23/01/22(日)は国立西洋美術館 企画展示室で開催されている「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」の最終日だった。
博物館や科学館だけではなく美術も嗜んでみようと1/17(火)にオンラインで1/18(水)10:00入場のチケットをART PASS一般2,100円で購入した。前日でも余裕で購入出来るのは助かる。
当日は遅刻して10:40入場となったがしっかり入場者はいた。作品の解説プレートが小さく裸眼で読むのは結構苦労した。美術鑑賞のノイズにならないようにとの配慮だろうがスマホ視力になっていると辛い。「RICOH PENTAX PAPILIO II 6.5×21」を持って行ったが視野が狭くなるのでこの用途には適さない。
なお作品は撮影禁止のマークが付いている物以外は撮影可能だった。禁止なのは所蔵者の意向なのだろうか?
参考:まだ見たことのないピカソ35点が日本初公開「ピカソとその時代」国立西洋美術館で開催
https://www.fujimura-art.com/blog/archives/14349
【T.セザンヌ−近代芸術家たちの師】
ポール・セザンヌのポスト印象派としての絵画は美術品として私にもその評価は分かった。セザンヌを師と仰いだピカソがあの絵になるとは意外過ぎる。
【U.ピカソとブラック−新しい造形言語の創造】
キユピズムが現代芸術の表現手法としてピカソとブラックにより創造されたとの説明があった。放送大学の「西洋芸術の歴史と理論」だったかその手法について説明を受けた記憶があるので、その重要性を理解しているつもりだが、鑑賞しても私にはその価値が理解出来なかった。
【V.両大戦間のピカソ −古典主義とその破壊】
2つの世界大戦がピカソにどんな影響を与えたのか作風の変化が見て取れる興味深い展示内容だった。「ミノタウロマキア (1935年)」は『ベルセルク』ぽいダークさが楽しい。理解を深めるためその年に何が起きたか年表に記載して博物館風展示にして欲しいと思ってしまった。
【W. 両大戦間のピカソ −女性のイメージ】
ピカソの女性の絵を見て『メイドインアビス』の成れ果てを思い出した。意外とキユピズム+グロテスクが成れ果てのデザイン案になっているのかもしれない。
【X.クレーの宇宙】
パウル・クレーの現在の商業デザインにも繋がる作風で分かり易い物が多い。「少女たちの光景 (1923年)」では2人が胴体切断で描かれているのは何故だ?一方で「子どものあそび (1939年)」はまるで『SPY×FAMILY』のアーニャの描いた絵みたいで見ていて微笑ましく複製品が欲しいと思ったが8万円弱なので諦めた。orz
【Y.マティス −安息と活力】
アンリ・マティスの「縄跳びをする青い裸婦 (1952年)」を観て『不徳のギルド』オープニングアニメーションのオープニングスタッフのテロップが流れるシーンがマティス作風のオマージュになっていると初めて気づいた。これは絵コンテ・演出の朝岡卓矢氏の趣味なのだろう。
東京都美術館で2023/04/27(木)から「マティス展」を開催するそうだ。私の感性にも合う作品があるのでフォービスム(野獣派)の「色彩の魔術師」の作品を4月になったらもう一度鑑賞したいと思う。
【Z.空間の中の人物像 −第二次世界大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ】
パブロフ・ピカソの「男と女 (1969年)」では裸眼で全体を見ていて気づかなかったが「RICOH PENTAX PAPILIO II 6.5×21」のアップで見ていて男女の性器がしっかり描かれていることに気付いた。キユピズムのエロスは子供が喜びそうな意匠だ。(^_^)
現代芸術はその単純さの奥にある意図を読み取る知識を要求されるから、私の古臭い芸術感性と足りない知識では度し難い作品ばかりだった。それでも2時間楽しむことが出来た。