2022年05月26日
俳優の錬金術 量子仮説quantal hypothesis(神経物理) 00
Alchemy of Actor quantal hypothesis00
量子仮説(neurophysiology神経物理学)
1950年代 Bernard Katzらが提唱した神経細胞の情報伝達に関する仮説
神経系の情報伝達が離散的性質(量子性)をもつこと
神経筋接合部直下で、神経線維を刺激しないときにも、自発的に一定の脱分極が不規則に起こることを見出し、これをeMPP微小終板電位(miniature endplate potential)と呼んだ。
これが神経伝達物質が神経終末からまとまった単位量で自発的に放出されることにより引き起こされると考え、その単位量を量子と呼んだ。
さらに神経刺激により誘発された終板電位の振幅の分布がポアソン分布でよく説明できることから、神経終末にmEPPを引き起こす単一量子が多数存在し、活動電位に応じて個々の量子が確率的にランダムに放出されるという量子仮説に至った。
現在では、個々の量子は一個のシナプス顆粒に相当することが判っている
神経筋標本の筋細胞で活動電位が起こらないよう薬理学操作を加えた条件下、神経線維を刺激したときに筋細胞て終板電位 EPPが観察される。
1952年に、FattとKatzはカエルの神経筋接合部直下、神経線維を刺激しないときにも、自発的に1 mV程度の脱分極が不規則に起こることを見出し、これをmEPP微小終板電位と呼んだ。
mEPPはEPPと似た時間経過をとる。
したがって、Katzらはアセチルコリンが神経終末からまとまった単位量で自発的に放出されることにより、mEPPが引き起こされると考え、その単位量を量子(quantum)と呼んだ。
現在 神経終末に存在する神経伝達物質が充填された(exa’アセチルコリン;約10000分子)直径30-50nm;nanometre ほどのシナプス小胞が、自発的に細胞膜と融合して内部のアセチルコリンが開口放出されたときに生じる反応がmEPPであると考えられている。
del CastilloとKatzらは、細胞外のカルシウム濃度を低下、マグネシウム濃度を上昇させることにより伝達物質放出の確率を低下させた条件下で、神経刺激により誘発されたEPPの変動を統計的に解析。
EPPが全く発生しない場合や、最小振幅の整数倍の大きさで振幅が段階的に変動したEPPが確率的に記録されるが、これらのEPPの記録回数を振幅に対してプロットすると、ポアソン分布とよく一致する。
また、その最小振幅の大きさは、mEPPの大きさとほぼ同じ大きさとなる。
振幅の分布がポアソン分布でよく説明できることから、神経終末にmEPPを引き起こす単一量子(シナプス小胞)が多数存在し、活動電位の発生に応じて個々の量子が確率的にランダムに放出されるという仮説に至り量子仮説と呼ぶ。
実験は、伝達物質放出の確率を低くした条件でなされたため、EPPの振幅とその観察頻度はポアソン分布と一致するが、生理条件下ではより放出確率が高いため、一回の活動電位で放出される量子数は数百個になると考えられ、二項分布に従う。
数学的に二項分布は特別な条件下(ここでは放出確率が低い)において、ポアソン分布と一致。
Katzらが行った一連の解析から
シナプス前終末における独立した放出部位が;n箇所、
活動電位が起こった時の個々の放出部位での放出確率が;p、
1量子に対するシナプス後部での反応の大きさを;q、
一回の活動電位に対するシナプス応答の大きさの平均値;mは、
\ m=npq\
と考えることができ、これら3つの変数がシナプス伝達効率を規定すると考えることが出来る。
それぞれの値を導出する素量解析、たとえばSilverらはシナプス応答の平均と分散から導出する方法を考案。ただし、伝達物質の放出量が多い状況では、シナプス後部の伝達物質受容体が飽和、伝達物質の放出量に比例してシナプス後部が応答することが出来ず、実際のシナプス応答の平均値mは上式で計算するよりも小さくなるので注意。
特に中枢神経系において、シナプス前終末における伝達物質放出部位の個数と、小胞の膜融合に必要な分子群が集積した部位(active zone)の個数が一致しているかどうかは議論の余地あり、exa’単一の神経終末から非独立的に複数の小胞が放出されることがあり(multivescicular release)、その場合シナプス後部の受容体が飽和される可能性が高くなる。
また、個々の放出部位が独立している場合であっても、シナプス後部の受容体を共有している場合には、同時に複数の小胞が独立に放出され、量子仮説の仮定が満たされなくなるため、上式でのシナプス応答の推定が合致しない場合もある。
こうしたシナプス小胞を介した量子的な神経伝達物質放出は、神経筋接合部だけでなく神経細胞間シナプスにおいても起こり、グルタミン酸 GABA モノアミン ペプチドなど 多くの神経伝達物質が量子的に放出される。
また、神経細胞間シナプスにおいても、自発的なシナプス小胞の放出が観察されている。
しかし、シナプス小胞の開口放出が自発的に起こる仕組みは未だに分かっておらず、また自発的に放出されるシナプス小胞が、活動電位発生に応じて放出されるシナプス小胞と同一のものか、別種かについても論争中。
要注意: 量子物理学 1900年にMax Planckが提唱した光のエネルギーにみられる量子性に関る概念を量子仮説と呼ぶ 。
と たのしい演劇の日々
量子仮説(neurophysiology神経物理学)
1950年代 Bernard Katzらが提唱した神経細胞の情報伝達に関する仮説
神経系の情報伝達が離散的性質(量子性)をもつこと
神経筋接合部直下で、神経線維を刺激しないときにも、自発的に一定の脱分極が不規則に起こることを見出し、これをeMPP微小終板電位(miniature endplate potential)と呼んだ。
これが神経伝達物質が神経終末からまとまった単位量で自発的に放出されることにより引き起こされると考え、その単位量を量子と呼んだ。
さらに神経刺激により誘発された終板電位の振幅の分布がポアソン分布でよく説明できることから、神経終末にmEPPを引き起こす単一量子が多数存在し、活動電位に応じて個々の量子が確率的にランダムに放出されるという量子仮説に至った。
現在では、個々の量子は一個のシナプス顆粒に相当することが判っている
神経筋標本の筋細胞で活動電位が起こらないよう薬理学操作を加えた条件下、神経線維を刺激したときに筋細胞て終板電位 EPPが観察される。
1952年に、FattとKatzはカエルの神経筋接合部直下、神経線維を刺激しないときにも、自発的に1 mV程度の脱分極が不規則に起こることを見出し、これをmEPP微小終板電位と呼んだ。
mEPPはEPPと似た時間経過をとる。
したがって、Katzらはアセチルコリンが神経終末からまとまった単位量で自発的に放出されることにより、mEPPが引き起こされると考え、その単位量を量子(quantum)と呼んだ。
現在 神経終末に存在する神経伝達物質が充填された(exa’アセチルコリン;約10000分子)直径30-50nm;nanometre ほどのシナプス小胞が、自発的に細胞膜と融合して内部のアセチルコリンが開口放出されたときに生じる反応がmEPPであると考えられている。
del CastilloとKatzらは、細胞外のカルシウム濃度を低下、マグネシウム濃度を上昇させることにより伝達物質放出の確率を低下させた条件下で、神経刺激により誘発されたEPPの変動を統計的に解析。
EPPが全く発生しない場合や、最小振幅の整数倍の大きさで振幅が段階的に変動したEPPが確率的に記録されるが、これらのEPPの記録回数を振幅に対してプロットすると、ポアソン分布とよく一致する。
また、その最小振幅の大きさは、mEPPの大きさとほぼ同じ大きさとなる。
振幅の分布がポアソン分布でよく説明できることから、神経終末にmEPPを引き起こす単一量子(シナプス小胞)が多数存在し、活動電位の発生に応じて個々の量子が確率的にランダムに放出されるという仮説に至り量子仮説と呼ぶ。
実験は、伝達物質放出の確率を低くした条件でなされたため、EPPの振幅とその観察頻度はポアソン分布と一致するが、生理条件下ではより放出確率が高いため、一回の活動電位で放出される量子数は数百個になると考えられ、二項分布に従う。
数学的に二項分布は特別な条件下(ここでは放出確率が低い)において、ポアソン分布と一致。
Katzらが行った一連の解析から
シナプス前終末における独立した放出部位が;n箇所、
活動電位が起こった時の個々の放出部位での放出確率が;p、
1量子に対するシナプス後部での反応の大きさを;q、
一回の活動電位に対するシナプス応答の大きさの平均値;mは、
\ m=npq\
と考えることができ、これら3つの変数がシナプス伝達効率を規定すると考えることが出来る。
それぞれの値を導出する素量解析、たとえばSilverらはシナプス応答の平均と分散から導出する方法を考案。ただし、伝達物質の放出量が多い状況では、シナプス後部の伝達物質受容体が飽和、伝達物質の放出量に比例してシナプス後部が応答することが出来ず、実際のシナプス応答の平均値mは上式で計算するよりも小さくなるので注意。
特に中枢神経系において、シナプス前終末における伝達物質放出部位の個数と、小胞の膜融合に必要な分子群が集積した部位(active zone)の個数が一致しているかどうかは議論の余地あり、exa’単一の神経終末から非独立的に複数の小胞が放出されることがあり(multivescicular release)、その場合シナプス後部の受容体が飽和される可能性が高くなる。
また、個々の放出部位が独立している場合であっても、シナプス後部の受容体を共有している場合には、同時に複数の小胞が独立に放出され、量子仮説の仮定が満たされなくなるため、上式でのシナプス応答の推定が合致しない場合もある。
こうしたシナプス小胞を介した量子的な神経伝達物質放出は、神経筋接合部だけでなく神経細胞間シナプスにおいても起こり、グルタミン酸 GABA モノアミン ペプチドなど 多くの神経伝達物質が量子的に放出される。
また、神経細胞間シナプスにおいても、自発的なシナプス小胞の放出が観察されている。
しかし、シナプス小胞の開口放出が自発的に起こる仕組みは未だに分かっておらず、また自発的に放出されるシナプス小胞が、活動電位発生に応じて放出されるシナプス小胞と同一のものか、別種かについても論争中。
要注意: 量子物理学 1900年にMax Planckが提唱した光のエネルギーにみられる量子性に関る概念を量子仮説と呼ぶ 。
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