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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2022年01月30日

置き手紙


安全地帯 アナザー・コレクション』五曲目、「置き手紙」です。「マスカレード」カップリングです。ライブ『WE'RE ALIVE』で演奏されていましたが、前の記事でご紹介した「We're alive」に比べて露出度が少なく、隠れた名曲感の高い曲でした。

オルガン的なキーボードでゆったりと始まるこの曲は、イントロだけですでに不穏な空気、これは幸福でない何かが起こったに違いないという空気がビンビンと漂ってきます(笑)。この時代の安全地帯に似ず、キーボードのみで押し通す異常にあっさりしたイントロですから、そう予感せざるを得ません。

玉置さんの歌が始まり、アルペジオとストロークのアコギが入ります。Aメロはあっさり終わって、ベース、ストリングス、ドラムのフル体制になります。ライブ映像ですとアコギはなし、ベースの音は聴こえるんですがこれは六土さんが左手を使ってもうひとつの鍵盤で何とかしているんじゃないかと思いますが、右手でストリングスの箇所とオルガンの箇所をかわるがわる弾いているように思えます。ちなみにこの『WE'RE ALIVE』、全体的に音が凄くいいように聴こえるんですが、田中さんのドラムがわたくしのすっごい好みの音で録られています。田中さんのドラミングがいいのはもちろんなんですが、このときは大きくないホールでしたので、ハコの響きもいいんじゃないかと思います。安全地帯のコンサートを見るなら地方、せいぜい2000人くらいのホールがおススメです。そのくらいのホールで安全地帯がこのさきコンサートやるかどうかはわかりませんが。そして武沢さん、恐ろしくシャープなクリーントーン、これは映像を観る限り12弦ギターによるもので泣かせに来ます。矢萩さんは矢萩さんで必殺メロ―トーンで間奏に大写しになるお嬢さんの胸を搔きむしるようなソロを奏でます。全員卑怯なくらい音のいいライブ映像ですが、何より六土さんと武沢さんの一人二役三役こなしてこの世界をライブで再現なさる様子が感動的です。

曲はAメロ→サビ→間奏1→Aメロ→サビ→間奏2→サビ→後奏です。間奏1では矢萩さんのメロウなクランチギター、間奏2では矢萩さんのオーバードライブメローギターに後半武沢さんがハモリに入り、そのあと武沢さんのクリーントーンによるソロ、とツインギターバンドらしい構成で、「一度だけ」もビックリの「あっちだ、あっこんどはそっちだ」感を演出し楽しませてくれます。映像を観る限りお客さんは歌への感情移入で半べそ、それどころじゃなかったようですが(笑)。

さてお客さんが聴き入ってべそをかくほどの慟哭ソングなわけですが、じつは初期安全地帯にはごく少なかったのです。のちの「Friend」とかのイメージが強すぎるだけで、このころの安全地帯は失恋ソングは多くなかったのです。いやマジで少ないですよ、「エイジ」くらいじゃないですか?「Big Joke」を入れるなら入れてもいいですけど。そんなわけで、「ワインレッドの心」とか「あなたに」みたいなスケコマシ系の曲たちにふいに紛れ込んだ明確な失恋ソングであるこの曲に当時のお客さんが過度に感情移入したのも無理はないのです。歌詞は安全地帯と、「一度だけ」でもお目にかかった崎南海子さんです。いわば初期の体制で作られたこの曲、実際アマチュアの頃からあった曲ですけども(頑張れば聴けると思います)、この曲が当時の主力曲たちの中で異彩を放つのは当然だといえるでしょう。

最初の二行だけが男の視点で、朝起きたら彼女がもういなかった情景を語ります。寝たふりしてる間に出て行ってくれア〜ア〜とかでなく、ほんとに起きたらいなかったんです。そしてここからは女性視点の、置き手紙の内容になります。

「あなた」があんまり夢に向かって一直線、それなのにわたしのことを気遣って私を応援しようとして苦しんでいるのがつらい、「夢をしばりあう」のが辛いから、わたしは出ていきます、もう二度と会いませんさようなら、という内容なんですが……まてまてまて、いったいどんな夢をお持ちになってたんですかあなた。どうして夢をしばりあうようなことになってしまうんですか、男のほうが玉置さんみたいにミュージシャンとして成功する夢だとしたら、女性のほうはミュージシャンを食い物にして低賃金で使いつぶすプロダクションを立ち上げて芸能界の闇の帝王として君臨するのが夢とかなんでしょうか。それだと感情移入する意味がよくわかりませんから(笑)、きっと違うんだと思います。

まあー、ぜんぜん違う業界にいるふたりが、たぶん生活時間帯が違うとか繁忙期が重なってふたりがイライラする時期が重なって一年のうち超険悪になる期間があって気分はスーパーブルーとか、そういったことなんだと思います。えーとですね、それたぶん大丈夫なんですよ、若いから焦るんだと思うんですけど、時間さえかければなんとかなると思います。時間をかけるのが惜しい、それまでの気まずさを避けたい、ポーカーでいうとカード全とっかえしたいと、ふと思っちゃうくらい若い人にいっても仕方ないんですけども。

80年代中盤、バブル前夜、若者たちは都会で夢を追いました。90年代以降もそのこと自体は変わりないんですが、あの頃はなにより未来への希望がありました。90年代以降のような落ち穂拾いでなく、70年代以前の「イメージの詩」的な夢でなく、豊かさと享楽の未来がすぐそこに見えていたのです。60−70年代の若者たちが夢中になった政治はロン・ヤス体制で完全に勝負あり、若者たちはフランシス・フクヤマのいう「歴史の終り」に達した社会で快と不快だけを関心事として生きる「最後の人間」(ニーチェ)のように、快楽あふれる「夢」を追い求めることができました。こう書くと自堕落で淫らなことのように思われるかもしれませんが、そうではありません。衣食住のために生きるのではない生き方ができるってことです。音楽でもいい、小説でもマンガでもいい、野球でもいい、そういう人間がもつ感性をフルに発揮させて得られる精神的喜びを追い求めることができる段階に、当時の米国と日本は達しようとしていたのです。まあ、不思議なことに、衣食住に多少困ってた時代のほうが王長嶋とか手塚治虫とかすんごい人が出てくるのは皮肉なところですが。でもまあ、野球の世界に落合が登場したように、音楽の世界にも安全地帯が登場した、そのくらいの余力が80年代にもあったわけなんでしょう。

そんなとき、若い男女が都会で出会い、惹かれ合い、棲み処を共にした、でもその生活は80年代という時代によって引き裂かれていった……ふたりがみる「夢」は、その時代が豊かで自由であったからこそ決定的に異なるものであったのです。そんな男女がこの時代には街にあふれていたんでしょうね。わたくしよりはひと回りちかく上のお兄さんお姉さんたちの時代ですから、わたくしは身をもって体験していないんですけども。わたしがその年代に達した90年代中盤以降は地獄でしたから、どんなに失恋が悲しくても「置き手紙」の時代のほうがよっぽどマシに思えます。ですから、この「置き手紙」はわたしにとって、おとぎ話のような美しい世界を描いた歌なのです。

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この記事へのコメント
あら『砂時計』一位だったんですね。実力的にはZARDさんの後塵を拝するような歌手じゃないとは思っていましたが、そんなに目立ったこともあったとは……。

この「置き手紙」は明らかに渋公ライブの映像がいいですね。後出しEP(「マスカレード」)のB面でしたから露出の多くない曲ではあります。実はアマチュア時代からの名曲なんですがね。

こんな手紙置かれていったらダメージでかいですよねえ。でも、往々にして書いた方も傷ついているの、精一杯なのこうするしかなかったの……的な気持ちなんだそうです。わからねえよ言ってること!(笑)。でもあるあるなんでしょう、会場のみなさんの感情移入っぷりといったら……。LINEブロックして去られても何が起こったのかしばらくわかりませんから、現代ではこのような現象は起こりにくいと言えるでしょう。

演奏がパーフェクトなのがまた悲しく美しいです。売られてる映像は、おっしゃるとおりわたくし知る限り渋公のこれだけです……。
Posted by トバ at 2023年01月30日 20:39
お疲れさまです。宇徳敬子さん!砂時計が1位になってた方でしょうか。お顔がZARDの坂井泉水さんに似ているような。良いですね!機会をみつけてチェックいたします。

置き手紙。

今となってはなんかさりげないその行為が良い場合、辛い場合がありえますが、この曲はいきなり何の前触れもなく去られた男の気持ちと、その手紙の内容について語った感じの歌詞?で合っていますか?

ラストの「フレー〜!!」の声が玉置さんのめちゃめちゃ合ってるキーで、ウイアーライヴのビデオで切なさ満点で、お客の女性なんかもう玉置さんに目が釘付け(笑)

ラストソングのウイアーライヴ!の時に
あれは会場は渋谷公会堂?かと思いますが、背の低めの眼鏡かけた男性がお一人映っていて(笑)いつも気になります。あと、2階席の最前外人2人組がノリノリ。

それで、置き手紙では5人だけでしっとりと、楽器配分も分けながら全部5人で最初やって、10周年も最初に敢えて戻って5人でやっていますね。置き手紙を唱ってるのはこのビデオが最初で最後だったかもしれません。ありがとうございました。
Posted by よし at 2023年01月30日 18:01
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