Elwood覚書（ブログ版）

　ちょっと刺激的な題名ですが、養護施設にランドセルを始めとする学用品などが贈られる「タイガーマスク運動」を批判しているのではありません。それを報道するテレビ局に対する批判です。

　今日、大分県の児童養護施設にランドセルを贈るタイガーのマスクをかぶった男性がテレビに映し出されました。が、その映像が不自然さが目に余るものが…。

　まず児童養護施設に午後３時にランドセルを持っていくと匿名の予告電話が掛かります。その予告のおかげでカメラマンがスタンバイできたのですが、この養護施設、不確かな予告電話を元にテレビ局に通報（？）し、テレビ局もすぐに取材に訪れたって事でしょうか？

　さらにタイガーマスクを名乗る男性、ご丁寧にタイガーのマスクを被って来ました。これ、テレビ局などの取材が来ることを前提としていたとしか思えませんし、それ以上にそのマスク。ネットで調べてみたら3,000円以上の品で、簡単に入手できるものでもなさそうです。（少なくともランドセルよりかは入手困難でしょう）それを「顔を隠すためだけ」に買う？

　その後、当然の様にカメラとマイクがタイガーマスクを追いかけますが、アッサリ逃げられてしまいます。間違いなく海老蔵や釈放直後の押尾なら逃さないはずのレポーターが、多分かぶり慣れていないマスクを被って走る男を取り逃がす…。

　まぁ、うがった見方ですが、こんな風に見られること自体がこの運動の逆風になりそうな気がします。矢が刺さったカモが見つかったら全国から同じような動物を探し、道路の割れ目から芽を出す植物を見つけたら全国から同じような野菜などを見つけて騒ぐ。そしてその後は終息…。

　もちろん、報道によってこの運動が広まったのは事実ですが、ある程度で終わんなきゃ。マスコミが一番苦手なのが、この「ほどほど」ってヤツでしょう。

　それからこの運動に冷や水を掛けるようなことに対してもう一つ。先日のワイドショーで経済評論家が無理からこの話にくちばしをツッコミ、「伊達直人」を独り善がりな解釈をしていました。曰く「『伊達（侠気を見せること。また、そのさま）な事をやってくださいよ、菅直人さん』の意味では？」と言いだす始末。それに頷くバカキャスター陣。ついでにこの善意を引き合いに出し政権批判に使う連中。

　何でもかんでも「あるがまま」にしておくのを許さず、こねくり回して手垢がついたら使い捨て。この運動もその流れに乗らないことを願うばかりです。