僕が警備員を辞めた理由

今回は、某商業施設で警備員をしている
知人から聞いたことを元に警備職場の
悩みについて深堀ります。



彼が勤める警備会社は地場中堅警備会社。
クライアント側は皆も知っている全国
規模の商業施設チェーンです。



先日、彼に会った時愚痴を聞きました。
この業界、明るい話題はない。



彼の勤める商業施設では、インフォメーション
に女性３名を配置しています。もちろん
警備業務は行いません。



ところが、人が足りないといった理由で
労働契約以外の仕事をやらせてしまった。



これを嫌がった女性２名が退職（当然）、
欠員については、クライアント側職員で
あるおっさんが対応。



インフォメーションにおっさん・・・
全国規模の施設の顔なのに。



この他にも、彼の会社は別の施設で大きな
ミスをして、契約が危ぶまれている。



一つの施設を失えば、他の隊員にも
しわよせが来ます。



警備員にとっての最大の懸案は雇用継続
なのです。



彼はこぼしました。クライアント側は
名の知れた企業なのに、中身はボロボロ。
来年はどうなるかわからない。



暫く疎かにしていた小遣い稼ぎ（副業）
に力を入れようかな・・・大手でなくても
ずっと続く現場で働きたい。



警備会社が全国規模のクライアント側と
契約しているからといって、安心できる
ものではない、ということでしょう。



組織が大きいなりの、弱点もあります。
人事権を持つ側が現場を知らない、
または知ろうとしない。



問題が起きたから改善すると思いきや、
取り返しのつかない事態にでもならない
限り、なかなか腰を上げない。



辞めたら新しい人を雇えばいい、こんな
焼畑農業的なスタンスが透けて見えます。
組織は衰退するばかりでしょう。



僕がここまで話を聞いてきて思うのは、
外部から派遣で人を使う仕組みは、
もはや破綻しつつあるのではないか。



外部委託で丸投げでも、上記の様な問題
（インフォメーション女性が退職し不足）
が起きれば、クライアントが対処する。



結局、クライアント側が泥をかぶらなければ
ならなくなるわけです。丸投げで済んだ時代
じゃない。



僕個人は、嫌な事・面倒な事を立場の弱い
方へ押しやっていくのが、派遣や外注と
いった仕組みの本質ではないかと観ます。



する人間がいなくなる、といった事態に
陥って、クライアント側が動くようでは
遅い。



保育士の一斉退職のような事態が起きれば
顧客にも被害が及びます。絞りまくって
割に合わなさ過ぎる労働は、されない。



こうして悩みを打ちあける彼に、僕は
その場で返す言葉はありませんでした。



しかし、これまで書いてきたように警備
業界以外に活路を見出す方法もあります。



彼は施設警備２級検定を持ち、商業施設
警備隊では副隊長。警備のキャリアも
１０年くらいあるでしょう。



もちろん他の業界も厳しいでしょう。
しかし、小さくても安定した職場と絞り
高望みし過ぎなければ、見つかるかも。



あれもこれも実現したい、というのは
中年になってからは分不相応ですが、
ちょっとマシな仕事なら射程内。



収入や労働時間が今の職場とほぼ同じで、
入札の度に雇用の心配をする必要のない
職場。



これなら丹念に捜せばヒットしそうです。



転職は気づきと縁です。彼が警備業界の
他に従事できる仕事がある、これに
気づくのがまず一つ。



これに気づいて初めて、縁が動き出します。
これは僕が経験したこと。



動き出した縁をキャッチできるかは、彼の
行動次第でしょう。



内憂外患を抱える職場に居続けるのか、
それともリスクを背負って新天地を目指す
のか。



彼がどこまで本気かはわかりません。ただ
条件的に、警備業界外でも働ける質資を
持っているので、あとは行動を起こすか。



内憂外患を抱えながら、使う側の生かさず
殺さずに甘んじるのも人生です。もし我慢
できなければ、飛び出すしかありません。

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