2012年10月29日
自転車レーン 整備の実情
東京新聞の記事。警視庁が専用レーンを整備することを打ち出して1年経ったが、埼玉県では新規レーンはゼロというもの。「作りたくても幅がなくて作れない」という実態が浮き彫りになっているようだ。
既存の道路は自動車主体に設計されている。そこに自転車レーンを設けるには幅一メートル以上のスペースが必要となるのだが、特に交差点付近では右折レーンが存在するので路肩が狭くなっている。きちんとやるには新たに道路を作らなければならないが予算が... という感じらしい。
自転車レーンが増えることにおおいに期待したいのだが、実情は難しいようだ...
東京新聞
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「自転車は車道」から1年 専用レーン新規ゼロ 幅1メートルの確保難しく
自転車専用レーンの整備がなかなか進まない。警察庁が昨年十月下旬、自転車の原則車道走行を打ち出して一年。この間、県内で道交法に基づく「自転車専用通行帯」の整備実績はゼロだった。交差点などで十分にスペースを確保できないのが最大の要因という。一方、どこに自転車専用レーンを設けるべきか、地域住民を巻き込んで考えるケースも出始めている。 (岡本太)
■正直怖い
「歩行者にぶつからないのは安心。でも私が利用しているのはここだけ」。川口市芝三の市道に設けられた自転車専用レーン。補助いすに三歳になる長男を乗せた主婦村田加奈さん(28)は、すぐ先で途切れる専用レーンに目をやった。途切れた先にはトラックが路肩近くに停車していた。「車と一緒に車道を走るのは正直怖いです」
川口市芝三の自転車専用レーンは約二百八十メートル。自転車の安全走行と歩行者からの分離などを目的に二〇一一年に設置された。県警によると、道交法で規定された「自転車専用通行帯」は〇九年ごろから導入が進み、現在県内に二十三カ所総延長約十二キロ。最近一年に限れば新たな設置はなく、現在具体的に設置の計画が進んでいる路線はない。市街地には三百〜六百メートルで終わってしまうレーンがとぎれとぎれに点在している状況で、利用者に浸透しているとは言い難い。
■交差点ネック
県警交通規制課の担当者は「もっと設置したいが、スペースがない」と実情を語る。道交法の自転車専用通行帯には幅一メートル以上が必要。特に車道に右折車線などが設けられている交差点では、その幅を維持することが難しい。スペースを確保するためには道を広げる必要があり、費用と時間がかかる。「増やしたくても、増やす場所が見当たらないのが現状」という。
幅が一メートルに満たない場合、道交法に縛られない「指導レーン」を設ける選択肢があるが、法的な裏付けがないため各自治体に安全性の判断が迫られる。現在、国土交通省がガイドラインを作成しており、県道路環境課の小沼進主査は「ガイドラインで安全性について一定の基準が設けられれば、設置を進めやすくなる」と期待する。
■住民の声
自転車専用レーンをどこにどう配置するか−。熊谷市では、地域住民を巻き込んで議論を重ねてきた。
熊谷駅前の道路環境について、国や県、市、警察のほか、地元商店街、学校、タクシー会社、障害者団体などが参加し、〇九年から三年間話し合った。今年三月には整備計画案を発表。駅から高校、商業施設を結ぶルートで優先的に自転車専用レーンを設置し、それに合わせて路肩の幅員を広げるなどの内容を盛り込んだ。市は計画案を基に一九年の整備完了を目指すという。
熊谷市の担当者は「自転車専用レーンは連続していることが重要。すべての道路に作るのが現実的に難しい中で、地域住民の声を反映させることで実現したい」と話している。
<県内の自転車事情> 人口1人当たりの自転車保有台数は0.8台で全国1位(2008年、自転車産業振興協会調べ)。県警によると、11年には自転車乗車中の死亡事故者数が44人で全国ワーストだった。県は自転車専用レーンの拡充を盛り込んだ条例案をまとめている。
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既存の道路は自動車主体に設計されている。そこに自転車レーンを設けるには幅一メートル以上のスペースが必要となるのだが、特に交差点付近では右折レーンが存在するので路肩が狭くなっている。きちんとやるには新たに道路を作らなければならないが予算が... という感じらしい。
自転車レーンが増えることにおおいに期待したいのだが、実情は難しいようだ...
東京新聞
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「自転車は車道」から1年 専用レーン新規ゼロ 幅1メートルの確保難しく
自転車専用レーンの整備がなかなか進まない。警察庁が昨年十月下旬、自転車の原則車道走行を打ち出して一年。この間、県内で道交法に基づく「自転車専用通行帯」の整備実績はゼロだった。交差点などで十分にスペースを確保できないのが最大の要因という。一方、どこに自転車専用レーンを設けるべきか、地域住民を巻き込んで考えるケースも出始めている。 (岡本太)
■正直怖い
「歩行者にぶつからないのは安心。でも私が利用しているのはここだけ」。川口市芝三の市道に設けられた自転車専用レーン。補助いすに三歳になる長男を乗せた主婦村田加奈さん(28)は、すぐ先で途切れる専用レーンに目をやった。途切れた先にはトラックが路肩近くに停車していた。「車と一緒に車道を走るのは正直怖いです」
川口市芝三の自転車専用レーンは約二百八十メートル。自転車の安全走行と歩行者からの分離などを目的に二〇一一年に設置された。県警によると、道交法で規定された「自転車専用通行帯」は〇九年ごろから導入が進み、現在県内に二十三カ所総延長約十二キロ。最近一年に限れば新たな設置はなく、現在具体的に設置の計画が進んでいる路線はない。市街地には三百〜六百メートルで終わってしまうレーンがとぎれとぎれに点在している状況で、利用者に浸透しているとは言い難い。
■交差点ネック
県警交通規制課の担当者は「もっと設置したいが、スペースがない」と実情を語る。道交法の自転車専用通行帯には幅一メートル以上が必要。特に車道に右折車線などが設けられている交差点では、その幅を維持することが難しい。スペースを確保するためには道を広げる必要があり、費用と時間がかかる。「増やしたくても、増やす場所が見当たらないのが現状」という。
幅が一メートルに満たない場合、道交法に縛られない「指導レーン」を設ける選択肢があるが、法的な裏付けがないため各自治体に安全性の判断が迫られる。現在、国土交通省がガイドラインを作成しており、県道路環境課の小沼進主査は「ガイドラインで安全性について一定の基準が設けられれば、設置を進めやすくなる」と期待する。
■住民の声
自転車専用レーンをどこにどう配置するか−。熊谷市では、地域住民を巻き込んで議論を重ねてきた。
熊谷駅前の道路環境について、国や県、市、警察のほか、地元商店街、学校、タクシー会社、障害者団体などが参加し、〇九年から三年間話し合った。今年三月には整備計画案を発表。駅から高校、商業施設を結ぶルートで優先的に自転車専用レーンを設置し、それに合わせて路肩の幅員を広げるなどの内容を盛り込んだ。市は計画案を基に一九年の整備完了を目指すという。
熊谷市の担当者は「自転車専用レーンは連続していることが重要。すべての道路に作るのが現実的に難しい中で、地域住民の声を反映させることで実現したい」と話している。
<県内の自転車事情> 人口1人当たりの自転車保有台数は0.8台で全国1位(2008年、自転車産業振興協会調べ)。県警によると、11年には自転車乗車中の死亡事故者数が44人で全国ワーストだった。県は自転車専用レーンの拡充を盛り込んだ条例案をまとめている。
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