僕が警備員を辞めた理由

求人の要注意ワードに
アットホームな職場というもの
があります。



小さい組織で実現できそうな
イメージですが、社長や幹部が
家族同様の扱いをしてくれる？



今回は、こういった昭和の価値観を
引きづる職場は要注意、といった話
です。



そもそも就労とは労働契約を結んで
労働し報酬をもらう。それ以上でも
それ以下でもありません。



経営者の考えるアットホームと
労働者の考えるそれとは大きな隔たり
があるのです。



最初に社長や幹部（小さな会社では
創業者一族が多い）が家族同線の
扱いするとは何か？



仕事（’労働契約）以外の拘束が多いと
いうことです。



例えば飲み会や引っ越しの手伝いなど。
プライベートを犠牲にする、いわゆる
職場関係に紐づいた付き合いというもの。



この背景には終身雇用・年功賃金という
昭和の仕組みがありました。



お前の人生を預かってやる。だからどんな
命令でも聞け。極論すればこうなります。



それをオブラートで包んだ表現が
アットホームという文言なのでしょう。



ところが、今は終身雇用・年功賃金の
仕組みは崩れつつあります。



それと抱き合わせで存在した世界一
厳しい指揮命令権（人事権）は
旧態依然として残ったまま。



世界一厳しい人事権はそのままに、
インセンティブであった終身雇用・
年功賃金がしぼんだのがブラック企業。



警備もそうですが、小さい組織では
オーナー社長の命令がすべて。
ワンマンどころか絶対王政。



そんな環境では法を守るのは最低条件
ですが、理不尽な業務命令が少ないほど、
良い環境といえるでしょう。



アットホームという文言は、創業者一族
においてはポジティブな響きがありますが
外様にはとことん冷たい。



これに対して経営上、社員を家族と
思わざるを得なくなった、そんな経営者の
コメントがありました。



これはできない社員、お荷物社員を
辛抱して使い続けるには、家族とでも
思っていないと、やってられない。



日本の企業は、解雇に対して高い壁が
あります。



とはいえ自主退職に追い込む方法は
いくらでもあるのに、辛抱して使い
続けるとは、並みの忍耐力ではない。



このような殊勝なスタンスの経営者
にお目にかかりたいです。



警備であれば、できない隊員の穴埋めを
他の隊員（ほぼ責任者）がすることに
なります。



有為な隊員に辞められるリスクと背中
合わせとなるでしょう。



まあ、アットホームという文言を
目にしたら、裏に隠れた指揮命令権の
乱用に対して警戒しましょう。



このように言葉の裏を読んで、相手の
出方を予測するというのは、警備で
培っていくことができます。



痛い目に遭いながら、経験として
教訓にするのもいいでしょう。



ただそればかりでは、心身がもたない
かもしれません。そこで危険を察知
して避けるスキルが要ります。



経験値も重要ですが、感性も侮れ
ません。



変だな、という違和感を大事に
しましょう。



パワハラで心が焦げ付いていたり、
残業続きで疲労困憊した状態では
感性が曇ってしまう。



早く就職しなければ、という焦りも
要注意ワードを見落としてしまう
要因になり得ます。



環境を変える目的で、転職を志すの
ならば、まず自分の心身の状態を回復
すること。



退職して休むのもいいでしょう。だが
疲れ切る前に行動を起こす方が楽です。



忙しすぎる現代人にとって、就労を離れ
休むというのは、すごく罪悪感があります。



そこで何度も紹介していますが、職業訓練
を活用する。半年間のコースがお勧め。



詳しくはカテゴリ「警備員を辞めたい人へ」
を参照願います。



現代人には、一旦就労を離れても社会復帰
できる仕組みが欠落しています。



いわゆる働かされる仕組みのまま。これが
年間２万人の自死者を出す、日本社会の
闇の一端ではないでしょうか。

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