今回も、前回の記事に続いて堀田孝之
さんのニュース記事の話をします。
前回も紹介しましたが、彼は以前都心の
オフィスビルの警備をしていました。
以下書籍も出版しています。
気がつけば警備員になっていた。-高層ビル警備員のトホホな日常の記録ー [ 堀田 孝之 ] 価格:1,430円 |
警備時代の人間ウオッチングで、一流と
二流の違いについて紹介していました。
一流は「警備員を名前で呼ぶ」
二流は「警備員さんと呼ぶ」
という一節がありました。皆さんも経験
があると思います。以下ニュース記事から
の引用です。
警備員がビジネスパーソンと話す機会があると、
たいてい「警備員さん」「警備さん」と
呼ばれます。
制服にはネームプレートがあり、私の名前が
「堀田」であることは相手に伝わっている
状況でも、「警備員さん」と呼ばれます。
もちろん相手に悪気がないのは承知して
いますが、それでも「名前を呼ばれない」
というのは意外と悲しいものです。
海外の刑務所では、人間としての尊厳を
奪うために囚人を名前ではなく番号で
呼ぶことがあるそうです。
私は自分の名前を呼ばれないことについて、
それと同じような印象を受け、尊厳を
傷つけられているような思いがしていました。
しかし、一流ビジネスパーソンの方は
違うのです。
例えば、防災センターに落とし物を
取りに来た外資系銀行の取締役がいました。
取締役の身分確認をしてから落とし物の
スマホを返却すると、彼は初対面の私に
「堀田さん、ありがとうございます」
と言ったのです。
私のネームプレートを見て名前を確認
したのだと思います。
このとき私は、自分の存在を認められた
ようで、飛び上がるほどうれしかったのを
よく覚えています。
以上引用を終わります。
施設警備の醍醐味は、社会的地位の高い
VIPから認められること。それも一警備員
ではなく、個別のアイデンティティを以て。
それが個人名で呼ばれることだと思います。
僕はかつて、警備員を卒業したければ
警備で成功を収めることが重要と言いました。
そのフラグの一つが、名前で呼ばれること。
但し名前で呼ばれなかったからといって、
必ずしも成功していない、というわけでは
ありません。
一流は一流を知る、と言えばかっこよすぎ
ますが、VIP側も警備員の仕事ぶりを見て
いるものです。
巡回などのルーチンワークでも、やるべき
ことを手を抜かず行う。
警備仕様書の職務内容を理解して、業務遂行
しているか。警備員としての立ち振る舞いに
出てきます。
手を抜かなかったからこそ、上記のような
VIPとの巡りあわせが起きた。偶然の必然と
観ます。
そして堀田さんは以下のようにニュース
記事を結んでいます。
もしあなたが一流ビジネスパーソンを目指すならば、
とにかく、警備員のような、自分よりも立場の低い
人の気持ちを想像して働くことが大切です。
斬新なアイデアやサービスというものは、
いつの時代も誰かの「困り事」を解決するため
に生み出されたものではないでしょうか。
多くの場合、困っているのは強者ではなく、
弱者です。
そのため、弱者の気持ちを想像できない人には、
優れたアウトプットを生み出すことができない
のだと思います。
相手の心情を想像する習慣をつけ、まずは
警備員にあいさつすることが、一流になるため
の第一歩だと私は思っています。(引用終わり)
警備員のような弱者の気持ちを
慮(おもんぱか)る想像力。これこそが
ビジネスで一流になるための武器なのでしょう。
逆にキレたり尊大な態度をとる人は
二流止まり。警備員だって将来自分たちの
お客様になる可能性だってある。
そんな人たちの心の奥底には
「こいつ、警備員しかできないだろう」
といった見下したような意識が。
僕はそれを覆したかったから
警備員から転職したのです。
一流は模倣し、二流は反面教師にする。
警備に限らず、職業人共通の様です。
そんな学びができるのも警備員ならでは
なのです。無駄な経験はありません。
願わくば警備員の社会的地位が上がり、
ニュース記事のようなことで悩む警備員
さんが、いなくなることを願います。
アンケートサイト i-Say
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