日本では、一度決めたことは全うする
価値観が美徳のように語られています。
今回は、責任感を持ってやり遂げるのが
必ずしもメリットのあることではない、
ではどうするかという問題提起です。
警備なら、交通誘導では現場工事が
終わるまで警備したい。現場監督に
信頼されていればそうですよね。
施設警備では、苦労して立ち上げた
現場だから、入札で負けるまで居たい。
気持ちは分かります。警備でなくても
一度発足したプロジェクトから降りる
のは、屈辱ですからね。
最後までやり遂げるといった道徳心?
は、上記の日本人のメンタリティーに
根ざしていると観ます。
今回提言したいにのは、僕の失敗談を
交えて、義理や道徳心は悪くないけれど
損得勘定も加えてみる。
カテゴリ「施設警備2〜市役所迷走編」
では、苦労して僕らが立ち上げた市役所
警備隊を、私物化する輩の物語でした。
私物化した輩に、美味しいところを
取られ、僕は責任だけを負う形に。
面白くありません。
それでも、立ち上げのプロセスで何人もの
隊員がドロップアウトしていきました。
その手前、最後まで勤め上げるのが義務の
ように思っていたのです。
入札に負け、市役所を撤退する時に
なって、僕は直属上司との関係の悪さ
がネックになると思っていなかった。
市役所警備隊から、無理な応援を行い
潰れる同僚もいた中、僕は上司の方針に
反発していました。
それで上司の心証を悪くした僕は
敗戦処理で干されることに。損得勘定
からすれば、当然の帰結です。
美味しい想いをしていたやりたい放題の
輩たちは、さっさと別の施設に異動して
いました。
僕は市役所でクライアント側からも
評価されていたのに・・・と思うも
後の祭り。
人事権を持つ、上司との関係が全てと
言っていいでしょう。僕は責任感を搾取
されただけでした。
とはいえ、当時勤めていた警備会社に愛想
が尽きていたのも事実で、辞める大義名分
を探していたのです。
社長は僕を評価していたらしく、辞めるな
と慰留してくれましたが、上司の敗戦処理
失敗を理由に一点突破。
大義名分は、ここ一番の切り札になります。
僕が浅はかだったのは、上司との関係が
悪ければ、敗戦処理もそれ相応になると
予測していなかったこと。
上司との関係が悪ければ、業界内に知り合い
を増やし、転職のチャンスを増やすとか
一旦辞めて、職業訓練に行く戦略を練る
べきだったのです。
とは言え、愛想が尽きていた会社を揉める
ことなく辞めることができたのは、大戦果
でした。別の警備会社からのオファーあり。
この関係を続けていた延長上に何があるのか
これを少し想像する。
例えば、警備検定2級受験の話が来て
キャリアアップに資するなら、辞めない
選択もいいでしょう。
検定合格して、2〜3年お礼奉公よろしく
勤めたら、別の会社に転職を考えるなど
戦略的に動きましょう。
結論として思うのは、義理や道徳心を
ベースに忠誠を誓うのも悪くないけれど、
これからはもっとドライでいいじゃないか。
ここで近年導入が進んでいる
ジョブ型雇用が普及してもいいかと。
ジョブ型雇用とは、従来のメンバーシップ
型雇用とは違い、労働期間を定めると同時に
職務内容や報酬を細かく決めて就労する。
例えば警備なら、施設を落札した契約期間で
労働契約を結ぶ。
労働時間や、他の現場での応援など
仕事の中身を細かく決める。報酬も
然り。
次回入札で負ければ、そこで契約終了。
勝てば、一旦リセットして労働契約の
見直しを行う。
契約の切れ目が縁の切れ目となれば、
もっとドライに考えることができる。
交通誘導警備なら、大きな工事が終わる
までといった契約もありでしょう。
そもそも、警備業それも地場中小警備
会社は、終身雇用はおろか長年従事して
くれるという意識は薄い。
やり遂げるなら一定の枠内で、という
縛りを設けることで、無限の搾取を
防ぐ効果も期待できます。
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