スターダスト・ランデヴー 井上陽水・安全地帯 LIVE at 神宮スタジアム [ 井上陽水・安全地帯 ] 価格:1,848円 |
井上陽水・安全地帯『スターダスト・ランデヴー 井上陽水・安全地帯 LIVE at 神宮』です。これもライブアルバムで、1986年8月、神宮球場で行われたジョイントライブです。NHKで放送されたそうですから、テレビでご覧になった方もあるかもしれません。
仕掛け人たる金子氏、「感動にむせいでいた」そうです(志田歩『幸せになるために生まれてきたんだから』より)。安全地帯を世に送り出すきっかけとなったバックバンド起用、そして「ワインレッドの心」「真夜中すぎの恋」「恋の予感」三部作の作詞と、陽水はお膳立てをパーフェクトにして安全地帯のブレイクを引き起こしたのです。その後安全地帯は押しも押されぬトップバンドの地位を手に入れて、いままた陽水とともにめぐり逢った……まさにランデヴー!スターダスト(星屑)に込められた意味は……曲たち、めぐり逢った人たち(星さんとか)、そしてファンの人たち、どれもこれもこのドラマを彩るキラ星のような存在なのでしょう。さらに感動的なことに、「夏の終りのハーモニー」はこのコンサートのために作られ、お披露目されたそうなのです。超人的な作曲能力、作詞能力、そして演奏力歌唱力をもつこのジョイントでなければ成し得ないほどの奇跡的な曲だといえるでしょう。玉置さん陽水さんがツインボーカルでレコーディングした曲は後にも先にも、この「夏の終りのハーモニー」と「俺はシャウト!」だけなのです(玉置さんがコーラスをやった曲はほかにも存在しますが、ツインボーカルという点で)。
まあ……感動的でしょうね。よくある笑っちゃうような「コラボ」じゃないんですよこの陽水と安全地帯というのは……わたくし的にはボンゾの息子がプラント、ペイジ、ジョンポールジョーンズの前でドラムを叩いた「天国への階段」に匹敵するかそれ以上の出来事です。なに?ボンゾって誰って?それはえーとえーと……ほかに適切な喩えがなくて説明できないくらいの衝撃だと思ってくだされば……と思います(笑)。
1.青空
2.デリカシー
3.エクスタシー
4.プルシアンブルーの肖像
5.帰れない二人
6.夕立
7.リバーサイドホテル
8.ジェニーMy Love
9.夏星屑
10.夢の中へ
11.飾りじゃないのよ涙は
12.夏の終りのハーモニー
DVDではオープニングSE的に「冬花」が流れ、北海道の大地的な背景をクロマキーして、映画で短くした髪が長くなりましたが髭面はそのままの玉置さんが「青空」を歌うという、なんか現代の感覚でいうと非常にイマイチな(笑)趣向になっています。音は、まあいいんじゃないですかって感じですかね……『安全地帯ライヴ ENDLESS』の出来を期待するとちょっと戸惑う音でしょう。スタジアムライブで音が抜けてしまっている感じはありますが、まあまあ音はちゃんと拾ってますねってところです。かえって開放的な感じがしてこっちのほうが好きってひとはいるでしょう。
「青空」でしんみり始まり、「デリカシー」「エクスタシー」の不穏すぎる曲コンビで淫靡な雰囲気バリバリ、そして最新シングル「プルシアンブルーの肖像」で一気に盛り上げたところで、CDだとすっぽり抜けていますが(理由は後述)陽水さんに交代です。陽水さんが「ワインレッドの心」の歌詞を間違うというオモシロミスをかましますが、大した問題ではなく陽水バンドはしっとりどっしりと「ワインレッドの心」「ミスキャスト」の二曲を演奏します。
そして「帰れない二人」、これはもともと清志郎さんと陽水さんの共作で、もうどっちがどこを作ったのかわからないというくらいのケミストリーが炸裂した超名曲です。日本初のミリオンセラーアルバム『氷の世界』に収められているシングル曲(「心もよう」のカップリング)です。わたくし『氷の世界』よりも先にこの『スターダスト・ランデヴー』を聴きましたもので、もう玉置さん陽水さんバージョン以外は違和感あると感じるくらいになってますが、もともとはこの二人の曲ではないわけです。なんだろこの曲メチャクチャいいな、と思っていたわたくし、現代のようにすぐ調べるツールがあるわけじゃなかったですし、金もそんなにありませんでしたから(笑)、『氷の世界』にたどり着くまでしばらく間があきました。このアルバムいちばんの聴きどころといってもいいかもしれません。
そんなわけで「夕立」、「リバーサイド・ホテル」、「ジェニーMy Love」、「夏星屑」と、「リバーサイド・ホテル」以外はとりたてて有名曲ってわけでもない渋い選曲が続きます(「夕立」はシングル曲ですけども)。「ジェニーMy Love」「夏星屑」は玉置さんがツインボーカルに入る感じですが、基本的に陽水さんがメインですね。演奏は当然安全地帯ですが、矢萩さんのソロがとりわけ目立って大きく録音されているんです。凄く目立ちます。ですが……違和感ぜんぜんないですね。全員もとバックバンドですから、もしかして当時はこういうサウンドバランスでやっていたのかもしれません。それに中西さんも川島さんももともと陽水チームに属していたんですから当然といや当然ですが、これほど違和感ないものか……陽水さんの声ってのはとんでもない声で、容易なことではバックはつとまらないと思うんですが、バシッとハマっています。これはこのアルバムのウリだと思います。
そして大ヒット曲「夢の中へ」、明菜ちゃんへの提供曲「飾りじゃないのよ涙は」、どちらも有名曲で会場の興奮も最高潮に達します。玉置さんもノリノリすぎて間奏の後ステージに戻るのが遅れるという大チョンボをかまします。陽水さんがビックリしつつも大笑いしている様子、玉置さんが大慌てで戻ってくる様子、何事もなかったようにド安定の演奏を続けるメンバー、とんでもないユニットです。バックバンド時代だったら終演後に呼び出しくらって大目玉ですが、もう一人前と認めてもらったであろう安全地帯、きっと打ち上げでいじられるくらいで済んだものと思います。ミスに厳しい玉置さんのことですから、きっと自分でじゅうぶん反省したことでしょう。そしてこのコンサートで初お披露目の共作「夏の終りのハーモニー」、もちろんお客さんは初めて聴く曲ですから、またあの二人が一緒に曲を作ったんだ!しかも一緒に歌っている!感動おおおお!とかそんなことはなく、いい曲だったな、あの曲なんだったんだろう?と思いながら帰宅して、あとから経緯を知って感動おおおおおになったのだと思います。
【追記】いろいろな情報筋によりますと、歌う前に陽水さんと玉置さんで「今日のためにふたりで作りました」的なことをアナウンスしていますね。そりゃそうだ。CDやDVDでそのMCがカットされてるだけです。失礼しました。
さて今回、クレジットをみますと、「演奏者」に陽水と安全地帯、そして中西さん川島さん(BAnaNA)しか書いていませんで。あり?と思いました。だって「ワインレッドの心」とか陽水バンドじゃん、パーカッションの人、これ斎藤ノブさんじゃないの(違ってたらすみません)?なんで名前載ってないの?と一瞬混乱しました。そしてちょっと考えて、ああそうか、だからCDには「ワインレッドの心」と「ミスキャスト」が収録されてないんだ!と納得しました。なお、「デリカシー」「リバーサイドホテル」「夏星屑」はCDのみです。あれ、こんなに違ったっけ……もう記憶がこんがらがって一体のものとなっています。なお、「デリカシー」のように『安全地帯IV』収録曲はライブ音源少ない印象ありますから、その意味ではCDは貴重なものであるように思われます。また、『安全地帯ライヴ ENDLESS』に収録のなかった「エクスタシー」もこのライヴアルバムでは聴くことができます。
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おんなじ女性の声入ってますねえ(笑)。たぶんですが、会場の声を拾うコンデンサマイクがあって、その近くにいらした女性が興奮なさってその声を残してくれてのでしょう。
スターダストランデブーは、私は二日間のうちの初日に観に行っています。確か、NHKで中継があったり、後日TVで編集版が放送、CD、カセットテープ、ビデオもそれぞれの会社から発売されたり、夏の終わりのハーモニーの発売、年末には確か全国各所でコンサートのフイルムが上映されたり凄かったです。
発売されたCDには「玉置さん!!」の声が凄い入ってて、どうやってライヴ録音したのか?分かりませんが同じ女性の声が頻繁に入ってます(笑)
初日はラストにグッドグッドバイがあったり、ノリが今ひとつだったそうですが、私は初井上陽水、安全地帯でしたので大大満足しました。
中でも、ラブショックナイト、なぜか上海、飾りじゃないのよ涙は、夕立、夢の中へ、夏の終わりのハーモニー、帰れない二人は良かったです。バンドの演奏力をみてもグルーブが半端なかった時期。帰れない二人なんかを玉置さんが玉置節で唱うのも、初めて聴いてこの人は何でも上手いなっと感心しました。
そりゃ陽水さんの曲まで聴き込んでますって安全地帯ファンはすでに少数派だったことでしょうから、中休み的な時間になるのは当然といや当然です。当時スタジアムライブを満員にできるのは安全地帯でしたから。
スタジオミュージシャンが凄くてもみんな歌手を見に来てます。かりにパラシュートのギタリスト二人そろっていてもそれに気づく人はまずいなくて、ステージの真ん中にいるアイドル歌手を見に来ているわけです。その意味では安全地帯はボーカリスト以外のバンドメンバーが注目されるきっかけと……なってないですね(笑)。陽水バンドみて六土さんじゃん!と気づく人はごく少しいたんじゃないかなとは思います。
正直、陽水バンドのステージなしでも良かったのかもしれませんが、井上陽水というアーティストの凄さを知らしめるには、やはり、陽水バンドのステージは必要だったでしょう。ただ、NHKのBSでの生放送の映像(フィルムじゃなくてビデオカメラ録画だから粗いんですよね、たぶん)を見る限り、陽水バンドの凄さを知らない安地ファンとの温度差は激しかったですよね。
出演者総動員のステージがあっても良かったように思いますが、結局は、陽水バンドからコラボできたのは中西さんだけでしたから、安全地帯ファン向けの演出になったようにも思えますね。
ちなみに、88年?の陽水バンドには、六土さん、川島さん、中西さん、が参加してましたね。おかげで「月に濡れたふたり」フォトセッションの為にバルセロナに0泊で六土さんだけ参加せざるを得なかった頃ですよね。
そうですね、陽水さんチームの音源はキティではさわらない、もしくはさわれなかったのだと思います。ですから、なんだかもったいないライブアルバムになっているのでしょう。DVDにしても、「ワインレッド」と「ミスキャスト」だけってことはなくて、もっと演奏していると思います。
安全地帯ファンにとっても、陽水さんの音楽に触れる機会になったことでしょう。実際わたくしも「帰れない二人」に触れるのは、このライブがなければもっと後になったことと思います。陽水ファンも収録曲が少ないとか憤慨するってことはさすがにないんじゃないですかね。
でも、同じ86年に「クラムチャウダー」というライヴアルバムとビデオが発売されていたので。
陽水ファンもあまり憤慨はしていなかったのでは。
ちなみに、井上陽水、大村憲司、村上秀一、高水健司、浜口茂外也、中西康晴、小林武史。正直、このメンツには、さすがの安全地帯もまだ並んではいなかったのかな、と思います。