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2022年08月30日

文化祭近づく…

文化祭が今週末に迫ってきた。
中高の学校なので、文化祭の雰囲気は高校の様になり、中学生の準備も半端ない。

幸いなことに、中学校のほとんどのクラスが劇を行うので、その意味では若干は負担が軽い。例年、クラス展示では教室を別世界を作り出す。その創造性は大したものだが、それを中学生に求めるのは、結構ハードルが高いのだ。もちろん、劇も展示も、「これで完成」という基準はなく、時間さえあれば、いつまでもどこまでも、進化してしまうが、そこは無情にも当日がやってきてしまうわけで、たいていは、「妥協」の産物になる。

大変なのは担任たちで、生徒たちの意見を尊重しつつ、さまざまなマネジメントを行いながら、クラスをまとめ上げるのだ。

当然、途中で数多くのトラブルも起こるし、想定外の事態になることだってある。

それでも、本番(劇の場合は文化祭二日間の両日、各一回の合計二回)を終えれば、まさに「ほっ」とする。それなりの出来映えになれば、彼等は、底知れない満足感に、恍惚感すら覚えるのだと思う。

かつて私も、そうした担任の立場にいた。
だからこの時期は大忙しで、同時並行でいろいろな処理をしないと、まったく回らないという状態でもあった。

だが、充実感はあった。
「私のクラス」
という感覚は、あまり大きくなりすぎると弊害を生むのだが、それでもそうした気持ちが大きくなり、ことに、他の賞賛を得れば、得意にならぬ訳はない。

「先生のクラスはまとまっていましたよね…」
というい言葉を待っているのではないかと思えるほど、他の先生や保護者からの評価が気になるのである。

クラスの生徒たちは、発表を通して、『認められたい』と思って頑張っている。

もちろん、「来て下さった方への感謝の思いを込めて、サービス精神を最大限にアップして」の発表だが、心の奥底では、「評価されたい」という気持ちは消えることはあるまい。

子どもは、頑張ったら褒めて欲しい生き物なのだ。

これを大人が求めると醜くなるが…。




2022年08月29日

発達の偏り

発達の偏りのあるS。私は今年から彼のいるクラスを授業で担当することになった。だが、ここにきて、Sの予想外の行動に、さらに先生たちを悩ませているように見える。

4月当初、彼はまだ私に親しく話をしてきたので、「授業くらいは大丈夫かな…」と思ったのだが、6月の終わりくらいから、私から逃げるようになって、授業に出なくなった。

そのまま一学期の期末試験に突入したため、当然点数がとれるはずもなく、S自身、さらに首を絞めることになった。いわゆる赤点である。

そのため、終業式に教頭先生より指導があったのが、Sはこれをもすっぽかした。「父親と北海道旅行に行く」と言って、呼び出した時間より前に出発してしまったのである。

怒った担任は、すぐさま電話を掛けて呼び戻し、小一時間遅れの指導となった。Sは、申し訳なさそうな素振りはしていたが、心の底からそうは思っていまい。父親も「またか…」というような感じ。手のかかるかわいい息子には、父親ですら盲目になる。

かくして無事赤点に関する指導は行われたのだが、最近その再テストが行われた。
私は、「もしかしたら受験しないのではないか」とも思ったが、試験はきちんと受けた。

だが、合格点にはほど遠かった。与えた課題もほとんど取り組まず、担任が課題のほんの数ページだけを持ってきて、「やっていませんでした」と悲しげな顔をして言った。

「人は嫌なことから逃げ続けると、どこまでも追いかけてくるものだよ。」
私は久しぶりに教室に残っていたSにそう言ってみたものの、果たして彼に理解できるか不安になった。

刹那的で、その場の指導しか通じない。同じ事を注意されても、翌日にはまた同じことをしてしまいがちな生徒なのだ。

彼の場合中3だが、高1、高2でも同様の生徒はおり、担任たちが献身的に寄り添っている。

「さぼっているのか、本当にできないのか」の判断は難しい。

しかし、学齢期に受けた愛情は、彼等のこの先の人生で何らかの糧になるのかも知れない。

昨今、こうした生徒が増えてきている…。




2022年08月24日

始業式

世間からは少し早いようだが、二学期が始まった。
大方の生徒が元気に登校してきたのは嬉しい。

思えば、この夏も七月上旬からじわりとコロナが流行り始め、あっという間に拡がり、結局一学期の終業式も二日ほど前倒しになったのだ。その後の、夏期講習、体験入学はなんとか実施したものの、八月に入ると、先生たちも半数くらいが陽性になってしまって、なかなか大変だった。

そんな出来事がほんの二、三週間前であったのだが、今日、始業式には皆が復活し、また何ごともなく新学期が始まったのは嬉しいことだ。

世の中はまさにコロナと共に生活するスタイルが定着しつつある。甲子園大会だって、メンバーを10人も入れかえてなお、出場したチームもあった。

政府の対策はワクチン一辺倒だが、一国の総理大臣が4回目のワクチン接種をしてまもなく、陽性になってしまったのだから、ワクチンの効果も疑わしい。

気をつけて生活をしていても、自分自身の免疫力が下がれば陽性になってしまうようだが、ワクチンを打っても、免疫力がさがってしまうようで、皮肉なことに、ワクチン接種者の方が未接種者よりも感染しやすいという現象すら起こっている。

日本はもう一月以上も、世界中で一番陽性者の多い国として、世界中に知れ渡ってしまった。だが、これにはからくりがある。

何のことはない、世界の多くの国では、もはや全数検査的なPCR検査もやめてしまったし、ワクチン接種も勧めていないのだ。一方で、日本が、世界でも有数のワクチン接種率であるにも関わらず、世界一の陽性者数であるのも、空気に流される日本らしく、複雑な気持ちになる。それでもなおかつ、年少者へのワクチン接種を勧めようとする様には、何らかの利権が絡んでいると思わざるをえない。

とにかく、皆が元気で生徒たちが学校生活を再始動させることができたことは、とても嬉しいことだ。今のところ、直近の文化祭も、感染対策をしながら、有観客で実施する予定だ。

何年かあとには、「あの時代は何だったんだろう…」などと振り返ることもなるのだろうが、生徒たちにとっては、一生に一度の学校生活なのだ。

コロナ禍の中、せめて心の絆だけは保ち続けていきたいと思う。




2022年08月23日

体験入部

小5のF君が体験型の学校説明会のあと、引き続き野球部の練習に参加することになり、今日がその二日目、最終日であった。

野球を始めてそれほど間もないようで、真新しいグローブは、まだかたく、なかなか手にフィットしていないように見える。それでも、必死にボールにくらいつく姿は、けなげに見えた。こんな風に必死に練習していると、いつの間にか上手になっていて、グローブの動きもあたかも自分自身の手と同じように動かせるようになる。

せっかく何度も来てくれたのだから、もっと親切に接してあげたらよかったかな、とも思う。どうも私はぶっきらぼうで、私が直接関わってもいいが、生徒同士の方が、この先につながるのかな、などと言い訳をして一歩引いてしまう。

果たしてF君、充実した楽しい部活体験ができたのだろうか。

野球部はコロナ休み、夏休みを経て、18日から再開したものの、相変わらず元気がない。この代も、一人キャプテンのKだけが、声を張り上げ、思い通りにならないことに悶々としている。部員は野球未経験者の割合の方が多く、どうしてもそっちに引っ張られてしまって、なんだか野球部らしからぬムードになりがちなのだ。

私は、時折に彼等を集め、練習のコツやポイント、マインドなどを話す。彼等がどれだけ真剣に私の半紙を聞いていたかは、その日の日誌を見れば、たいてい分かる。毎日続けている部活動だが、毎日が成長の連続になっていなければ、進歩はきわめてゆっくりとしてものになってしまうのだ。

折しも、甲子園の決勝戦。
いろいろな甲子園での試合の話をしながら、少しでも彼等のモチベーションが上がれば、と思ってのことだ。

「最後まで諦めないプレーが、最後には勝つ」
練習終わりのミーティングで、私はそう語った。
Yに言ったのである。彼は、自分のプレーが上手くいかないと、すぐに投げやりにある。ぶつぶつと言い訳がましいことを一人ごとのようにつぶやき、程なく復活するのだが、土端から見ても、どうもやる気が感じられないと判断されても仕方がないのだ。だが、Yは自分のことだとは分かっていないだろう。

甲子園が終わると、夏休みも終わりになる。明日は始業式だ。





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