【中古】 ひとりぼっちのエール 安全地帯BEST2 /安全地帯 【中古】afb 価格:859円 |
『安全地帯ベスト2 ひとりぼっちのエール』です。1993年8月25日発売ですから、前回ベストから五年くらい経過していることになりますね。その間隔だけをみればまあそろそろもうひとつベストを出してもいい頃合いだといえるかもしれません。しかし、ですよ。前回ベストを出してからスタジオアルバムはまだ二枚しか出ていないのです。前回ベストはスタジオアルバムが六枚(『オリジナルサウンドトラック プルシアンブルーの肖像』を入れれば七枚)も存在しているなかでのベストというかシングル集でしたから、選りすぐり感が非常に高かったのです。どうするんだよ今回は!シングルだけだと何枚あるんですかね?前回ベストに入っていなかったものをあわせてシングルだけを書き出してみますと、
「萠黄色のスナップ」「オン・マイ・ウェイ」「ラスベガス・タイフーン」「真夜中すぎの恋」「マスカレード」「Juliet」「月に濡れたふたり」「情熱」「いつも君のそばに」「あの頃へ」「ひとりぼっちのエール」全十一曲!なんだ、これでいいじゃないか、曲数的には(笑)。でもこれだといまいちウリがないと判断したんでしょうかね、上の十一曲から「オン・マイ・ウェイ」「ラスベガス・タイフーン」の二曲を除き、「あなたに」や「銀色のピストル」、「あの夏を追いかけて」といったアルバム曲を入れるという戦略でこのベストアルバムは編集されたようです。
そしてそして、こうした編集方針にそぐわない曲が一曲!そう、「悲しみにさよなら」です。なぜこれを入れる!いまひとつ分かりません。あと一曲ぶん容量に余裕があるんですけど「ワインレッドの心」か「悲しみにさよなら」入れませんか、このアルバム大ヒット曲が少なすぎてこのままじゃそんなに売れないですよ、とかなんとか、そういうセールス的な意味合いで収録したのか、もしくは、時期的に空白となる期間を短くするために収録したか……『安全地帯II』からは三曲も入っているし、このうえ「ワインレッドの心」まで入れたら『安全地帯II』買ってくれた人に申し訳ないよね的な配慮だったか……それを言うなら『安全地帯III〜抱きしめたい〜』からは一曲も入ってないんですけど!なんだか、よくわかりません。「風」とか「ブルーに泣いてる」入れるよりは「悲しみにさよなら」入れたほうがセールス的には期待できるのはわからなくもないんですけども、昔からのファンを納得させるためには「風」とかのほうがよかったと思います。昔からのファンを納得させる必要なんてぜんぜんないといえばないんですけども。だって、安全地帯のアルバムを初めて買う人が「悲しみにさよなら」入っているからこれ買おうって思うかもしれないじゃないですか。そして、アルバム曲のよさに目覚めて『安全地帯II』とかも買うかもしれないじゃないですか。ファーストアルバムは完全になかったことになっているっぽいのがとても気になりますが(笑)、まあ、セールス的には仕方ないのかもしれません。なにせバブルはとっくに弾けていて、活動再開以来シングルが一曲もベストテン入りませんでしたし、『太陽』のセールスもコケて……それに、もしかしたらまだ残っていたのかもしれません、安全地帯として出さなければならないアルバム枚数の契約が。あるいは、安全地帯の音源である程度のセールスが見込めるうちに出さなければならないとレコード会社が判断したのかもしれません。いずれにせよ意思決定が必要なんですが、バンドはすっかり機能不全に陥っていました。ですから、おそらくはレコード会社主導で出さざるを得なかったのだとは思います。
そんなわけでして、当時のわたくし的には、あまり大きな意味を見いだすことのできないベストアルバムでした。アルバムだけ買っていますがシングルまでは手を出していません的なリスナーには、初収録の「萠黄色のスナップ」「あの頃へ」「ひとりぼっちのエール」三曲が初お目見えです。三曲で3000円か……買っちゃうかもな、それでも。わたくしのようにシングルもあるけどなぜかアルバムも買っちゃう人もいるわけですし。
さて、一曲ずつ短くご紹介していきます。例によって、すでにご紹介した曲はここでリンクを貼ることにしまして、一曲ずつのご紹介は重ねて行いません。ですから、次回以降一曲ずつのご紹介は「萠黄色のスナップ」「あの頃へ」「ひとりぼっちのエール」のみとなります。
1.萠黄色のスナップ:安全地帯デビューシングル、ギターポップです。
2.真夜中すぎの恋:『安全地帯II』収録のシングル曲、スピードあるロック曲です。
3.あなたに:『安全地帯II』収録、至高のバラード曲です。
4.マスカレード:『安全地帯II』収録のシングル曲、テクニカルギターポップです。
5.悲しみにさよなら:『安全地帯IV』収録のシングル曲、安全地帯第二の大ヒット曲です。
6.銀色のピストル:『安全地帯V』収録、ビッグバンド編成時代を代表するロック曲です。
7.Juliet:『安全地帯VI 月に濡れたふたり』収録のシングル曲、転調の多いこれまたテクニカル曲です。
8.月に濡れたふたり:『安全地帯VI 月に濡れたふたり』収録のシングル曲、ボサノバ調ポップです。
9.Too Late Too Late:『安全地帯VI 月に濡れたふたり』収録のシングルカップリング曲、バラードです。
10.あの夏を追いかけて:『安全地帯VII 夢の都』収録の爽快なギターロックです。
11.情熱:『安全地帯VII 夢の都』収録のシングル曲、重厚なギターロックです。
12.いつも君のそばに:『安全地帯VIII 太陽』収録のシングル曲、バラード的ギターポップです。
13.朝の陽ざしに君がいて:『安全地帯VIII 太陽』収録のアコギバラードです。
14.あの頃へ:シングル曲、胸が詰まりそうな望郷・回想バラード曲です。
15.ひとりぼっちのエール:活動休止前ラストシングル曲、これも胸の詰まるバラード的ギターポップです。
……全15曲、こうしてみると、セールスが優先された企画盤に近いものとばかりも言えないように思えます。もし完全にセールスを優先するなら「ワインレッドの心」は多少文句が出ても入れるべきだったでしょう。「銀色のピストル」や「あの夏を追いかけて」は入れずに、「Friend」や「好きさ」を入れるほうが得策だったでしょう。「あなたに」が入っているのも見過ごせません。この曲はいまでこそ有名曲ですが、当時はいちアルバム曲にすぎず、アルバムを買い集めるようなファンしか知らなかったような曲なのです。これが、はじめて安全地帯のアルバムを買うようなリスナーさんに与える衝撃は大きかったことと思います。いつか来るかもしれない安全地帯の復活を願ってその活動の下地となるファン層を拡大しておく(結果的にセールスもついてくるわけですが)にはうってつけの曲といえるでしょう。そのためにこそ、『I Love Youからはじめよう―安全地帯BEST』と併せて安全地帯の核となる要素を後世に残しておくという意味があったように思えてきました。
だからこそ、安全地帯がここでいったん終わるという事実を知っていた人たちが、安全地帯を愛すれば愛するほどに、涙ながらにその足跡を残しておこうとしたものであったのかもしれません。いつまでたっても安全地帯が再開する気配のなかった90年代中盤、わたしはこのアルバムのそうした意味をじわじわと理解していきます。それはつらい受容と理解の日々でした。
次回以降、未紹介の曲をご紹介してまいります。
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いよいよデビュー曲ですね(*^^*)
楽しみにしてます!!