2024年11月27日
選択的貧乏の狭間で
今回は過去記事「責任者は名誉職
なのか」の続編です。
出世=幸せでないと分かり始めた
日本の労働者。そんな環境で幸福感を
上げるにはどうすればいいか。
ある会社経営者の方が、以下のように
語っていました。
日本人の間には「これ以上出世したくない。
責任が重くなるのは面倒」や
「これ以上稼がなくて良い。もう十分幸せ」
の様な価値観が蔓延しています。
この様な「選択的貧乏」が社会の大半を
占めると、国の経済は必ずシュリンクします。
成長より安定が重要だからです。
今の日本経済は国民の選択の結果です。
というものでした。
選択的貧乏とはエグイ表現ですね。
そこで、警備で責任者をすることは
割に合うものなのか。
警備もそうですが、責任者になると
権限に見合わぬ責任を負います。
加えて、警備でつく手当は
スズメの涙程度が多い。
おまけに上司が変だと、あられもない
苦労を背負いこみます。お荷物隊員の
尻拭いもしないといけない。
こんな環境で、誰が責任者になるのか。
普通に考えればそうなります。
そこへ、警備ならではの
権限やインセンティブがある。誤解を
恐れずに言えば、麻薬に近いものです。
現場でローカルルールを以て専制君主に
なる。従わない部下は排除する。
会社ならではの既得権益だったりします。
上記の権限が、社会人として真っ当な
責任者で運用されるならまだしも、
そうでない人もいる、お寒い現実。
待遇のしょぼさに対するインセンティブと
言えなくもないですが、これが暴走すると
確実に、部下の恨みを買います。
それどころか、権限のうま味に気づき
他の環境で働けなくなる可能性も。
会社や現場にしがみつくしかない。
労働者としてのステータスも、
下がっていくでしょう。
他の環境で働くという、可能性を
潰すほど、上記の権限は甘くて
怖いもの。
そうなるくらいなら、冷や飯を
食わされて、その環境から脱出して
やる、と思う方がまだましです。
中にはかつて僕が言われたように、
ゆくゆくは幹部に、と期待される
人もいるでしょう。
会社が、貴方の人生に対して責任を
持ってくれるくらい、信頼できるなら
考える余地はありますが
地場中小警備会社では、幹部に上がる
のは、ほぼ出来レースです。
よしんば幹部になれたとしても、
所詮は外様扱い。不祥事が起これば
トカゲの尻尾切り扱いされるか。
過去記事「警備業界からの追放」も
参考まで。
現場の一兵卒として、年金まで
食いつなぐなら、選択的貧乏も
悪くない一つの生き方です。
一方で、本人の意思に反して
割に合わない責任者を命じられ、
選択できない貧乏に追い込まれたら。
異業同職の転職が最適解と見ます。
責任者の経験が武器になる。僕が
葛藤の狭間で気づいたこと。
使う側の、責任者を安く使おうとする
思惑に対する、カウンターパンチです。
収入はそこそこ少なくてもいい、
安定して働ければいい。そう思って
警備で働く人も少なくないはず。
選択的貧乏だって、悪くないのです。
このご時世、安定が大事なのですから。
それを根底から揺るがす、人事を行う
環境に居続けていいのか。割に合わない
責任者をしているなら、そう思うでしょう。
最後に参考まで、転職するなら非正規で
あっても、できるだけ大きな組織を
勧めます。
非正規なら、労働組合がしっかり
している組織ならベター。
鶏口となるも牛後となるなかれ、の
逆を行くのです。
個人のステータスが下がっても、
組織のステータスが上がれば、
幸福感は上がるのではないでしょうか。
おまけに、大きな組織なら働く人の
民度も違ってくるでしょう。福利厚生も
充実しています。
選択的貧乏でも、そう少しマシな
選択的貧乏を選んでいく。
労働者として情けないかもしれませんが、
乱世の様相を示している今の世の中、
生き延びる事を優先する戦略もあっていい。
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