『安全地帯IV』五曲目、「こしゃくなTEL」です。
本ブログの常と違うのですが、いきなり歌詞から語ってみたいと思います。
わたくし東京に暮らしたことはないため、「感情線」が「環状線」すなわち山手線の比喩だろうという発想がそもそもございませんでした。手相のアレではないだろうから、「感情」が弛緩したり緊張したりする糸のように表現されたものだろう、とだけ考えていました。ああー、なるほどね、恋愛に悩んで、いろいろ思ったり感じたりしているつもりでも、実はグルグル同じところを回っているだけのあの状態ね、ついでにいうと「1000回」は「旋回」との掛詞になっているわけね、わかるわかる……わかるような気がしますよ松井さん!
ただ、そうなると、「左周り」は、山手線なら「内回り」ですよね。これは何を意味してるのか……?はやくも山手線の比喩だというセンは崩れそうです(笑)。これは東京の人なら生活感覚で何かわかるのかもしれません。わたくし、すでにくじけそうですが、このセンもまだ捨てずにとっておくくらいは冷静なつもりです。地方在住者の人生の謎というセンも、説の一つとしてここに記しておきます。
「女性関係を茶化した詞をいくつか書いた」という記述が、松井さんの『Friend』に残されています。
「ディープキッスは」と「チークダンスは」、「ハンドメイドな」と「ダイナマイトで」、「ミッドナイトの」、「嫉妬ばっかの」「フェイドアウトな」
お得意のことば遊びが効いていて、それでいて男女にありがちな事象を的確に表現しており、かつリズムに乗って歌いやすい、みごとな歌詞でほれぼれします。「ハンドメイドな」とか「ダイナマイトで」「フェイドアウトな」なんて、そもそも品詞がおかしいじゃないですか(笑)。こういう言葉をためらいなく使えるというのは、通常の日本語話者には、簡単にはできないでしょう。さすが言葉の職人!これを色気たっぷりの玉置さんがあの声で歌うのですから、これはたまりません。この時代、玉置・松井コンビは絶好調だったのでしょう。ツーと言えばカーという、阿吽の呼吸、以心伝心……は天才ならぬわたくしでも難しいと感じているのに、この二人の天才がツーカーになるというのは、傍から想像される以上に奇跡的なことに違いありません。
「こしゃくなTEL」だって、通常の日本語感覚じゃないですよね。思えばこのタイトルを思いついて、さらにそれが通る、ということが、いかに玉置・松井コンビの風通しがよかったかを示していたといえるのではないでしょうか。
さていつもとは逆に、ここでアレンジに言及したいと思います。
この曲、アマチュアでコピーしようと思ったら、まずドラマーが悲鳴をあげることでしょう。早くて手数が多いんです。最近のミュージシャンだと、アジアン・カンフー・ジェネレーションを思わせる手数の多さです。ひとつひとつは決して難しくないんですが、こう畳みかけられると、採譜している途中で放り投げたくなります。いや最近、アジアン・カンフー・ジェネレーションのコピーをしていて放り投げたもので(笑)。とくにBメロ以降のバスドラは、一小節ごとに若干違うんじゃないかってくらいバリエーション豊かで、田中さんマニアならぜひ挑戦してほしいものです。
この曲の、わたくしたちが聴いて感じるノリは、六土さんのベースと、Bメロ以降の武沢さんのギターが作っているように感じます。とくに、「なんだった」のあたりで聴ける「シャリーン」という武沢トーンは、そこで両手を突き上げてジャンプしたくなる爽快さです。ぜひ安全地帯のライブで、そこでジャンプしてるのは武沢マニアだけ、という光景を見てみたいものです(笑)。
しかし、「ビッグ・ジョーク」や「マスカレード」、「真夏のマリア」を思わせる、ひたすら細かいカッティング(おそらく単音でしょう)で曲を支え続ける矢萩さんは、もはや仙人か聖人かと思えるほどの職人気質を発揮しているというべきでしょう。曲の良さを絶対に最大限に引き出すぞ!それが俺のこの曲での役割なんだ!という、他のバンドのリードギタリストにはまず見られないほどの、滅私ぶりです。ムリだー、わたくしだったら絶対出しゃばって、ブルージーでメローなフレーズを入れてしまう!いやわたくしのスキルではそれは難しいからできないんですけど、もしわたくしに矢萩さんほどのスキルがあったら、出しゃばらずにいられない!いまのわたくしよりもずっと若いのに……ちょっといぶし銀すぎます。武沢マニアのわたくしではありますが、ここで武沢トーンにはしゃぐだけで終わるには、矢萩さんを尊敬しすぎているようです(笑)。
そんなわけで、「女性関係を茶化した」、しかしおそろしく真面目でハイスキルな音楽集団による、ちょっと簡単にこのノリが出せるとは思えないほどノリにノッていた時期の、愉快でありつつも威厳に満ちた曲、「こしゃくなTEL」でした。この名盤の、A面の終わりを飾るにふさわしい曲だと、わたくしは思います。
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新聞とる人もだいぶ減っている現代では信じられないことなんですが、わたくし当時三紙取ってました。普通の新聞と、英字新聞と、スポーツ新聞。三日部屋を開けたら玄関が凄いことになるという。日曜版の「あたしンち」(読売)と、クリントン大統領の「不適切な関係」の続報(デイリーヨミウリ)と、そしてサラブレッド動向(報知)が気になって気になって。毎月一万円くらい新聞買ってましたけど、いまなら全部ネットで読めちゃいますねえ。ネットにもなんだかんだで一万円くらい使ってますが。はっ!安全地帯ファンの皆様申し訳ありません!(笑)
いつも返信遅くて申し訳けございません。
きゃー「ナリタブライアン」「マヤノトップガン」古いけど、古くないです!
今でも鮮明に憶えております。
わたくし、当時「ブライアン」ファンだったもので、三冠のかかる「菊花賞」は現地観戦しておりましたぁ。
安全地帯から暫く離れて、サラブレッドに心を奪われていた時代ですね。
『安全地帯』ファンの皆さま、申し訳けございません。(苦笑)
そうそう、ホクトベガとかエアグルーヴとかでした。面白みのない芝2000のごく普通のレースですが、夏には最重要レースです(中京への対抗意識)。あのころ向こうは1200になったんでちょうどいい棲み分けになりました。
じゃあ、ベスト盤は国際G1級なんですねえ。
忘れもしない、
2012年3月18日 第60回 阪神大賞典 GU 芝 3000メートル
2周目3コーナーあたりでコーナーを曲がらず、外ラチ沿いに逸走し、あわや競走中止かと思いきや、その後馬群にとりつき、1/2馬身差まで詰め寄ったのであります。
あの時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。
と言う訳で、『オルフェーヴル』=3冠馬+凱旋門賞2着であり、かなりの潜在能力を秘めていますが時には破天荒でわがまま!でも、憎めないキャラ!!
玉置さんと類似してるー。(笑)
本命が飛んだ衝撃と『オルフェーヴル』をイメージして、
『気まぐれオルフェーヴル記念』と命名した次第です。
『札幌記念』勝ち馬久しぶりに調べました。
GV 時代
メジロパーマー、ホクトベガ、マーベラスサンデー
GU 時代
エアグルーヴ、セイウンスカイ、ファインモーション
ヘヴンリーロマンス、アドマイヤムーン、
フサイチパンドラ、ハープスター、
ブラストワンピース、ソダシ
GT馬がずらり揃っていますね。
(夏に強い牝馬)多し!!
近い将来GTとなることでしょう。。。
もちろん、「安全地帯」のアルバムは全てGT級であります。
長々と失礼いたしました。
一着がこの曲なのは予想できたとして(ただし再びの競馬ネタは予想してませんでした。お名前から察するべきでした)、二着以降は混戦ですね……一馬身内に五着まで入っています。「合言葉」「消えない夜」「彼女は何かを知っている」「デリカシー」と実力馬が……しかし本命も対抗も着外!夏の札幌競馬場は輸送の影響で走りにくかったか!秋からのG1(ベスト盤?)で巻き返してほしいものです。
「合言葉」何書いてたっけなと読み返してみると黒歴史が!何がトムコリンズだ!そういやニジンスキー産駒でしたねラムタラ!あの当時何だこいつはとんでもない馬だと驚いたものです。しかもあっさり種牡馬入りしてさらに驚きました。
格式高いブログにまた書き込みします。
第四回 安全地帯W(気まぐれオルフェーヴル記念)GU
1着 「こしゃくなTEL.」
前曲「合言葉」の最後「遠くへ。。」とフェイドアウトして行き余韻に浸っているところ、イントロが始まります。わたくし昔から、この流れ(ワクワク感)がお気に入りなのであります。
「眠れない隣人」好き「Happiness」好きとくれば。。。トバさんにはバレバレですよね。(苦笑)
2着 「合言葉」 1/2
イントロからゾクゾク感。「こしゃく」の名アシスト!
3着 「彼女は何かを知っている」 アタマ
アレンジはいつもの安全地帯なのに、メロディーはいつもと違う感じがする?『陽』のイメージ??
4着 「消えない夜」 ハナ
トバブログでしっかり覚えましたよ(笑)
「ツインギターのアルペジオ」!!
わたくし女性ではありますが、全くロマンチストではございません。(どうしたんだろう。。。)
5着 「デリカシー」 ハナ
もう「パンシュポンシュポン。。」に嵌ってます。
先日も台所で食器を拭きながら、口ずさんでましたぁ。
(9番人気がすごい足で突っ込んで来ましたー。)
『直前予想』
◎ 悲しみにさよなら
○ 碧い瞳のエリス
特注 ガラスのささやき
上記、人気曲は電光掲示板から外れました。
大波乱の結果となりました!!
『余談で』
トバブログWでのbPはもちろん「合・言・葉」!
「ニジンスキー」とくれば、わたくしなら「ラムタラ」ですけれども。。。
二人の修羅場にこれはないですね(大笑)
では、失礼いたします。
それで、今の玉置さんにはまるで似つかわしくないか?といえば、そうでもないんですよね。
当時の玉置さんは、いわば作られた都会的なキャラクターを演じていたのであって、本当はもっと素朴で、音楽以外はどうでもいい男だったのだから、そのギャップに苦しんでとうとう病んでしまった……というのも確かに真実なのでしょうけども、この「こしゃくなTEL」のような一面もたしかに玉置さんの真実には違いないのだと思われます。そうでないと、あのライブでのイキイキ感は「何だった!」ですよね。
なんというか、私の中では「玉置さんそのもの」です。
おしゃれで、かわいくて、ちょっと切ない。。。
ライブバージョンも大好きです。
お子様彼氏……うーむ、それは怖い。クーペに乗ってグルグルしてるお年頃の青年が、そんなことでは困りますね。もっと、こう、無理してクールを気取ってほしいものです。地球にやさしくありません。
で、待ちぼうけなんだ!
1000回って、旋回なんですね!
勉強になります。
何気に聞いていて、
1000回もコールしたらその前に留守電になるやろ?
とかつっこみながらも、
(多分)一回ぐらい肌を合わせた程度で恋人気取りの
お子さま彼氏がほっとかれて拗ねてる歌で
当時の玉置さんの純粋な可愛らしさを
表現してたのかなー。
なあんてね?