2012年08月27日
脱車社会 ドイツの取り組み
東京新聞に、問題提起を投げかけるいい記事があった。まずはリンク先より転載。
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脱車社会 ドイツの取り組み 高齢化も見据え交通網
地球温暖化を促す二酸化炭素(CO2)の排出削減や、自動車が運転できなくなるお年寄りが増えることを背景に、車がなくても暮らせる街づくりが課題となっている。いち早く「脱車社会」に動いたドイツの取り組みを調べた。 (三浦耕喜)
ドイツ東部ドレスデン市の教師ヨハネス・モイゼルさん(58)は自動車を持ったことがない。移動は専ら自転車だ。自宅は市中心から約五キロの住宅街。職場には三十分ほどかけて自転車で通う。
「街は走りやすいし、路面電車や列車にも自転車を載せられる。遠出も不便を感じない」とモイゼルさん。重い荷物があるときは、市の公共交通会社が提携するカーシェアリングで車が使える。「車のない暮らしは普通にできる」と言う。
自動車大国ドイツ。かつて街は車であふれたが、排ガスや騒音による都市公害が激しくなった一九七〇年代から「脱車社会」への議論がスタート。急速に進んだ社会の高齢化に対応するためにも「脱車」は急務だった。
基本は自動車優先をやめ、徒歩や自転車に公共交通機関を組み合わせた交通網をつくること。街中心への一般車の乗り入れを禁じ、バスや路面電車を主に。公共交通機関への乗り換えがしやすいよう歩道や自転車道を整備し、規則も歩行者や自転車優先に変えた。
中でもドイツ西部ミュンスター市は、いち早く自転車を活用した。中心市街地を囲んで自転車専用の環状道を整備。電車・バスとの連結点となる中央駅の正面には三千台収容の駐輪場を設けた。自動車が通る道にも自転車レーンを明示し、信号も自転車を先に通す仕組みだ。
車社会では自動車が増えるにしたがってバスや電車は衰退する。だが、あえて自動車を不便にして徒歩や自転車を活用し、公共交通機関の利用者を確保するのがみそだ。同市の移動手段調査では、八二年に全体の29・2%だった自転車の利用率は二〇〇七年に37・6%に上昇。この間、電車・バスの利用率も6・6%から10・4%に増えた。
同市交通局で自転車行政を担当するシュテファン・ベーメさん(61)は「人が移動するには自転車やバスの方がスペースを取らず、コストも低い。環境やエネルギー面でも意義は大きい」と話す。
南部フライブルク市では、既に四百六十キロの自転車道を設置。一五年までに時速三十キロ程度で走れる高速レーンを三路線整備し、ラッシュ時の移動時間を車の半分にする。
ベルリン市も自動車の車線や駐車場を自転車用に転用するなどして、自転車による移動率を二五年までに現在の15%から20%にする計画だ。市交通局では「交通手段としては車より自転車を軸とした方が市の財政負担は軽くなる」と言う。
市内交通だけでない。西部ルール地方ではデュイスブルク−ハム間約八十五キロを結ぶ「自転車高速道」の計画も浮上している。
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日本の道路は未だに自動車優先で作られ続けている。一部自転車道を整備しようとの試みもあるが、今までどおり(当たり前のように)歩道上に作って、自動車からの死角を作ることに貢献している。愚かなことだ。
また、地方における公共交通(バス)は、自動車利用者が増えれば増えるほど、バスの利用者が減り運賃の上昇→さらに利用者減&路線縮小や撤退など負のスパイラルに陥りやすい。電車が普及していない地方都市ほどバスを大事にする政策が必要だと思う。
地方都市では自動車依存度が高いので、ドイツの事例のように何でもかんでも自動車優先を辞めることはできないだろうが、出来る部分は自転車・歩行者・公共交通優先をすべきだろう。
あの韓国だって、自転車利用を本気で考えているのに日本はなんて遅れているのだろうか...
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脱車社会 ドイツの取り組み 高齢化も見据え交通網
地球温暖化を促す二酸化炭素(CO2)の排出削減や、自動車が運転できなくなるお年寄りが増えることを背景に、車がなくても暮らせる街づくりが課題となっている。いち早く「脱車社会」に動いたドイツの取り組みを調べた。 (三浦耕喜)
ドイツ東部ドレスデン市の教師ヨハネス・モイゼルさん(58)は自動車を持ったことがない。移動は専ら自転車だ。自宅は市中心から約五キロの住宅街。職場には三十分ほどかけて自転車で通う。
「街は走りやすいし、路面電車や列車にも自転車を載せられる。遠出も不便を感じない」とモイゼルさん。重い荷物があるときは、市の公共交通会社が提携するカーシェアリングで車が使える。「車のない暮らしは普通にできる」と言う。
自動車大国ドイツ。かつて街は車であふれたが、排ガスや騒音による都市公害が激しくなった一九七〇年代から「脱車社会」への議論がスタート。急速に進んだ社会の高齢化に対応するためにも「脱車」は急務だった。
基本は自動車優先をやめ、徒歩や自転車に公共交通機関を組み合わせた交通網をつくること。街中心への一般車の乗り入れを禁じ、バスや路面電車を主に。公共交通機関への乗り換えがしやすいよう歩道や自転車道を整備し、規則も歩行者や自転車優先に変えた。
中でもドイツ西部ミュンスター市は、いち早く自転車を活用した。中心市街地を囲んで自転車専用の環状道を整備。電車・バスとの連結点となる中央駅の正面には三千台収容の駐輪場を設けた。自動車が通る道にも自転車レーンを明示し、信号も自転車を先に通す仕組みだ。
車社会では自動車が増えるにしたがってバスや電車は衰退する。だが、あえて自動車を不便にして徒歩や自転車を活用し、公共交通機関の利用者を確保するのがみそだ。同市の移動手段調査では、八二年に全体の29・2%だった自転車の利用率は二〇〇七年に37・6%に上昇。この間、電車・バスの利用率も6・6%から10・4%に増えた。
同市交通局で自転車行政を担当するシュテファン・ベーメさん(61)は「人が移動するには自転車やバスの方がスペースを取らず、コストも低い。環境やエネルギー面でも意義は大きい」と話す。
南部フライブルク市では、既に四百六十キロの自転車道を設置。一五年までに時速三十キロ程度で走れる高速レーンを三路線整備し、ラッシュ時の移動時間を車の半分にする。
ベルリン市も自動車の車線や駐車場を自転車用に転用するなどして、自転車による移動率を二五年までに現在の15%から20%にする計画だ。市交通局では「交通手段としては車より自転車を軸とした方が市の財政負担は軽くなる」と言う。
市内交通だけでない。西部ルール地方ではデュイスブルク−ハム間約八十五キロを結ぶ「自転車高速道」の計画も浮上している。
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日本の道路は未だに自動車優先で作られ続けている。一部自転車道を整備しようとの試みもあるが、今までどおり(当たり前のように)歩道上に作って、自動車からの死角を作ることに貢献している。愚かなことだ。
また、地方における公共交通(バス)は、自動車利用者が増えれば増えるほど、バスの利用者が減り運賃の上昇→さらに利用者減&路線縮小や撤退など負のスパイラルに陥りやすい。電車が普及していない地方都市ほどバスを大事にする政策が必要だと思う。
地方都市では自動車依存度が高いので、ドイツの事例のように何でもかんでも自動車優先を辞めることはできないだろうが、出来る部分は自転車・歩行者・公共交通優先をすべきだろう。
あの韓国だって、自転車利用を本気で考えているのに日本はなんて遅れているのだろうか...
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