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2014年06月08日
「ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版」見てきました
 今日は日本映画界の金字塔であり、後に続く数々のシリーズの原点となる元祖「ゴジラ」のデジタルりマスター版を見てきました。

 60年前の映画ですので、もちろん特撮技術なんかを論評するつもりは毛頭ありませんし、演技としての古臭さも「時代の違い」の一言で終わりにしますが、臨場感や迫力はまったく色あせていませんし、逆に今もその演出が踏襲されている事に驚かされます。



 水爆実験で深海から目覚めた怪獣・ゴジラが東京を襲う…と、もはや説明の必要ないと思いますんでストーリーは割愛。

 過去にも旧作の映画の感想を書いていますが、そもそもネタバレもないかと思いつつ、一応恒例の【感想:Start】〜【感想:End】に。

【感想:Start】

 まずは子供の頃の思い入れから。私の世代で言えばゴジラが商業ベースに乗っかってシリーズ化された昭和ゴジラシリーズの世代。元祖ゴジラについては本で読んだ知識だけしかなく、それでもネットのない時代でありながらかなりの知識を頭に入れていましたが、同時に知識でしかありませんでした。

 ゴジラが東京を襲ったとき、壊された松坂屋からクレームが来た…とか、東京タワーはまだ出来てなかったので、そんなイメージはあるが壊してはいない…とか、着ぐるみは生ゴムで出来ていて、尋常じゃない重さのため演技ではなく本当に動きが重かった…とか、本で読んだ知識が邪魔をするなか、本当にゴジラに対する知識を「無」にして楽しんでみることに挑戦しました。

 序盤からの海難事故の原因は何なのか、ゴジラとはどんな怪物なのか、など。

 そして改めてこの作品の完成度に驚かされました。まずは作曲家の伊福部昭氏の手による曲の数々。一作目にして、その後使われ続ける「ゴジラのテーマ」や「怪獣大戦争マーチ」が完成させていたこと。そして最近の映画でも(多分、新作の「ゴジラ」でも)使われるであろうアングルや演出を確立している本多猪四郎氏の手腕など、古い映画でありながら(特撮の稚拙さに一瞬、我に返ることもありましたが)違和感を感じない凄さがありました。

 そしてストーリー。徹底して怪獣・ゴジラ側の視点や物語を切り落としているため、本当に正体不明な怪獣として完成されていましたし、その分、ゴジラに立ち向かう人類側のストーリーがしっかりと見ることができました。

 特に芹沢博士の「科学者としての矜持」と、戦争から立ち直りつつあった当時の日本人の心情、水爆実験に対する批判、そして人類が新たに作り出すであろう兵器と直面するであろう脅威に対する恐怖と警告など、怪獣映画ではなくドラマとして完成されています。


 それを知ったうえで、後に怪獣・ゴジラに"のみ"目を付けてシリーズ化し、単なる怪獣映画になった時期があったことや、醜悪な怪物に仕立て上げたハリウッド版を思い起こすと…(ry

【感想:End】

 最後に。今回、ゴジラの魅力を再発見し、後にゴジラを単なる怪獣としてしか取り上げない「子供向け映画」のゴジラシリーズしか知らない人には、この機会にぜひ見ておくべき映画だと思います。

 で、明日は「MONSTERZ」の感想を書く予定ですが、先に書いておきます。酷い映画でした。

 詳しくは明日。


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