のベテラン警備員さんの話です。
施設警備のエキスパートとして、長年従事。
もう70の大台です。指導教育責任者の
資格を持っています。
彼の話はほとんど部下の至らぬことへの
愚痴。ウチの隊員は施設警備を知らない。
甘い、甘すぎる・・・
当然現場では部下に小言を言い続けている
でしょう。隊長も施設警備を知らないので
小言の対象に。
彼の警備歴は大手警備会社を経て、幾多の
施設警備現場を責任者として歴任しました。
当然厳しい指導を受け、警備業法の知識も
十分です。それから見れば部下や隊長の
なんとふがいない事か。
現場では煙たい爺さんだ、と周囲から内心
思われているでしょう。
断っておきますが、彼は力で抑えるパワハラ
型指導はしません。あくまで理詰めでどうある
べきかを説きます。
彼は現場隊員のレベルが上がらない、と嘆いて
いました。しかし上がらなくとも下がるのを
防いでいるのです。
彼のように小言を言うベテラン、長老格が
いなくなれば、隊員のレベルは地に落ちます。
彼の会社は施設警備の経験者が少ないという
弱点があるのです。もともとは交通誘導警備
メインの会社だったのですから。
警備員として伸びる近道は、彼のような
ベテランに学ぶ事です。最初は細かい事を
ウザイと思うかもしれませんが・・・
知識を重ね、修羅場を経験した人の話には
味があります。最初は面白くないかも
知れませんが、年輪を感じるはずです。
彼に学べば、検定はもちろん指導教育責任者
合格も最短コースでしょう。本来なら彼の
ような指導者に現任教育を任せるべきです。
このように冷や飯を食わされ、僻みっぽく
なっている背景もあるので、教えを乞う
部下が出て来ればかわいいものです。
惜しげもなく知識や経験、業務のちょっと
したコツから裏技まで伝授してくれると
思いませんか?
要領だけが先行すれば、要領だけの隊員に
なってしまいます。それなりの知識や
経験に裏打ちされた要領こそ本物。
ベテラン隊員にとって、自分が教育・指導
した部下が活躍する事が自己実現なのです。
ベテラン隊員の立場を理解し、後継者と
なってくれる部下が現れる事を願っています。
仕事に直結することでなくても、何かしら
相談される事で、ベテラン隊員は喜びます。
頼られる事に存在価値を感じているようです。
今は一線を引いていても、縁の下の力持ち
的な存在感を醸し出す、いぶし銀でありたいと
思っています。
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