2023年7月アニメ新番組の1本にD701ch放送『フェーレンザイ ―神さまの日常―』がある。中国製のアニメだが神獣や神様が普通に地上で生活している日常系オムニバスショートライトコメディアニメとして十分面白い。
日本語OP,ED楽曲に日本人声優のアフレコで日本のアニメと勘違いして視聴しそうだが、アニメで描かれる看板や雑誌等の文字が中国語なので中国製作と気付くことになる。
話に関係するカットは日本語になっている場合はあるが殆ど中国語のままなので何と書いてあるのか気になる。こんな時はGoogle Pixel 6でそのシーンを撮影しグーグルレンズの翻訳で確認している。
熊が神獣に喧嘩を売った時に冷や汗をかきながら両手に持ったプラカードには「ごめんなさい。通り過ぎます」「おやすみなさい」と書いてある。
情報通の神様が知ったニュースとして、
「地域にあったピンクのSUVの所有者は、ようやく運転免許を取得したお祝いとしてコーチと会食し、飲酒運転で逮捕された」
「ダシの幻獣xxは、罪を犯したためではなく、刑務所の合唱に参加したいという理由で何度も法律を破りました。」
「ドラゴン娘の体重減少はマスターによって発見され、子供たちが成長する際に余計な食事を与えられていたと指摘されました」
「ダシは写真編集ソフトの開発者に連絡し、獣の顔位置計測システムの修正を依頼するが、開発者はコストが高く見返りが少ないとして開発を拒否する。」
「シャオティエンさんは数日前、チキンクリスピーボーンの入った箱を埋めてしまい、その後その記憶を失ってしまった。」
「うさぎ団体"心の先で月餅食べ放題活動"が虚偽宣伝の疑いで中止」
「アニメーションの視聴者はBaiZeがどのような情報を見たのか見ており、半数以上が一時停止をしております。」
なんて吹き出しが出てくる。
内容がショートコントになっているし、一時停止のネタはメタ構成になっていて実際私も一時停止で写真撮影をしている。
神獣が妖術でホッキョクギツネに化けて動物園でバイトをしている話では説明文の"ホッキョクギツネ"は日本語化されていたが説明文は中国語のままだ。
真面目にホッキョクギツネの生態について説明しているのかと思い翻訳してみると文面後半は「はるか北極圏にあるとても高い山の洞穴で年老いた北極キツネが小さな北極キツネに物語を語っていました。−-もう掛けない!」とネタ振り逃げで笑わせてくれる。
参考:写真で学ぶイネの品種改良「交配」-両親の特徴を組み合わせる-
https://www.naro.go.jp/laboratory/tarc/contents/school/kouhai/index.html
睡蓮の化身の神様がいるのだが「睡蓮の育て方」という本に"開花の前におしべを取り除く。"という記述は日本語化されているがこれ以降の中国語には「元の鉢ハスの蕾が自家受粉するのを避けるため、開花前に行うこの操作を除雄といいます。」と本当のことが記述されていた。
これは男の子に化けている神様の除雄って…というコメディになっている。
壁に掛けてあった般若心経も中国語だったので翻訳してくれた。
「不満は始まらない、浄化しない、増やさない、叫ばない、だから空中には何もない、兄弟の大きな爪は私のもの、呪いは心だ。花はすべての苦しみが真実であると信じることができ、言ってはいけない」
AIチャットで確認すると画面には「般若心経」の漢字262文字が書かれていたのでこれに関しては一部のみ認識した誤訳だ。
登場人物が神話や伝説系に限られ話がコメディになってしまうのは中国の政治体制による限界が感じられるが、その制約の中で面白いアニメを制作しようと言う情熱が感じられて好ましい。
グーグルレンズ翻訳は便利なのであとは日本の古語を現代日本語には翻訳してくれたら最高なのに、と思っている。