ちょっと思い出した子供の頃の話を一つ。

　私、自分で言うようですが、子供の頃から妙に大人びていて、子供にありがちな「盲目的」な部分には冷ややかな視線を送るような可愛くないガキでした。

　小学校5年の時、こんな事件がありました。

　当時の担任だった先生、若い女性の先生で何かに燃えている感じでした。そしてありがちのパクリ企画（？）でクラス全員でグランドを走り、その累計で日本一周をしようと言い出しました。確か、どっかの小学校でやってるのを真似ただけだなぁ･･･って感じで見ていましたが、クラスのやんちゃな連中は大盛り上がりをしていました。

　そして次の日から、異様な昼休みが始まりました。

　クラスの全員が休職を食べ終わるとともに、我先にグランドに飛び出し、午後の授業の前には汗だくになって今日の成果を嬉々として報告していました。今日、オレは15周回った、オレは20周だ、と。

　そもそも何のための企画か？クラスの一体感とか達成感とか、大人になった今では簡単に思いつく理由ですが、逆に子供の頃の方がこれらの言葉のウソっぽさ、軽さ、薄さをより感じていたのかもしれません。この後、クラスはどうなって行ったか。その時点でひねくれた私にはある程度以上、気付いていました。

　体力もそれほど恵まれていなかった当時の私は、やはり体力が同じ程度の友達数人と一日のノルマとして３周グランドを走り、残った時間で自分達の時間として自分達で遊んでいました。

　するとどうでしょう？本来は自分の体力にあった走りをしている人達も含め、体力バカ達が私達やがんばっても数周という連中を非難しはじめました。

　その企画を立てたとき、担任は自分のペースで良いとか言ってましたが、結局は小学生程度のオツムでは任意と強制の区別もつけられず、ひたすら走り続ける事のみを「正義」とし、それのできない人間を「悪」とする･･･との結果を想像できなかったのかと、いまさらながら思います。

　これ、私のわがままとも言えなくはありませんが、担任の言葉をきちんと受け取ったつもりでいた私は、釈然としない日々を過ごしました。

　まぁ、単純な子供だから起き得た現象･･･とは言えないかも知れませんねぇ。なんか、カルト宗教とかの話を聞くと、微妙にこの話を思い出します。（カルト教団なら、私みたいなのは真っ先に殺されちゃうんでしょうねぇ（笑））

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