第26回 新宿御苑洋らん展の続きです。
こちらは館内の様子。
天井が高く、ジャングルのような古代的な空間と、美術・博物館のような近代的な空間が、1つの建物の中で上手く混在しています。 こういう風に、最近流行りの、環境と一体化させて見せる系の?展示方法がとられていました。
アメリカ(だったかな?)とかではこういう展示の仕方が多いそうで、ワイルドな感じです。
休日だったこともあると思いますが、ドームに次ぐくらいの勢いで一般入場者が多く、そして新宿だからか妙に外人も多く、多くの方に蘭の魅力を知ってもらえそうな蘭展でした。
展示の仕方があんな感じだったので、蘭の魅力の1つである香りが確認できないものが多く、フレグランスマニアにはちょっと残念だったかも。
それでもオンシのシャリーベイビーだかは、ちょっと離れていても、甘く強い香りが漂うので、その香りに気付いた一般の方がとても喜んでいました。 こういうところを歩いて回りながら、展示花を観賞します。
ちょっとしたアミューズメントパークみたいで楽しいです。 あっ!!!
大変です!!
レセプションが変な花に占領されています!
入館者及びこのブログを御覧の皆さんは、抵抗を止めて、慌てず、速やかに、蘭に魅了されて下さい!Bulb. grandiflorum
こちらは隔離展示中?のパフィオ達の図。
どこか無機質な栽培・展示の仕方。
きっとあの蘭達に触れると、未知の危険ウイルスに感染して、四六時中蘭のことを考える病になってしまうのでしょう。
静かに始まるアウトブレイク。
パンデミックを抑えるため、きっとあそこに収容されているに違いない! こちらは、なんとヘゴの木。
ヘゴ板、ヘゴ棒、ヘゴチップの、あのヘゴですよ。
ヘゴの加工品は、この木の地面から出ている根の部分を加工して作られるとか、そんな話をどこかで聞いたような、、、、
ヘゴの木はちょっと面倒くさくて、木のてっぺん近くのところに水をかけてあげないと枯れてしまうんですって、ウケる〜(jk風)
こんな高い木のてっぺん近くに水をかけなければならないなんて、とてつもなく大変な栽培ですね、、、、
ふと足元に目を移すと、こういう面白い植物もたくさんあり、ここはちょっとした植物パラダイス!
意外と楽しめるスポットです。 さて、ここから展示の続きです。
私が好きなプレウロ・バルボから。
Pths. s.p.
花が敵顔をしていて面白く、花付きも良く、葉も綺麗で、高い栽培技術でした。Bulb. Louis Sander
この交配種は名札違いの株を結構見かけ、そのため逆にずっと気になっていました。やっと本物をナマで見れて良かったです。Bulb. longissimum x Bulb. ornatissimumです。Pths. rega?is
名札が読めず申し訳ないですが、良く見ると透明感のある綺麗な花でした。Bulb. dearei
フィリピン、ボルネオの700〜1200mに自生する、大きくて派手なバルボ。夏〜秋に咲くそうです。栽培難易度は易〜まあまあとのことで、湿度が好きだそうです。私はロビーやこういうのが好きでいつか栽培したいのですが、夏咲きなため敬遠しています。Pths. angustipetala
スゴイ花付きでした。Bulb. rufinum
小さいので分かりにくいですが、面白い顔をしていて、こういうのも好きです。タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナム、カンボジアに自生する強健種とのこと。Bulb. odoratum aureum
思わず触りたくなる感じ。綺麗な黄色がさわやかでした。 ここからは、個人的に賞をあげたかったで賞の展示株です。B. nodosa 'Suwada'
どうやったらこれ程咲くのか、、、、神の栽培領域。Paph. charlesworthii f.album 'Nice One'
ピュアウォーターさんの3個体はどれも興味深かったです。Paph. charlesworthii 'P.W. 01'Paph. charlesworthii 'Deep Impact'
濃色で、ハロウィンのコウモリを連想させる、ちょっと不気味な雰囲気が素敵でした。Phal. lueddemanniana 'Jumbo Ruby'
色も花型も、非常に美しい個体でした。Rodriguezia decora
モノクロ系の不思議な色と形、それが何花茎も上がっていて存在感がありました。 ここからは、個人的に惚れた展示株です。Cym. erythrostylum
シンビの原種は現在私も収集中なのです。意外と値段が高かったりするのでびっくりします。 ベトナムの1500mの標高に自生。やや涼しくて、中等度の光を好むそうです。それだったら我が家でも栽培できるかも。種名はコラムが赤いという意味らしいです。Paph. U/R (Westen Sky × helenae)
ヘレナエ要素で、色も形も可愛かったです。パフィオってどっちかっていうと不気味なのに、可愛いと思える花もあるっていいですね。Cda. vwcanica?
なんだかよくわかりませんが、株の大きさの割に花が大きくて、色も綺麗だし、良いなと思いました。Cochleanthes Amazing 'Westridge'
こちらも株の大きさの割に花が大きくて、しかも綺麗だし、これまた良いなと、、、。Phal. lowii
この色と形のバランスが非常に好きです。ミャンマーやタイ東部の50m以下に自生するそうです。そのため高温の方が調子が良いそうです。自生地では12〜1月の乾期に落葉するそうですが、水を与え続けると少し葉が残るそうです。こういうファレノプシスの原種も好きなのですが、ちょっと難しそうですね。Catasetum fimbriatum
色は地味ですが、小人の帽子みたいで可愛いのです。ベネズエラ、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの400〜500mに自生するそうです。Cycnodes Taiwan Gold
この秋っぽい色彩、この季節にピッタリで個人的に好きです。Cycnodes(シクノデス)はCycnoches(シクノチェス) x Mormodes(モルモデス)の属間交配種で、Cycnodes Taiwan Gold=Cyc. chlorochilon x Morm. badiaなんですって。Colmanara Masai Red 'G.V.'
ぱっと目に飛び込んでくる存在感があって、一般受けが良さそうな交配種でした。Cse. sulphurea(ケロニステレ スルファーレア)
聞き慣れませんが、セロジネの仲間とのこと。ボルネオ、マレー半島、スマトラ、フィリピン、ジャワ島に自生する強健種だそうです。Cal. vestida
これもなんだかわかりませんが綺麗でした。適当でゴメンナサイ。 そういう訳で、今回の蘭展を見て回って欲しくなったのは、Bulb. dearei、Cym. erythrostylum、Pahl. lowii、Catasetum fimbriatumなどなど、、、、
蘭は本当に興味が尽きないですね。 館外へ出ると、紅葉が、、、、 興奮冷めやらぬ私の、火照った額を打つ風は、冷たく心地良い。
赤や黄、茶、緑を踏み分けて、弾む息を止めて、何度か通ったこの道をまた歩き出す。 やがて高層ビルが見えてくると、この街に住んでいた頃の記憶が蘇ってきて、懐かしくなりました。
スタイリッシュで、騒々しくて、モダンで、せわしなく、憧れと虚しさを詰め込んだような、ごちゃごちゃした街。
止まっていると置いていかれるような、誰にも気付いてもらえないような、そんな街の生活でした。
確かこの辺りは、もともとは貯水場だったと聞いたことがあります。
激動の街。
妙な場所にいたのだな、と思います。 26回目となった、由緒ある蘭展。
激動のこの場所で、不安定な時代と共に開催され続けてきた蘭展。
豊かさを手に入れた私たちは、次はどこへ向かうのでしょう。
10年後、20年後の蘭界はどうなっているのでしょう。
この先の展望が、とても大切なように感じてはいるのですが、、、、、
しかし読めず、よって予測するため、この時代を見逃さないようにしたいと思います。
さあ、もうすぐ頂上決戦ですね。
将来のため、私はこの時代をきちんと見届けようと思います。
それでは、みなさんごきげんよう。
Pths.tribuloides赤ちゃんのような小さい赤い花をつける強健種です。
Bulbophyllum longissimumタイ、マレーシアに自生し、傘を広げたような形に見える「アンブレラオーキッド」と呼ばれるタイプの1つで、これはその中でも毛が長いタイプ。
Bulb.longiflorum ‘Tokyo’マダガスカルやインドネシア等の熱帯地域に広く分布する、やや高温性のバルボ。
Bulb.Louis Sander展示にもあったバルボ。
Bulb.wendlandianum ‘Abe’ビルマ、タイに自生するwendlandianumの個体名が付いたヤツ。タラコやかつお節系の独特な香りがするバルボです。
Bulb.dayanumタイ、ミャンマー、カンボジアの標高1000m程度に自生するバルボ。毛が特徴の可愛いバルボ。
Bulb.phalaenopsisバルブはこぶし大、葉が1〜1.5mにもなる強大なバルボ。珍しいもの好きな方、どうぞ。
Bulb.ecornutum奇妙な形、そして奇妙な斑点のゲテ。見れば見る程奇妙。
Bulb.makoyanumマレーシア、シンガポール、ボルネオ、フィリピンの300m程度に自生する、やや高温性のバルボ。綺麗なアンブレラタイプ。
Bulb.rothschildianumインド東南部やアッサム地方の0〜300mに自生する、やや高温性のバルボ。
Bulb.barbigerumアフリカ西部の900m程度に自生する、風でピロピロ揺れておもしろいバルボ。アフリカ西部なので、ちょっと高温の方が良いかも、、、
Bulb.vaginatumタイ、マレーシア、ボルネオの600m程度のマングローブ林に自生するやや高温性のバルボ。白のミニメデューサタイプ!
Bulb.tingabarinumラオス、カンボジア、台湾で最近発見されたバルボ。オレンジの吹き流しのようで綺麗です。
Bulb.odorutum展示にもあった穂状のバルボ。
Bulb.echinolabiumインドネシアのスラウェシ島、ボルネオ島に自生する、やや高温性のバルボ。バルボとしては20cm以上の大きな花を咲かせるタイプ。花は順々に咲いていく。
Bulb.putidum(=ornatissimum)fascinatorのシノニムだそうです。インドのシッキム地方からベンガル、タイ、スマトラ、フィリピンに自生するそうで、中温性で栽培し易いです。
Bulb.lasiochilumタイやマレーシアに自生するやや高温性のバルボ。この形が好きで私も栽培していたのですが、いつの間にか枯らしていて、再チャレンジしたい1つ。今なら栽培できそうな気が、、、。
Bulb.longisepalumニューギニアに自生するやや高温性のバルボ。紫茶褐色でセパルが長くなる。
Bulb.vinaceumボルネオの1000mに自生するやや高温性のバルボ。
Bulb.alislosum小さな黄色い花を咲かせるバルボ。ちょっと詳細不明です。
Bulb.laxiflorum今回お立ち台に展示されていた株。タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム、マレーシア、インドネシア、ボルネオ、スラウェシ、スマトラ、ジャワ、フィリピン等広域の100〜1800mに自生。中温性なので栽培し易い。
Bulb.tridentata長い花茎に多数の花を咲かせるバルボ。
Bulb.sumatranaスマトラに自生。ロビーに似た花で、ロビーに比べると中心が赤くなるタイプ。個人的にはロビーより綺麗だと思います。
Bulb.alsiosumこちらも小さい黄色い花を咲かせるバルボ。やはり詳細不明です。
Bulb.dearei ‘Shonan’ BM/JOGA(DIV)ボルネオ、マレーシア、フィリピンの700〜1200mに自生する中温性の栽培し易いバルボ。‘Shonan’はJOGAでBMを獲得した、花が大きい個体です。
Bulb.frostiiベトナムの1450m付近の常緑の森に自生する木靴のような可愛いバルボ。7℃程度の低温であれば耐えられる強健種。
Bulb.lobbiiスマトラ、ボルネオ、ジャワ、インドネシア、マレーシア、フィリピンの200〜2000mに自生。中温性の栽培し易いタイプ。