2016年01月20日
息をすることが辛い・・・母がこぼした一言
末期の肺がんでも自宅療養
母は自宅が好きだった。
自分のことは自分で・・・炊事、洗濯、入浴と
全てをこなしてきた9か月。
病院は嫌いで、外来で通院するたびに容態が悪くなるんだと
愚痴をこぼすように語っていた母でした。
しかし、その感覚はあながち間違いではなかった。
実際、容態は悪くなっていたからである。
しかし、それは病院のせいではなく、病気のせいだった。
母の肺がんは日に日に悪化の一途をたどり、
高濃度酸素吸入器の処方を受けるまでとなった。
自宅で吸入するために用意された装置の酸素供給量は
最大で5.0リットル。
最初の1〜2週間は、1.0〜2.0リットルでの吸入で間に合っていた。
今となって想えば、この時既に状況は切迫していた。
母の死期は間近に迫っていたのである。
まさに、今となっては・・・である。
話し声が・・・笑い声が・・・!?
母とは毎日顔を合わせて、会話を楽しんだ。
笑いもたくさんあった。
笑わせることで免疫力を高めるという一石二鳥の試みもあった。
日ごとに辛そうになる母・・・もはや会話をせずに
ただただ母のそばで時を過ごす・・・それだけでもいいとさえ思ったし
実際そうしていた・・・、しかし母は話しかけてくる。
まるで残された時間を惜しむかのように・・・。
黙ってマッサージを続ける私に話しかける母。
無理して話さなくてもいいよ、と言葉を返す私。
本音をポロリ
私の姉は既に結婚している。
旦那さんと息子は献身的に母を元気づけてくれた。
どれだけ母が救われたことだろうか・・・。
そんな姉に、母がこぼしていた言葉があります。
「息をすることが辛い」
一瞬、生きることが辛いと聞き間違えたかと思ったとも言っています。
肺がんの母にとって、肺の機能が低下するとともに
呼吸をすること自体がしんどいのです。
もっと聞いてあげるべきだった・・・母の心の内を、
母の恐怖心を、不安を、愚痴を、わがままを・・・
私にこぼさず、姉にこぼした母のその一言。
私に言えなかった、言わなかった母の心の内を知ることが
出来ない今となってはどうにもならない・・・。
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