2010年07月14日
マイ・フェバリット
前回の無人島シリーズでは、クラシックのやや硬めの選曲をしてこころ残りのしたものを集めてみた。個人的趣味色の強いものというよりも、「こころ揺さぶられる、魅かれる」と言ったものを集めてみたが、取り立てて大きな違いがあるわけではない。ま、無人島パートU位に思っていただければさいわいです。
まずは、やはり
@バッハ「平均律クラヴィーア曲集」・プレリュード1番 BWV846
この曲は、音楽の旧約聖書と言われるほど有名な曲で、まだピアノが世に出ていない頃の作品と聞いています。従ってチェンバロによる演奏も捨てがたいものがありますが、さすがはバッハ。ピアノでの出だしでも、あの「天国へ駆け上がる」かのごとき響きは、我々を至福の世界に連れて行ってくれます。
次に紹介するのは、Aモーツァルト「ピアノ協奏曲23番」作品K488
人生の夕暮れを想わせる出だしの淋しく憂鬱な、と言って何処か溌剌とした不思議な第1楽章に続いて、あの「世界で最も美しい」と評された第2楽章に入ります。静かにピアノと管弦楽の掛け合いの妙に浸っていると「もうどうしようもない、崩れちゃう心境になる」程美しく切ない世界に導かれます。これが天国?
次は以前にも紹介したことのある
B「シューマン・オーボエとピアノの為の3つのロマンス 作品94」です。
こういう曲を聴くと、オーボエという楽器は、人間の口から肛門(失礼!)に至る1本の筒という特性、そこを突き抜ける風・「精神の風」(サン・テクジュベリ)を想わせる切なさと悲しみを秘めた音を再現するにぴったりの楽器だなとつくずく想わせられます。この音楽を堪能するときは、夕暮れの黄昏時(誰そ彼)がぴったりです。私と他人が区別がつかない、入れ替わる時刻。そんな時、何処かの辻ですれ違う時が、主客変身のチャンスです。
C「ドヴォルザーク・ヴァイオリンとピアノの為のロマンチックな小品」 作品75
美しいメロディーの天才として、ブラームスにかわいがられた、ドヴォルザークの作品はどれをとっても、民族的で楽しいメロディーにあふれています。この小品も精神的に疲れ切った時私が真っ先に手にする1枚です。静かにやすらぎの世界に導いてくれます。
D「ベートーヴェン・チェロソナタ 第3番」 作品69
チェロとピアノを使った音と音の神聖なぶつかり合いです。聞くものは唯々圧倒されるばかりです。これが音というものか?以前紹介したバッハの「無伴奏チェロが旧約聖書なら、ベートーベンのチェロは「新約聖書」とでもいうべきとは、これまた「無人島」の教えの銀座のギャラリーの好々爺の言葉でした。
E「アレンスキー・ピアノ三重奏No1 」作品32
「ピアノのさざ波に乗って、ヴァイオリンが歌う。冒頭から一聴忘れがたい印象を与えるメロディー」と「クラシック不滅の名盤」にこの曲を紹介されたアレンスキーは隠れ名曲の作者としてファンも多いロシアのロマン派の鬼才だ。ややメロドラマ調に流れるキライはあるがスラブ調の貴重な1曲だ。
F「フォーレ・エレジー ハ短調」 作品24
エレジー=哀歌、悲歌。フランスで唯一私の好きな作曲家。ラベルやプーランクなどに見られるフランス臭さは 鼻持ちならないところがあるが、彼フォーレの曲にはしっかりと自己と見つめ合う覚悟と耐える強さと優しさが共存していて好感が持てる。男の子守唄。
Gグルック・「オルフェウスの嘆き」(バレー音楽)
トラキアの詩人・音楽家で、蛇にかまれて死んだ妻を冥界に迎えに赴き、地上に連れ帰る途中、条件にそむいて妻を眺めた為、これを永久に失った」というギリシャ神話をもとにグルックが歌劇に脚色した曲。
フルートやピアノなど様々な楽器で演奏される知る人ぞ知る幻想的で超美しい曲。
Hディーリアス・歌劇「イルメリン」前奏曲/小管弦楽の為の小品
イギリスの田園風景を奏でさせたらこの人の右に出る人はいない。この曲に限らず、ディーリアスの曲は、落ち着いて自然の中に打ち解けたやすらぎと解放感に満ち溢れている。
Iメンデルスゾーン・ピアノ三重奏第1番 作品49
哀愁を帯びたチェロのゆったりとした調べに始まり、ヴァイオリン・ピアノと掛け合わせるように流れる主題は、メンデルゾーンの真骨頂だ。シューマンはこの曲を、ベートーベン以来の最も偉大なピアノ三重奏と評した。彼らしい気品もこの曲の聴きどころだ。
J「グリンカ・ヴィオラとピアノの為のソナタ」
ロシア国民楽派の祖と言われ歌劇作家だが、この曲は極めて抒情的で、1度聞いたら忘れられないロシア民族特有の哀調のあるメロディーで聴者を引きつける。これも隠れた名曲。
Kブラームス・クラリネット5重奏 作品115
ブラームス晩年の傑作。悲哀の底に潜む諦念と、それにも関わらず滲みでてくる希望を、彼一流のテクニックで紡ぎだした、滋味あふれる「男の孤独」。とくとお聴きあれ。
Lラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番 作品18
最後は、余りに有名なラフマニノフの2番。やがて皇太子妃となるとの噂でマスコミに追い回されていた当時のM様。車中で発見された折り、フラッシュの集中砲火を浴びて、思わずオートの窓を開け冷静に「危ないですから、おやめください。」と毅然としてささやかれたそうな。その車中から流れ出てきた曲こそ、彼女の愛聴のラフマニノフ2番。身も世もない定めなき情感と切なさは、やや不健康ながら当時の彼女の心境に一致するところがあったのかもしれない。雄大な構成、そこはかとなく漂う情感は、他に比較するところも見つからないラフマニノフらしさだ。
皆さんも心の1枚を!
まずは、やはり
@バッハ「平均律クラヴィーア曲集」・プレリュード1番 BWV846
この曲は、音楽の旧約聖書と言われるほど有名な曲で、まだピアノが世に出ていない頃の作品と聞いています。従ってチェンバロによる演奏も捨てがたいものがありますが、さすがはバッハ。ピアノでの出だしでも、あの「天国へ駆け上がる」かのごとき響きは、我々を至福の世界に連れて行ってくれます。
次に紹介するのは、Aモーツァルト「ピアノ協奏曲23番」作品K488
人生の夕暮れを想わせる出だしの淋しく憂鬱な、と言って何処か溌剌とした不思議な第1楽章に続いて、あの「世界で最も美しい」と評された第2楽章に入ります。静かにピアノと管弦楽の掛け合いの妙に浸っていると「もうどうしようもない、崩れちゃう心境になる」程美しく切ない世界に導かれます。これが天国?
次は以前にも紹介したことのある
B「シューマン・オーボエとピアノの為の3つのロマンス 作品94」です。
こういう曲を聴くと、オーボエという楽器は、人間の口から肛門(失礼!)に至る1本の筒という特性、そこを突き抜ける風・「精神の風」(サン・テクジュベリ)を想わせる切なさと悲しみを秘めた音を再現するにぴったりの楽器だなとつくずく想わせられます。この音楽を堪能するときは、夕暮れの黄昏時(誰そ彼)がぴったりです。私と他人が区別がつかない、入れ替わる時刻。そんな時、何処かの辻ですれ違う時が、主客変身のチャンスです。
C「ドヴォルザーク・ヴァイオリンとピアノの為のロマンチックな小品」 作品75
美しいメロディーの天才として、ブラームスにかわいがられた、ドヴォルザークの作品はどれをとっても、民族的で楽しいメロディーにあふれています。この小品も精神的に疲れ切った時私が真っ先に手にする1枚です。静かにやすらぎの世界に導いてくれます。
D「ベートーヴェン・チェロソナタ 第3番」 作品69
チェロとピアノを使った音と音の神聖なぶつかり合いです。聞くものは唯々圧倒されるばかりです。これが音というものか?以前紹介したバッハの「無伴奏チェロが旧約聖書なら、ベートーベンのチェロは「新約聖書」とでもいうべきとは、これまた「無人島」の教えの銀座のギャラリーの好々爺の言葉でした。
E「アレンスキー・ピアノ三重奏No1 」作品32
「ピアノのさざ波に乗って、ヴァイオリンが歌う。冒頭から一聴忘れがたい印象を与えるメロディー」と「クラシック不滅の名盤」にこの曲を紹介されたアレンスキーは隠れ名曲の作者としてファンも多いロシアのロマン派の鬼才だ。ややメロドラマ調に流れるキライはあるがスラブ調の貴重な1曲だ。
F「フォーレ・エレジー ハ短調」 作品24
エレジー=哀歌、悲歌。フランスで唯一私の好きな作曲家。ラベルやプーランクなどに見られるフランス臭さは 鼻持ちならないところがあるが、彼フォーレの曲にはしっかりと自己と見つめ合う覚悟と耐える強さと優しさが共存していて好感が持てる。男の子守唄。
Gグルック・「オルフェウスの嘆き」(バレー音楽)
トラキアの詩人・音楽家で、蛇にかまれて死んだ妻を冥界に迎えに赴き、地上に連れ帰る途中、条件にそむいて妻を眺めた為、これを永久に失った」というギリシャ神話をもとにグルックが歌劇に脚色した曲。
フルートやピアノなど様々な楽器で演奏される知る人ぞ知る幻想的で超美しい曲。
Hディーリアス・歌劇「イルメリン」前奏曲/小管弦楽の為の小品
イギリスの田園風景を奏でさせたらこの人の右に出る人はいない。この曲に限らず、ディーリアスの曲は、落ち着いて自然の中に打ち解けたやすらぎと解放感に満ち溢れている。
Iメンデルスゾーン・ピアノ三重奏第1番 作品49
哀愁を帯びたチェロのゆったりとした調べに始まり、ヴァイオリン・ピアノと掛け合わせるように流れる主題は、メンデルゾーンの真骨頂だ。シューマンはこの曲を、ベートーベン以来の最も偉大なピアノ三重奏と評した。彼らしい気品もこの曲の聴きどころだ。
J「グリンカ・ヴィオラとピアノの為のソナタ」
ロシア国民楽派の祖と言われ歌劇作家だが、この曲は極めて抒情的で、1度聞いたら忘れられないロシア民族特有の哀調のあるメロディーで聴者を引きつける。これも隠れた名曲。
Kブラームス・クラリネット5重奏 作品115
ブラームス晩年の傑作。悲哀の底に潜む諦念と、それにも関わらず滲みでてくる希望を、彼一流のテクニックで紡ぎだした、滋味あふれる「男の孤独」。とくとお聴きあれ。
Lラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番 作品18
最後は、余りに有名なラフマニノフの2番。やがて皇太子妃となるとの噂でマスコミに追い回されていた当時のM様。車中で発見された折り、フラッシュの集中砲火を浴びて、思わずオートの窓を開け冷静に「危ないですから、おやめください。」と毅然としてささやかれたそうな。その車中から流れ出てきた曲こそ、彼女の愛聴のラフマニノフ2番。身も世もない定めなき情感と切なさは、やや不健康ながら当時の彼女の心境に一致するところがあったのかもしれない。雄大な構成、そこはかとなく漂う情感は、他に比較するところも見つからないラフマニノフらしさだ。
皆さんも心の1枚を!
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