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2017年03月27日

観劇「Ugly lies the Bone」ナショナルシアター/National theatre

ugly lies the bone.JPG







作 Lindsey Ferrentino
演出 Indhu Rubasingham
主演 Kate Fleetwood

“Beauty is but skin deep, ugly lies the bone.
Beauty dies and fades away, but ugly holds its own.”
 タイトルはアインシュタインの名言より 
美は皮膚の深奥に 醜さは骨に宿る 
美はいつか死に絶える 醜悪さは凝り固まり居座る


2017年 英国デビュー Lindsey Ferrentino
(ニューヨーク在米劇作家)の新作です

米婦人兵 ジェス Kate Fleetwood(英俳優) アフガン着任中に重度の熱傷を負い帰還
 生まれ故郷 かつてNASAの宇宙基地 現在は面影もありません 
そして宇宙基地で働いた住民たちが ひそかに暮らしております そこへ 
最新のバーチャルリアリティー精神療法の施設が導入されました 目的は 
帰還兵たちへのPTSD治療です 実際に行われており 
重度熱傷による痛みを軽減するプログラムが実施され モルヒネよりも副作用がなく
痛みを軽減できるという結果をだしているのだそうです それを基に書かれた戯曲です

ナショナルシアター/リッテルトン 890名収容の劇場 
ステージはスノウボードのコースの様にカーブの掛かった壁面を設え 
そこにジェスが体験しているバーチャルな空間が投影されます

数々の賞を得ている米国の戯作家 Lindsey Ferrentino 英国デビューなのであるが
ジェスを取りまく人々 妹 母 恋人 友人たちは とてもありきたり むしろ愚か
とでも言いましょうか 可哀そうなジェスを労わるも深くは関わらない と描かれております

ジェスを演じる俳優は 特殊な身体表現を専門とする舞台振付師につき
重度熱傷による不自由な身体を表現するのでありますが また もちろん役作りに当たっては
実際に罹患者と接触し その人生を学び 役に臨んだでありましょう しかし
残念ながら 真似ているだけの演技でありまして 
観客には痛みが お粗末な程度にしか伝わってこないのです おそらくそれは
演出Indhu Rubasingham(スリランカの両親を持ちロンドン生れ 演出家) が
観客に何を見てもらい 何を伝えたいのか 米人観客向けに掛かれた作品を
英人観客に魅せるには その文化 思考 人間模様の違いを明確にして 
英人観客向け演出を練り上げるのは必須のことなのだすが 
米文化を其の儘移してみました様に見える演出でありまして 果たしてその共同作業から
 新たな種は見出せませんでした 

更に 男優陣のなんと存在の薄いことか 
勿論女性も戦地前線へと出向くアメリカの劇作でありますから 
それでよいのでしょうけれど 脇役をどうしてこうもお粗末に描く必要があったのでしょう?
ジェスの味わっている苦痛 軍人と市井の人のギャップの大きさを描きたかったのでしょうか?
どちらも現実でありながら 余りに違う世界が同時にこの地球上に存在する事実
時に どちらがバーチャルで どちらが現実なのであるかと混乱さえ覚える
そのギャップの大きさ
その儚さを描きたかったのでしょうか?
『醜悪さは凝り固まり居座る』
アインシュタインはこの言葉に何を込めたのでありましょう

昨今 英舞台は 今回の様に映像を盛り込んだ演出を多く見かけますが
 人間の想像力が衰退するのではと危惧いたします

さてそんな中 姉の看病に勤める妹役のOlivia Darnley は
存在感ある良い演技で 今後 眼が離せない俳優の一人であります




と たのしい演劇の日々


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