2014年04月23日
「御手洗薫の愛と死」見てきました
今回は予告編すら見ず、フィーリングだけで選んだ作品ですがなかなかの傑作。私の好みに上手く合った良い作品でした。ただしこの映画、調べてみたら各地で一週間から2週間の限定上映の様ですし、首都圏では1月には上映が終わってるんで、もしチャンスがあるなら早めに見に行くことをオススメします。
人身事故を起こした人気作家が、被害者の息子である売れない作家に脅されゴーストライターとなる。しかし、単に弱みを握られ言いなりになった訳ではなく、ゴーストライターとしての生活に新たな光を見出す。ちなみに佐村河内氏のゴーストライター事件が2月の出来事ですから、タイムリーと言うか…(笑)。
それでは今日も【感想:Start】〜【感想:End】に入ります。この間にネタバレの可能性がありますんでご注意を。
【感想:Start】
冒頭にも書いた通り、この映画は私好みの映画でした。覚書読者で私の好みをご存知の方であれば「?」と思うかもしれませんが、特に流血シーンも拷問シーンもありませんのでご安心を(笑)。
安定した人気と言えば聞こえがいいが、新たなファンが増えずピークを過ぎた感のある作家、御手洗薫が起こした人身事故がきっかけで三流作家、神崎龍平のゴーストライターとなるも、自分の名前ではなく純粋に作品を評価してもらえる機会と考え、その境遇を受け入れる。
一方、実力では得られるはずもない賞賛に戸惑う神崎も、その生活に流されていきます。
もちろん、私はしがないSEですんで、作家の世界も想像の世界でしかありませんが、それでもこの二人の気持ちが伝わってきますし、思いっきり感情移入してしまいました。
そして感情移入ついでに自分が神崎の立場だったら?と考えると、適当な口実を作ってきちんとした形で御手洗に弟子入りし、腕を磨けば成功する目はあったのに…と考えながら見ていくと、そのあたりの「流されるダメ人間」の典型で、ちょっとありきたりな感じだったのがちょっと残念。
あと、作中で御手洗のセリフも妙な伏線を張ってるわけでもないのに、後から考えると深いものがかなりあります。
神崎のための作品の創作意欲は、デビュー作以来とのセリフも、自分の過去を正当化しつつ吐き出そうとしたドロドロした恋愛と、神崎に向けられた決して成就しないものの純愛に似た感情を考えると、そのちょっとしたセリフに重みを感じます。
また、借金の無心のように原稿を催促する神崎に対し、焦らすようにする御手洗。しかし、単に焦らしているのではなく、本当に質を考え、推敲を繰り返し作品を作り上げている彼女の(本来、作家としてあるべき)姿を見ずに急かす神崎は、そして同じく作家に作品を急かす出版社は、小説家を錬金術師か金の卵を産む雌鶏くらいにしか思っていなかったのでしょう。
当然、この関係が順調なまま映画が終わることもありませんが…ラストはちょっといただけなかったなぁ。ここをもっとガチに描く(例えば神崎役の松岡さんが白髪交じりの短髪にするとか)か、もっと悲惨な終わりにするかにしないと、蛇足のようにも思えて…。
全体として、あまりやりませんが採点するとして80点以上、付けても良いでしょう。例えるなら、いつも大衆向けのうどんを食べていたところ、ふらっと入ったお店でしっかりと出汁を取ったうどんを食べられた嬉しさがありました。ただ…トッピングに1つだけ、私の好みに合わないものが入ってたかな?って感じでマイナスポイントあり、と言う事で(笑)。
【感想:End】
GWがそろそろ近づいてきましたが、この間に見たい映画が枯渇してしまう期間でもあります。こりゃ、スルー宣言してた「テルマエロマエU」を見に行ってしまうかも?
最後に。今日、帰りの電車の中で見た酔っ払いについて。ちょっと行儀が悪すぎたんで、それも踏まえてちょっとネタにします。
人身事故を起こした人気作家が、被害者の息子である売れない作家に脅されゴーストライターとなる。しかし、単に弱みを握られ言いなりになった訳ではなく、ゴーストライターとしての生活に新たな光を見出す。ちなみに佐村河内氏のゴーストライター事件が2月の出来事ですから、タイムリーと言うか…(笑)。
それでは今日も【感想:Start】〜【感想:End】に入ります。この間にネタバレの可能性がありますんでご注意を。
【感想:Start】
冒頭にも書いた通り、この映画は私好みの映画でした。覚書読者で私の好みをご存知の方であれば「?」と思うかもしれませんが、特に流血シーンも拷問シーンもありませんのでご安心を(笑)。
安定した人気と言えば聞こえがいいが、新たなファンが増えずピークを過ぎた感のある作家、御手洗薫が起こした人身事故がきっかけで三流作家、神崎龍平のゴーストライターとなるも、自分の名前ではなく純粋に作品を評価してもらえる機会と考え、その境遇を受け入れる。
一方、実力では得られるはずもない賞賛に戸惑う神崎も、その生活に流されていきます。
もちろん、私はしがないSEですんで、作家の世界も想像の世界でしかありませんが、それでもこの二人の気持ちが伝わってきますし、思いっきり感情移入してしまいました。
そして感情移入ついでに自分が神崎の立場だったら?と考えると、適当な口実を作ってきちんとした形で御手洗に弟子入りし、腕を磨けば成功する目はあったのに…と考えながら見ていくと、そのあたりの「流されるダメ人間」の典型で、ちょっとありきたりな感じだったのがちょっと残念。
あと、作中で御手洗のセリフも妙な伏線を張ってるわけでもないのに、後から考えると深いものがかなりあります。
神崎のための作品の創作意欲は、デビュー作以来とのセリフも、自分の過去を正当化しつつ吐き出そうとしたドロドロした恋愛と、神崎に向けられた決して成就しないものの純愛に似た感情を考えると、そのちょっとしたセリフに重みを感じます。
また、借金の無心のように原稿を催促する神崎に対し、焦らすようにする御手洗。しかし、単に焦らしているのではなく、本当に質を考え、推敲を繰り返し作品を作り上げている彼女の(本来、作家としてあるべき)姿を見ずに急かす神崎は、そして同じく作家に作品を急かす出版社は、小説家を錬金術師か金の卵を産む雌鶏くらいにしか思っていなかったのでしょう。
当然、この関係が順調なまま映画が終わることもありませんが…ラストはちょっといただけなかったなぁ。ここをもっとガチに描く(例えば神崎役の松岡さんが白髪交じりの短髪にするとか)か、もっと悲惨な終わりにするかにしないと、蛇足のようにも思えて…。
全体として、あまりやりませんが採点するとして80点以上、付けても良いでしょう。例えるなら、いつも大衆向けのうどんを食べていたところ、ふらっと入ったお店でしっかりと出汁を取ったうどんを食べられた嬉しさがありました。ただ…トッピングに1つだけ、私の好みに合わないものが入ってたかな?って感じでマイナスポイントあり、と言う事で(笑)。
【感想:End】
GWがそろそろ近づいてきましたが、この間に見たい映画が枯渇してしまう期間でもあります。こりゃ、スルー宣言してた「テルマエロマエU」を見に行ってしまうかも?
最後に。今日、帰りの電車の中で見た酔っ払いについて。ちょっと行儀が悪すぎたんで、それも踏まえてちょっとネタにします。