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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2016年11月23日

『安全地帯IV』


安全地帯の4thアルバム、『安全地帯IV』の紹介です。

Amazon.co.jpのレビュー等からは、これを最高傑作に推す人も多いようにうかがえますね。

ヒット曲「悲しみにさよなら」「碧い瞳のエリス」を収録しているというだけでなく、この二曲がヒット曲のなかでも人気の高いものであることであることも、評価を上げる要因になっているのかもしれません。

また、「捨て曲がない」という評判も散見されます。

安全地帯、玉置浩二にはもともと捨て曲がないと考えている当ブログにとっては、それはごく当然の評判でもあるのですが(笑)、逆にいうと、他のアルバムには捨て曲があるけれどもこの『安全地帯IV』にはそれがない、とお考えなのかもしれませんね。うむ、それは当サイトにとってはけっして当然ではないぞ(笑)。

わたくしも、なんだかんだでこのアルバムが好きなようで、CDを二枚持っているほかに、LPも一枚持っていました。LPは完全に保管用、観賞用で(ジャケットが大きいのがよかったのです)、針を落としたこともないのに、いくつかあった人生の転機のどこかで、いつの間にか失ってしまいました……。それはともかく、わたくしも他のアルバムにはない愛着をこのアルバムには感じていたようです。CDが二枚あるのは、一枚目を聴きすぎて傷だらけにしてしまい、まだ聴けるんですけど引退させてあげようと思ったからです。

さて、恒例の、曲ごとの短いコメントをしてみたいと思います。

1.「夢のつづき」 一曲目がシングル曲でなくこの曲であったことに、おそらく誰も文句を付けないであろう、名バラードです。
 
2.「デリカシー」 六土さんのベースがこの曲の雰囲気を作り出していますね。「夢のつづき」からこの曲に入ると、コントラストの鮮やかさに息をのみます。

3.「碧い瞳のエリス」 ヒットシングルの、美しいマイナー・ポップスです。このアルバムを初めて聴いたとき、曲全編を貫く美しさに圧倒されたものです。

4.「合言葉」 サビの疾走感に心地よく酔えるロック・ナンバーです。これも「碧い瞳のエリス」とのコントラストが効いています。「静→動→静→動」で螺旋階段をだんだん登っていく感覚です。

5.「こしゃくなTEL」 螺旋階段を登った先にある、楽しい曲枠に属すると思われる曲です。「眠れない隣人」の路線ですね。

6.「消えない夜」 B面に入って一転、アコースティック・ギターによる儚げなバラードです。儚げで美しいのに、ラブラブなふたりが主人公という、悲しい恋をしていることが丸わかりな曲です。

7.「悲しみにさよなら」 悲しい恋をしているふたりが、その悲しみに「さよなら」するという演出でこの曲順になっているとしか思えない、「ワインレッドの心」に次ぐ安全地帯第二のヒット曲です。

8.「彼女は何かを知っている」 タイトルからして不穏な、猜疑心と恋情とが入り混じった感情を、歌詞だけでなくアレンジ全体で表現している、全力投球の不穏恋愛ソングです。安全地帯はこういうのがほんとうに巧い!

9.「ガラスのささやき」 これも前曲に引き続き、穏やかならぬ心情をバンド全体で表現する曲なんですが、前曲よりもさらに感傷的になっていることがよくわかる一曲となっております。アレンジ全体がせつない美しさであふれています。

10.「ありふれないで」 アルバムの最後を飾る、すこし前向きになった心情を表現するバラードです。B面はひたすら悲しい恋を表現するものでしたが、この曲も恋の悲しさは少しも解決されていません。解決する必要はないですけども。そんなときにすこしだけ前を向いた心の、一種独特の輝きを表現しているように、わたくしには思われます。

……とまあ、このアルバムの構成としては、A面が「静→動」の螺旋階段で盛り上がっていく心情の物語、B面が、その後の悲しい恋の物語、というふうに、今の時点では考えております。

おそらくですが、こういうアルバム全体を通してボンヤリと感じられる物語というのは、聴く人一人ひとりによって異なるものなのでしょう。わたくしには、それは玉置さんと石原さんがどうしてもその物語の主人公のように思われて仕方がないのですが、かりに松井さんや玉置さんがそれを意図していたとしても、それでもそれも多くの物語の一つに過ぎないのでしょうね。音楽によって作り上げられる美しさを、一人ひとりがきっと違う物語からボンヤリと感じているにもかかわらず、それを誰もが極上の美しさに感じられるからこそ、このアルバムの評価は高いのだと思われます。

かりに製作者側が、その「物語」を構築するなんて考えていなかったとしてもです(笑)。「一曲一曲、大事に作っただけです」とか言われたらこけちゃいますね。

さて、このアルバムには川島裕二さんがクレジットされていますので、おそらくシンセサイザーのアレンジか演奏か、あるいはその両方かで、川島さんが参画していることがうかがえます。このアルバムには大胆なシンセサイザー音が随所にちりばめられており、その分ギターサウンドは生々しい音にやや特化されているように感じられます。それが原因でJUDAS PRIESTの"TURBO"みたいに賛否両論になった……ということは全然ないようです(笑)。いいですよね、このアルバムのシンセサイザーは。

さてクレジット関連でいえばもうひとつ、このアルバムにはAll Songs Written by 松井五郎というクレジットが入っています。すなわちそれは、井上陽水さんの詞はひとつもない、ということであり、アルバムすべてが松井さん玉置さんの同世代コンビで作詞・作曲されたことを意味します。わたくし個人の見解としては、これは前述の「物語」構築の上で決定的な要素だったと思っております。

また、これはこぼれ話に近いことですが、ジャケット裏のヒゲと眼鏡は……何なんでしょうね(笑)。「エイジ」の映像でリンゴを剥いているなみのよくわからない演出です。東京都庭園美術館で撮影されたジャケット表の写真がずば抜けて雰囲気がいいように思われるのですが、ジャケット裏で「?」です。このあたり、写真とか映像とかの世界というものは、わたくしにはわからないものがあります。

さてさて、次回以降、「夢のつづき」から一曲ずつじっくり語ってゆこうと思います。

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感想(14件)


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この記事へのコメント
このアルバムは、なんか大人の世界に足を踏み入れてしまった感が高かったですね……シリアスな恋愛事情が歌われているだけでなく演奏もかなり複雑なロックで、当時サイモン&ガーファンクルとかカーペンターズなど繰り返し聴いていた私にはかなり強烈でした。でも、それらの歌手に全然負けてない玉置さんは一体何者なんだという興味が強かったです。テレビで観るほかの歌手とは明らかに別次元の歌でした。

紅白出るわレコード大賞出るわで、メディア的には最高潮だったんじゃないでしょうか。

提供曲もたくさんありましたねー。わたくし太田貴子さんの「夏にあわてないで」好きでした(笑)。

パズルどこに売ってたんですか、ちょっと欲しいじゃないですか(笑)。
Posted by トバ at 2023年01月29日 18:34
引き続いて元気に参りました!

私もこの頃は最初カセットテープでクリスマスかお正月に神戸のおじいちゃん家に行った際に、神戸の元町のレコード店で買った覚えがあります。そのまま、安全地帯紅白初出場!!めでたい。

その直前に武道館でレコード大賞をやっていて、確か井上陽水&安全地帯で飾りじゃないのよ涙は、をやりました。その前に陽水氏はひとりでいっそセレナーデを唱いまして、革ジャンをひるがえすかバッと脱ぐかした仕草を観た祖母がポロッと「かっこつけてる!」と漏らしたのを覚えてます(細かい(笑))玉置さんは1年納めの大晦日に悲しみにさよならを2回も唱ったんですね。全国ツアー前中にもかかわらず、プロとはいえもの凄い大変です。

何処で買ったのかは不明ですが、このCのアルバムジャケットの服装の安全地帯パズルを(笑)私は
買ってて、2年かけて完成させたのを思い出しました。アルバムは皆横向いてますが、パズルは全員正面を高校のクラス全員卒業アルバムみたいに向いてるパズル(笑)

アルバムの内容は言わずとしれた1986ゴールドディスクに輝いた金字塔アルバムですね。この頃から数年間は多少玉置さんが鼻声とビブラート多い(ささやきボイス)頃で、好きずきだと思いますがミアスコンサートの時にはまた、ビシッと活動が停止することも想定内だったのか立ち方から何から決まってました。雑誌インタビューでは、ツアー前に悪いところは全部直したと書かれていたのを読んだ記憶があります。

トバさんも書かれているように、ガラスのささやきは、私も斉藤由貴に提供した路線と重なり、白い炎パート2だか、白い炎系と思ってます。そのあとのプルシアンブルーの肖像も作曲の段階で苦労したみたいですが、私個人的には同じ雰囲気がします。あとの悲しみよこんにちはや、こしゃくなр焜激Rードになる数年前に出来ていた曲だったそうです。余談ですが、明菜さんにサザンウインドを書かれてますが、その前かあとが北ウイング(笑) 海外の空港や中世、神秘的な歌が素敵でした。

安全地帯Cでした。
Posted by よし at 2023年01月29日 14:44
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