今回は、業務の無茶ぶりや丸投げを
してくる組織において、どうすれば
いいか、という提言です。
僕が警備員だった頃、上司から以下の
ような通達が。
指示する業務の中には、無理難題も
あると思うが、勉強と思って頑張れ!
ふむ。勉強なら無理難題でも指示して
いいんだ。
施設警備では、時間の経過と共に業務量
が増えていきます。できる責任者なら、
業務を吟味し、減らす交渉をするはず。
あと、人を減らしていくのもそうです。
これくらい減らしても業務は回るだろう。
本来なら、待遇を勘案し人を減らすなら
ポストを減らす議論をするのが本来の姿。
現場隊員業務の負荷はうなぎのぼり。
こんな状況でも、頑張って何とかしよう
とする人がいるから、使う側はつけあがる。
かつて、僕もその中の一人でした。
これ、警備以外でも部下に仕事を丸投げ
する上司と似ています。理由は、丸投げ
した方が楽だから。
しかし、部下の側にも問題がないわけ
ではありません。
丸投げしてくる上司の、期待に応えて
しまうから。頑張って何とかするが、
裏目に出る。
丸投げという、無理難題をこなした延長
上に、何があるのでしょうか。
過去記事「激務のおかわりは」で教員の
ブラック労働について紹介しましたが、
激務のおかわりは、さらなる激務。
でもって待遇が上がる事はほぼ
あり得ない。警備ならそうですよね。
過去記事「やりがい搾取のメカニズム」で
紹介しましたが
「労働者にとって仕事をすること自体が
報酬だ」
「やる気のある労働者なら、たとえ命じられ
なくても自分から仕事を買ってでるだろう」
という暗黙の了解があるのです。
警備でも次の契約を取るために、
無理難題を受け入れるのは、搾取で
あると気づいて欲しい。
対処法としては、隊員が「団結」して
こんな無理難題はこなせません、という
現実を使う側に突きつけること。
一人でもこなしてしまえば、できる
できないは個人の問題にされてしまうので、
仕組みとしてNGという着地点にする。
理不尽に抗う手段は、労働組合を通じて
行う方法もありますが、いくら声を挙げて
も、法に触れなければ使う側は知らん顔。
そうであれば、うまくいかない現実を突き
つけるしかありません。現場が回らないぞ。
但し、先ほど言ったように団結する事が
前提です。一人でも裏切り者が出れば
アウト。
かつての僕のように、期待されていると
言われて、足元を見ずに頑張ってしまう
人間がいれば、使う側の思うつぼなのです。
待遇など、労働条件のインセンティブも
ないのに「君に期待している」と言われる
のは危険です。搾取臭がプンプンします。
明らかな無理難題なのに、こなさなければ
次の仕事がない。これに抗う究極の手段が
「一斉退職」です。団結を使った必殺技。
保育士さんで、社会問題になっています。
人手不足の原因は、資格や責任に対して
待遇が悪すぎるから。
下手な交渉よりも、する人がいなくなると
いった、うまくいかない現実を突きつける
方が、インパクトはあります。
では今後、一斉退職のような必殺技を使わ
なければ、労働者の処遇改善はできないの
でしょうか。
ここで、ジョブ型雇用の拡大が鍵になる。
ジョブ型雇用は、仕事(の成果)に
対して、こういう報酬を払いますと、
細かく取り決めてから就業します。
負荷や責任が上がれば、比例して報酬も
上げなくてはいけません。同一労働・
同一賃金の考え方ですね。
対する従来のメンバーシップ型雇用は、
終身雇用の考えが根強く残っており、
使う側に強大な指揮命令権がある。
これがエスカレートしたのがブラック
企業。ほぼ無限の指揮命令権があります。
ジョブ型雇用は、終身雇用がないのと
引き換えに、業務の中身や報酬を細かく
決める事で、指揮命令権に制限を設ける。
そもそも待遇に見合わない、無理難題を
要求するのは、指揮命令権の乱用です。
ジョブ型雇用の全うな拡大を望みます。
アンケートサイト i-Say
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