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冬の紳士
定年前に会社を辞めて、仕事を探したり、面影を探したり、中途半端な老人です。 でも今が一番充実しているような気がします。日々の発見を上手に皆さんに提供できたら嬉しいなと考えています。
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2010年06月23日
コム・ディ・ギャルソンの思想
コム・ディ・ギャルソン、訳して「少年のように」。
30年も前に斬新なデザインと颯爽とした音楽に乗って登場した、デザイナー川久保玲による当時最新のファッションは瞬く間に日本中を掛け巡った。いまさらコムサを論じて何になるとも思わないでもないが、唯のヒットで済まされない生物の本能的な性向が関与していることを、動物行動学のユクスキュルの研究で有名な日高敏隆さんのご本で知ったので紹介します。
人間以外の多くの動物は、オスの方が派手な衣装をまとっているのはご存じだろう。つまり異性の注目を引き、選ばれる為という機能である。
多くの動物は雌が雄を選ぶから必然的に雄が派手になる。また雄同志でも競争が起きる。雄同志の戦いでもある。人間の場合が逆になるのは、普通の動物が1夫多妻で、雄が多くの雌に選んでもらう為に注意を惹かなければならないなのに対し、人間は1夫1妻だから、雌は雄の数よりも、より良い雄に1発必中で選んでもらおうとする方に注意が行くからだ。
つまり多くの動物は雌が雄を選ぶのに対し、人間は雄が雌を選ぶから雌が派手になるのだ。
こうして動物も人間も、集団への帰属とその中で目立つことつまり、異性の目を引き、選ばれるという習性を繰り返している。
ところが動物の雄たち(選ばれるから派手になっている)は、同性に対し攻撃性を持つ。競争の一面だ。お互いに競い合って雌の目を引くことがあるようだ。北アメリカの雷鳥などは繁殖期になると雄たちが一定の場所に集まって、何週間も異様なファッション(?)をして奇声をあげたり奇妙にふんぞり返ったりして勝者を決めるのだそうだ。
ところが「ブルーギル」という魚などは雌は大きな雄を選んで繁殖するのを常としている。小さい雄は雌に選ばれないから子孫を残せない筈なのに小さい雄は存在する。動物行動学者が調べたところ面白い事が判った。遺伝的に小型の雄は、雌と同じくらいの大きさをしていて色合いも雌に似ている。そしてなんとこの雄は、雌と(大きな)雄のペアに平気で近づく。
雌に似ているので雄も警戒しない。そんなことをしているうちに、この小型雄は、雌が産んだ卵塊に、さっと自分の精子をかけて受精していってしまうのだ。
「コム・デ・ギャルソンは、好む人と嫌う人にはっきり分かれます。好むのは、自分の女という性を隠したいと思っている人たちです。そうでない人は、その逆のファッション例えばボディーコンシャスを選びます」
当時の神戸市立ファッション美術館設立担当者百々(もも)徹さんの言葉。
うーん。いろいろ感想がよぎりますなー。

「少年」の魅力は、ほかにもたくさんあるんですが、今日はこのくらいにして・・・。







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Posted by:jjpisextl at 2015年11月22日(Sun) 20:59



 
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