23/08/27(日)放送NHKスペシャル『わが子が“闇バイト”に手を染めるとき』を観た。何故若者が闇バイトに引っ掛かるのか、どうしたら防げるのか興味を持って視聴した。
大学生の一人息子を闇バイト帰りの交通事故で失った父親の話、闇バイトで逮捕され少年院に入っている娘に毎日手紙を書く母親を追うドキュメンタリーだ。
参考:わが子が“闇バイト”に手を染めるとき
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/ZG6JWMYRJG/
男子大学生の場合、死後父親は息子が高校生の時からユーチューブに投稿し自己承認欲求を解消していたこと、金銭に固執していたがお金には困っていなかったこと、ホストのバイトを始め、髪を明るく染めていたことを知る。ホストを辞めた後に闇バイトを始め、窃盗の後ガソリン切れで高速道路に止まっていた軽自動車に大型トラックが追突し男子大学生が死亡し事件が発覚することになったという経緯が語られた。
参考:闇バイト関わり事故死した息子 「なぜ命を落としたのか」真実追う父の葛藤
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/959720
本人が死亡しており闇バイトをした動機は不明だ。私が番組で知った情報から推測すると男子大学生は大学入学まで自分のやりたいことを抑えてクラブ活動もせず趣味もなく勉強一筋の生活をしていたのではないか。その反動が大学入学の一人暮らしで出てしまい承認欲求や好奇心を抑えられなかったと感じた。
無宗教者の多い日本において若者の倫理観をどう育むかと言う問題を突き付けられた気がする。子供を教育するには幼い内からこの様なドキュメンタリーやニュース番組を一緒に見てその感想を尋ね話し合う必要があるのだろう。
親として故事成語「他山の石」とかビスマルクの格言「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といった言葉の意味を教え「因果応報」の怖さを繰り返し語るべきだと思う。
「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」「君子危うきに近寄らず」「命(メイ)を知る者は巌牆(ガンショウ)の下に立たず」といった故事成語から古人の知恵を学ぶように話をしたい。
参考:闇バイト、応募しても報酬無し 逮捕されるまで使い捨ての実態
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ccfcdbfa3e72330cdcc90e8b973cc3322a16c07
女子学生の場合は先輩から誘われ断ろうとしたら家族に危害を加えると脅かされ報酬もないまま1年以上犯罪に関わり逮捕され実刑を受けたと言うことだ。母親は娘の行動に不信感を抱いたが当時夫と別居中で資格取得の勉強で忙しく相談にのれなかったこと、娘に注意を向けられなかったことを後悔している。
子供も思春期となれば親の言うことは聞かなくなるものだ。それまでに「類は友を呼ぶ」「同じ穴の狢」「同類相求」という故事成語を聞かせ自分を正しく律することで付き合う友達も変わることを学ばせる必要もありそうだ。「デジタルタトゥー」とは何かも教えるべきだろう。
今の子供たちは無菌状態で育てられているから世の中の悪意や犯罪者への免疫力や警戒心が薄い様に感じられる。スマホ1つで犯罪者と繋がってしまう怖さが分かっていない。犯罪者にとっては入れ食い状態で、集めるのは容易い仕事と考えていそうだ。
子供には勉強ばかりさせるのではなく家事手伝いを任せ「自己肯定感」「責任感」「コミュニケーション能力」「生活スキル」「思考力・創造力」を向上させておけば犯罪への抵抗力も付くことだろう。
それにしてもSNSは“いいね”の数で自己承認欲求を可視化してしまうのが恐ろしい。私がもし現代の高校生だとしてスマホを手に入れたら数々の誘惑に負けず落とし穴に落ちず生きていけるか自信がない。Z世代は大変な時代を生きていると思わされるNHK特集だった。