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2019年05月24日

生徒の勘

「先生、最近よく荷物を運んでいますよね。どこかに引越するんですか?」
「丹澤先生、僕たちが卒業する前に辞めませんよね…。」

彼らは鋭い。
あまり目立たぬように振る舞いながら、手に持てる荷物を持ち、隠れ家に行くのが、最近の日課になっている。それを高3が見ているということだ。
今のところ、学年途中で退職する予定もないし、正式な引越は彼らの高校卒業後のつもりだ。

「ヒロアキは犬が好きか?」
「大好きです!」
「そうか…。それはいい。」

私は実は犬を飼おうとしているのだ。
数日後、幼犬を迎える。

今年は目立たないように静かにしていようと思ったが、なんだか他の部分で目立ちつつあるのかも知れない。

「丹澤先生、俺らの卒業式に出られるように、校長先生に直談判しますから…。」
「卒業したら、いなくなってしまうんだろ…。だったら、静かにいなくなって欲しいんだよなぁ。」

慕われていると思っていいのだろうか。
彼らとは、卒業後も、ずっと関わることになるのだろうか。

そう考えると、今の中学生は、そんなこと全く想像できない…。
なんだか、全く違う人間にも見える。

「もっと必死で、全力で関わってい過ごしたんじゃないのか? だから、そういう関係が築けたんじゃないのか?」
そんな天の声が聞こえてくる。

「慣れ」は恐ろしい。
いつしかそれが保身になり、全霊主義になり、老害になる。

今年度は担任を外れて、ちょっと視野が増えた感じがする。
一番大きいのは、保護者のクレームを気にすることなく、生徒と関わっていることだ。

全身全霊で生徒と関わることも必要だが、そればかりでも駄目だということだ。

彼等の笑顔を見るたびに、もう一踏ん張りせねば、と思う。

「大丈夫。君たちが卒業するまでは、引っ越ししないから…。」

そう言ったのか、心の中で言ったのか、よく分からなくなったが、一応そういうつもりだ。














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