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2021年10月09日

俳優の錬金術Alchemy of Actor 知覚の哲学Philosophy of perception 86

俳優の錬金術Alchemy of Actor 知覚の哲学Philosophy of perception 86
Chemistry46

“本当に大切なものは目には見えない”
  “ 目に見えないところで何が起こっているのかを想像する”

“化学結合とは、原子が安定性を求めて閉殻構造を獲得する反応であり、それ故に 原子は分子や結晶などを作り存在す”

“物質中での原子と原子の結び  結合の力は 粒子間の電子の授受による”    

  
 organic chemistry

. 立体化学stereochemistry

反応物や生成物が立体異性体を持つとき、
反応物のどの異性体が反応しやすいか、また生成物のどの異性体が生成しやすいかを取り扱う化学の領域

立体異性体; 原子の結合の順序が同じで、立体構造のみが異なる異性体。

アルケンに対する付加反応では、反応物が平面構造の sp2 炭素であるのに対し、
生成物が四面体構造 sp3 炭素 のとき、
付加する原子が二重結合平面の「同じ側」から結合する場合と、
「反対側」から結合する場合あり。

「同じ側」から結合する 付加反応;syn addition、
「反対側」から結合する付加反応;anti addition

シン付加、アンチ付加は化学物質への反応の形態を表した用語
これらの付加方法による生成物が「シス体となるか、トランス体となるのか」を判別する。

アルケン/アルキンなどπ結合をもち、電子が豊富にある物質は、その電子を元に求核付加反応を引き起こす。
これら付加反応が起こる際  この結合が切断され二つの原子となり、反応物質に付加される

シン付加が起こる代表的反応 「接触水素化(接触水素添加)」。
 接触水素化反応;
アルケン/アルキン 不飽和結合 π結合をもつ反応性の高い物質に対し、
Pt(白金)、Ni(ニッケル、Pd(パラジウム)などの触媒活性の高い触媒の存在下で水素を付加させ、
アルカンに還元する反応。

このとき、触媒の表面に一度水素が吸着してから反応が発生するため、
物質に対して同じ側から水素原子がつく。
シン付加が起こるときの生成物は、同じ側にその原子が付加されシス体となる。

Picture;

構造が簡単なエチレン(アルケン)への接触水素化の反応式。
1. PtやNiなどの活性の高い触媒表面で、水素分子の結合が切れ、原子として吸着
2. アルケンにおける電子が豊富な部分を元に、求核付加反応が起こる
3. 一連の電子の移動が起こり、最終的にエチレンに水素が付加された、エタン生成
Picture

シン付加 を引き起こす代表の一つ エポキシ化。 
エポキシ化: アルケンなどに対し過酸peroxyacid を加え エポキシ化(エポキシ環.三員環の環状エーテル )epoxide の生成を引き起こす反応。

Picture

アンチ付加;
アルケンなどの反応において他の物質がアルケンに付加される際
 二つの原子中の各々の原子が別の方向からの付加される。
アンチ付加は 物質に対して別の方向から原子の付加反応が起こり、生成物はトランス体。

アンチ付加を引き起こす代表的な反応 アルケンへのハロゲンの付加反応。
臭素の付加反応。

picture

反応により、
シン付加/アンチ付加 どちらも起こ得 生成物は立体異性体の混合物になる。

シン付加 or アンチ付加のみが選択的に起こり、生成物は特定の立体異性体のみを与える。

「立体選択的stereoselective である」;特定の立体異性体のみが生成する反応。
光学活性な触媒を使う等,一方の鏡像体を過剰 につくることができる。
 このように反応機構的には 1紳士服 1 の混合物になるべきなのに,
 なんらかの理由で一方が 過剰になるとき,これを選択的反応と呼ぶ。

アルケンに対する付加反応のうち、カルボカチオンを経由する反応は、立体選択的ではない。
何故なら 中間体カルボカチオンに対し求核剤が反応するとき、
カルボカチオ ン平面のどちらからでも反応できるから。


立体選択的である(カルボカチオンを経由しない)二つの反応

1. ヒドロホウ素化
協奏反応
新しい C–B 結合と C–H 結合は、二重結合平面の同じ側か ら同時に生成するシン付加
ヒドロホウ素化の生成物をアルカリ性過酸化水素で処理してアルコールを得ると、
OH 基はホウ素と同じ位置に結合 得られたアルコールも syn 付加の生成 物 シス異性体

2. Br2の付加
協奏 反応
中間体 環状ブロモニウムイオンが生成る。
2本の C–Br 結合が、二重結合平面の同じ側から同時に生成す シン付加。

次の段階で、Br– が求核剤として背面攻撃。
このとき、攻撃を受けた炭素原子 の立体配置は反転。
その結果、得られる生成物は、最初のアルケンに対して Br2 の アンチ付加したもの。

Br2, Cl2 の付加反応は、
中間体を生成する段階はシン付加で、生成物まで 考えるとアンチ付加。

sp2 炭素に結合している2つの置換基が異なる場合、
 付加反応で生成した sp3 炭素が 不斉炭素になることがある。
エナンチオマーを区別して生成させることは(特別な工夫 を行わない限り)不可能なので、
 生成物は両方のエナンチオマーの1:1の混合物(ラ セミ体)となる。





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