人間、特に日本人は続けることの
価値観が過大評価され、やめるのは
ダサいと蔑まれる傾向があります。
今回は、ある本を一部紹介して
人生においてやめる力について
語りたいと思います。
QUITTING(クイッティング)やめる力 最良の人生戦略 [ ジュリア・ケラー ] 価格:1,980円 |
やめることは続けることと同じくらい大事な
ことであるはずなのに、続ける方の価値が
高いとなるとやめられなくなってしまう。
まず著者は、やめるのは自己防衛であると
語っています。
限界に達する前に、自分を守る必要がある。
著者は昆虫や動物を例えに出しています。
肉食動物が、狩りの成功率が低いところに
いると感じたなら、その場所に見きりを
つけ、別の場所に移動する。
狩りができなければ、自分の命に係わる
ので、妥協や迷いは許されない。
ブラック企業に入ってしまい、命の危機を
感じて、ベイルアウト(緊急脱出)よろしく
退職するがごとしですね。
そこまで深刻でなくても、このまま働き
続けると、心身を損ねると分かっていても
やめられない理由が阻みます。
それは「世間体」です。これまでの社会
通念上の価値感というべきか。
「こんな会社すぐに辞めて」
「石の上にも三年というだろう」
「怠け者、いくじなし」
親や友人など、周囲からの批判が刺さる
のは見えています。
しかしながら、辞めるべきサインが
出ていれば、見逃してはいけない。
向いていないことを無理して続けていれば
心身に不調が現れます。血圧や心拍数など。
酒やし好品が過剰に増えたり、眠れなく
なったり、趣味を楽しめなくなったり。
その辺は過去記事「ストレスの
バロメーター」が参考になるでしょう。
ところで著者は、トラウマは
我々を生存させようとするために
あるものと語っています。
心身からやめろというサインが
出ているのにどうしてやめることが
できないのか。
すぐにやめたらダサいというイメージに
縛られているから。教育でそう教えられ
ますね。
漫画やアニメにしても、悪戦苦闘しながら
続けることで、最後には勝利を収めると
いったストーリーが支持されています。
継続は美徳という価値観の裏返しで、
すぐにやめる人はダサい。
転職でも短期離職が多い人が不利になる
傾向があるのは、その影響でしょう。
それゆえ、動物と違って辞めるべきサイン
が出ているのに、従う事ができない。
人間もとりあえず生き延びれば、また
働いて人間関係を作っていける。
やめられない理由その2は、やめたら
人間関係を失うから。
会社やサークルなど、コミュニティを
脱せば、そこの人間関係は終わります。
どうしても嫌な人間がいるならともかく
それなりに仲のいい人もいる。それを
終了させる。一時的にせよ孤独になる。
何かをやめたことで、配偶者や親から
大きく失望されて離婚になったり疎遠に
なったりするリスクがあります。
人は孤独になるのを恐れるが故、有害な
何かをやめることができない。
やめれらない理由その3は
サンクコストの呪縛。
サンクコストとは、今まで使ってきた
コストを考えると、今更辞められない
といった心理。
パチンコで、5万突っ込んだから
もう少し粘ろうか、という心理ですね。
この3つ、警備業界内の転職でいえば
どうでしょうか。あまり障壁にならない
と思いませんか。
業界内転職なら、流動性の高い警備業界
出戻りや、短期での移籍も珍しくない。
問題は、僕のように業界そのものが
嫌になったしまった。どうするべきか。
嫌で嫌でたまらなければ、自己責任で
動くしかありません。
但し動くタイミングや、きっかけなど
背中を押してほしい気持ちはあります。
他人に相談しても、もやもやするだけ。
こればかりは、自分の気持ちを優先
するしかありません。万人に当てはまる
方程式はないと著者は語ります。
自分で基準を決め、それをクリアしたら
動く。ビジネスの決断と同じです。
これについては、過去記事「運はついて
いるのか」が参考になると思います。
最後に、僕の所感ですが
仕事をやめる時は、ネガティブ理由が
多いものです。これは仕方がない。
但しネガティブな理由でやめる時も、
じっくり戦略的に動き、衝動的にやめる
のでなければ、リスクは比較的小さい。
一方ポジティブな理由でやめてもいい。
いわゆる「卒業」ですね。
仕事にそこそこ満足しているけれど、
将来下り坂になってからやめるのでは
なく、ピークの時にやめる。
この生き方を、僕は体験してみたい。
前向きなスタンスでやめていく方が、
幸福度は高いに決まっています。
【ファンケル】スマホ・パソコンで1日中がんばる目に!えんきん♪
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