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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2022年01月15日

『安全地帯アナザー・コレクション』


『安全地帯アナザー・コレクション』(1994年9月)です。アルバム未収録曲集でして、シングルバージョンやシングルのカップリングでアルバムに収録されてこなかった曲だけを集めたアルバムになります。

いつものリンクがなくて(どうも廃盤で中古も見当たりませんでした)ジャケットをお見せできません。事態が変わったらあらためてリンクをしたいと思います。『安全地帯BEST』のときのポスター写真を、ポジネガ逆転させたんじゃないかと思うんですが、青っぽいジャケット写真になります。データで手に入れることはできると思いますので、気になったかたは音楽データ販売サイトなどで検索なさるとよろしいかと思います。

【追記】Appleのリンクを貼るようにしてみました。

さて、このアルバムは、安全地帯が終わったことをわたしに悟らせるとても寂しいアルバムでした。その一方で、とても全部のシングルにまでは手の回らなかったプアーな少年時代に手に入れそこなったままになっていたいくつかの曲を一気に聴くことのできるとても貴重な一枚でしたから、さみしいやらうれしいやらでした。だって、これ聴いたら終わっちゃうよ、全部聴いちゃったよ、もう聴くものないよ、もうレコード屋で安全地帯のCD探すことがなくなっちゃうんだよ半ば習慣化していたのに、と、わたしにとって少年期の終わったことを決定的に示すものだったからです。これで安全地帯は終わりか……深い深い喪失感がありました。まあ、速攻で買いましたけど!(笑)。

当時、ローソンで「きっかけのWink」が流れていたのを覚えています。たぶん、この『安全地帯アナザー・コレクション』のプロモーションだったのでしょう。「きっかけのWink」は当時からするとわずか七―八年前の曲でしたが、やけに昔のことに思えました。その七年八年がわたしにとって人生の転換期を含むものであったこと、そして日本のJ-POPやらJ-ROCKやらのアクが強すぎ質が低すぎで巷に流れる音楽にウンザリさせられていたイヤな時代であったこと等、時間を長く感じさせる要素はいくつかあったのですが、なにより安全地帯が終わったことこそが、この隔世の感を増幅していたものと思います。

さて、そんなわたくしにとって安全地帯とお別れするアルバムであったこの『安全地帯アナザー・コレクション』ですが、当然のことながらアルバムとしてのまとまり、物語性はほぼありません。しいていえばややライトな出来のもの(急いで作ったカップリング等)が多いために生まれたちょっとした統一感、安全地帯の歴史を時系列順にたどれるという物語性はあります。でもまあ、有名曲はほとんど入ってませんから(「じれったい」と「あの頃へ」は別格としても)まさか安全地帯のアルバムを初めて聴くよって人は、よほどの偶然がない限りこれを選ばないでしょう。いってみればマニア向けアルバムになっています。むかしはCDプレーヤーで聴いていましたからシングルをいちいち入れ替える面倒を省くためにお買いになったというケースや、わたくしのようにいくつか聴き逃していたシングルがあるプア―なマニアが一気に事態を解決するために買ったケースがほとんどでしょう。未発表音源は一曲もありません。そして、クオリティ的にもふつうのアルバムとして期待して聴くと肩透かしを食うことでしょう。

さて、一曲ずつの短いご紹介を。
1.一度だけ:「萠黄色のスナップ」カップリングのギターポップです。どっちがA面でもよかったんじゃないかな?と思います。

2.FIRST LOVE TWICE:「オン・マイ・ウェイ」カップリングのギターポップです。うーん、これは「オン・マイ・ウェイ」のハードロック志向時代より若干前に作られた曲じゃないかなと思います。趣が違います。

3.We're alive:「ワインレッドの心」カップリングです。ハードな曲で元気な曲で、ライブのアンコールによく用いられる有名曲でもあります。有名曲ですが、これもファーストアルバムとセカンドアルバムの狭間にある曲調で、これまでアルバム収録がありませんでした。

4.マスカレード (シングル・バージョン):「マスカレード」自体は『安全地帯II』に収録されていますけども、若干だけ構成の異なる曲になってシングルカットされました。

5.置き手紙:「マスカレード」のカップリングで、これまでに『WE'RE ALIVE』で演奏されてライブビデオに収録されていました。慟哭系の寂しいバラードです。

6.一秒一夜:「熱視線」のカップリングで、安全地帯の曲中唯一矢萩さん作曲(当時)、唯一矢萩さんボーカルの曲です。またこれが暗くて不思議系の曲になっています。

7.ノーコメント:「悲しみにさよなら」のカップリングで、これまでは『ONE NIGHT THEATER』で演奏されビデオに収録されていました。軽快なギターポップです。

8.チャイナ・ドレスでおいで:「プルシアンブルーの肖像」のカップリングで、なんともいえない新感覚の曲です。

9.俺はシャウト!:「夏の終りのハーモニー」カップリングっていうんですかね、陽水さんと歌った曲です。ノリノリのロックですね。陽水さんの『GOLDEN BAD』にも収録されています。

10.恋はDANCEではじめよう:「Friend」のカップリングで、なんか急いで作った感のあるノリ一発のポップです。

11.じれったい (シングル・バージョン):これもアルバム収録のものとは若干構成と、ミックスも若干違って聴こえます。このアルバム随一の有名曲ですね。

12.ひとりぼっちの虹:「じれったい」カップリングです。シンセとボーカルの小品バラードです。こういう歌詞は沁みる人には沁みます。

13.きっかけのWink:「Juliet」カップリングの軽快なポップスです。あんまり軽快なんでシリアスな『月に濡れたふたり』には入れられなかったんじゃないかと思います。

14.時計:「月に濡れたふたり」カップリングの、不思議系バラードです。

15.ナンセンスだらけ:「微笑みに乾杯」カップリングの、不思議系というか不可思議系というかのポップスです。これが安全地帯最後の曲なのか?と訝しくなるほどお別れ感はありません。逆にいうと、この曲で終わりなわけはないからきっと復活するだろうとは思えました。

16.地平線を見て育ちました。:「あの頃へ」カップリングの、牧歌的なポップス、合唱曲ですかね。

17.あの頃へ 〜'92日本武道館〜命〜「涙の祈り」:「ひとりぼっちのエール」カップリングのライブ音源です。もう新曲作る余裕もなかったのか……と寂しくなりますけど、演奏はマーベラスな出来です。

さて、次回以降、一曲ずつ語ってまいります。「マスカレード」「じれったい」「あの頃へ」はすでにご紹介させていただきましたので、上のリンクをご参照ください。何度も同じ話で恐縮ですが、安全地帯はこのアルバムをもって沈黙していましたので、このアルバムが終わるとしばらく玉置さんソロのみを扱う期間……たぶん今年と来年いっぱいくらいは……最短でも……になります。ですからあまり過去のことばかり思いだして寂しがってないで、張り切ってまいります!
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この記事へのコメント
イエスタデイは起きたら突然ポールがピアノを弾いて作った曲だと読んだ記憶がありますね。演奏もアコギとカルテットの、もちろん当時としては画期的なもので、玉置さんとBANANAを彷彿とさせますが、まあビートルズの曲かと言われたら、ビートルズがそういうのならそうなんじゃない?としか答えようがないです。All My Lovingみたいにポールが作ったけど一番気に入ってたのはジョンで演奏もノリノリってのとはちょっと違いますね。

「想い出につつまれて」は……うーむ、前の曲「約束」からシームレスにドーンとくるのと、レコード一回ひっくり返してからくるのとでは様々な事情が違うとバンドは判断したんでしょうね。キティがそれを別バージョンと判断したしなかったはともかく……。安全地帯ファンとしては彼らが演奏したすべての音符を体験してみたいですから、キティこの野郎!ですけど(笑)。
Posted by トバ at 2022年02月23日 08:06
発売された時に
「あぁ、やっぱり『想い出につつまれて』は収録されないんだなぁ。あれこそ"シングルバージョン"みたいなもんじゃないか」と思いましたが、キティ的に、イントロが違うだけだから、別にいいだろ?ということだろうと、諦めました。確かにイントロクイズで「残念でした、正解は『瞳を閉じて』でした」というネタくらいにしかならないでしょうから。

名曲もいくつか入ってはいますが、果たして、真の「安全地帯」楽曲と言えるのかは疑問な曲もあります。ビートルズで一番好きな曲を「イエスタデイ」と言うようなもんです。それはビートルズ全員の演奏ではないじゃないか、と。
Posted by せぼね at 2022年02月23日 01:43
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