重結合における2本の結合は等価ではなく、
π結合はσ結合と比べて軌道の重なりが少なく、結合の安定性はσ結合>π結合となる。
したがって、π結合はσ結合よりも反応性が高く、種々の求電子剤の攻撃を受けやすい。
 ex, エチレンC2H4に対する塩素Cl2の付加反応はσ結合では進行せず、
π結合を持つ化合物で見られる特有のもの。



<sp混成軌道hybrid orbital関数;
1つのs軌道と1つのp軌道の重合せにより2つの混成軌道を定式化;
結合の種類;2本のσ結合と2本のπ結合
結合角;180
見分け方;2個の軍師と結合している

不飽和結合において、C原子は三重結合や連続した二重結合を作り、2原子のみと結合す。
このとき、Cは「sp混成軌道」を編成し、同じエネルギー準位の2個の不対電子を作り出す。
「sp混成」とは、1つのs軌道と1つのp軌道を混成したという意味

sp混成軌道は、1/2のs軌道性と1/2のp軌道性を半分ずつ持ち、
同じエネルギー準位の2つのsp混成軌道とエネルギー準位の高い2つのp軌道を持つ。
sp混成軌道の軌道胞は、Cを中心として互いに逆の方向へ広がり、その軌道間の角度は180°。
sp混成軌道がこのような形になる理由は、
軌道間の角度を180°にすることで、2つのsp混成軌道に収容された電子間の反発を最小にできるから。
また、このとき残ったp軌道は、互いにsp混成軌道と直行するように広がる

2個のsp混成したCから、三重結合が作られる様子。
2個のsp混成軌道の末端同士が重なり合い、C間にσ結合が形成され、
さらにp軌道が互いに直交するような配置をとって重り、2個のπ結合形成。
二重結合は、σ結合とπ結合によるもの、
三重結合では、その結合は1本のσ結合と2本のπ結合から作られる。

sp混成軌道は、σ結合の結合角が180°、
sp混成炭素を持つ化合物は、その結合部分に直線性を持つ。
アセチレンC2H2や二酸化炭素CO2は、どちらもsp混成炭素を持つ簡単な構造の化合物。
アセチレンC2H2はsp混成炭素を2個持ち、二酸化炭素CO2はsp混成炭素を1個持つ。


と たのしい演劇の日々

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