上記のセリフは、ある架空戦記漫画で
主人公が発したもの。
今回は、世知辛い世の中を生きる上で、
怒りや恨みの感情もあながち無駄ではない
という話です。
発端は過去記事「恐怖型マネジメント
(中編)」で、イジメる側は巧妙に自分の
犯した罪を逃れる、旨を紹介しました。
理不尽極まる世の中で、それに対する怒り
または加害者への恨みの感情は、自然なもの。
僕らは教育で、人を恨んだり怒りをもって
行動しちゃいけないと言われてきました。
怒り続けたり、恨み続けるのは良くはない
ですが、一定のケジメをつけるまで、その
推進力として持つのは、無駄じゃない。
というのも、これから紹介するパワハラは
人として許し難いものだからです。
出典は今野晴貴著
『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』
ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書) [ 今野 晴貴 ] 価格:847円 |
「第4章 ブラック企業の辞めさせる『技術』」の
中に、『民事的殺人』――権利を行使できないまでに
壊されるという一節があり、次のように書かれています。
「民事的殺人」とは、被害者が権利行使の
主体としてはあたかも「殺され」てしまっている
かのような状態である。
職場のことを思い出すだけで、過呼吸になる、
涙が止まらなくなる、声が出せなくなる。
徹底的に追いつめられた恐怖の経験が、
彼らから法的な権利の主体であることを奪い去る。
ブラック企業の側からすれば、この状態こそが、
「完全にリスクをヘッジした状態」なのである。
実は、私たちに寄せられる相談の一定部分が
本人ではなく、両親や恋人など家族や身の周りの
方からのものである。
当人が精神的に追いつめられている中で、
家族が異変を察知し、相談を寄せるということが、
増加してきている。
私たちがこの問題を認識したのも、
被害者の母親からの相談がきっかけだった。
「息子のことで相談がある」と連絡をとってきた
のだ。
誰もが名前を知っている家電量販店で
働いていた息子が、勤務中に救急車で病院に
運び込まれたという。
どうやら過呼吸が原因だったようで、医師の
診断で重いうつ病だとわかった。
職場の状況を聞いていた母親は日常的な
上司からの暴言に原因があると察し
会社に事情を聞くのだが、上司は
「ふざけていただけ」と誠実な対応をしない。
困惑と憤りを抱え、POSSEを訪れたのだった。
高卒で一流企業に正社員採用された若者が、
たった2年で壊されてしまった。
私たちは何とかサポートしようと思ったが、
困ったことにパワハラの記録は何も残っていない。
何より、本人は当時の状況を思い出すだけで
意識を失ってしまうような状況で、
何があったのかすらわからない。
弁護士や労組とも協力したが、結局手出し
することができなかった。
当人が昔を思い出すことも、話すこともできない
状態では、裁判も団体交渉もしようがない。
人間の破壊が極限まで進むと、権利行使の主体と
なりえないほど完全に破壊されてしまうのである。
以上で引用を終わります。
イジメる側が責任をとらされないようにする
リスクヘッジは、被害者を廃人に近い状態に
追い込むことであった。
罪に問われないよう、被害者を徹底的に
潰す、人間とは思えない所業です。怒りを
覚えない方がおかしい。
そこまでいかなくてもパワハラで精神的、
肉体的、経済的な被害を受けた人はごまん
といます。
そんな輩には怒りを持って「責任を取れ」と
糾弾するのがまともな感情でしょう。
世の中には上記の様な酷い人間がいるもの
なのです。桃太郎侍(古いが)風に言えば
「醜い浮世の鬼」と言わんばかりでしょう。
怒りといっても、お前のやったことは
犯罪だから、責任を取れ。日本は法治国家
だぞ。という主張です。
恨みを個人的に晴らしたケースは知ってます。
カテゴリ「施設警備3〜ブラック企業編」の
B社での事。
全国系列のビル管理会社で、主に外資系保険
会社ビルを警備するB社。
リーマンショックで、隊長は二人の隊員に
因縁をつけ、解雇しました。
解雇理由は矛盾したもので、その理屈から
いえば、隊長も解雇されておかしくない。
就職規則もマイルールで蔑ろにする隊長。
解雇された元隊員は、その事をB社に郵送で
告発するも、なしのつぶて。B社に人事上の
粛正はありませんでした。
それから約2年半後のこと。
インターネット掲示板に、B社現場の黒歴史
がことごとく暴露されていました。警備員と
しての信用を失うような暗黒部。
それがきっかけで、今度はクライアント側の
信用を失い、臨時入札が行われTHE END。
全員解雇となりました。
インターネット掲示板に書き込んだであろう、
元隊員はさぞかし溜飲が下がったことでしょう。
理不尽に解雇された執念が、原動力でした。
これは、警備員としてのあるまじき行為を
放置していた隊長や所長の責任です。
臨時入札で切られる程度の現場だった。
理不尽過ぎる仕打ちに対しては、ケジメを
付けるまで、恨みの念は消えない。上記の件
は、当然の帰結と観ます。
我々は、ブラック企業やパワハラの実態を
より良く知り、知恵を付けなければなりません。
人を陥れることについては、イジメる方が
長けているものですから、専門家の力を
借りて、対抗策を練る必要があります。
法を犯したり、人としての尊厳を踏みにじる
行為については、断固として見過ごすわけには
いかない。
加害者側の狡猾さに負けない為には、怒りや
恨みのパワーも武器になります。
但し、一定のケジメを付けたら手放しましょう。
ケジメを付けた後は、自分を幸せにする感情で
心を満たすように、セルフケアしていきましょう。
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