『パラサイト 半地下の家族』(Parasite)
観ました!平日の夜に!
すごい絶賛されてるから、期待してみたけど、期待通りに良い作品でした!
期待以下でも期待以上でもなく、期待通りに良い作品!!
展開は予想外でジェットコースターのように、ハラハラしながら、ドキドキしながら、特に中盤のスゴイ展開のあとは、もう目が離せなかったというか、いや、もう冒頭から目が離せない展開でいっぱいです。
まず、あらすじ。
父ギテク、母チュンスク、息子ギウ、娘ギジョンのキム家の4人は、狭く薄汚れた半地下のアパートに住んでいた。全員失業中で、近隣のパスワードの掛かっていないWi-Fiを使ったり、近所のピザ屋のピザの箱を組み立てる低賃金の内職をしたりしてなんとか生活していた。貧しいが、家族みんな仲良く暮らしていた。ある日、ギウの友人で名門大学に通う青年ミニョクがやってきて、富をもたらす山水景石という岩をくれる。ミニョクは、自分が留学する間、パク家の女子高生ダヘの英語の家庭教師をやらないかとギウに提案する。ミニョクはダヘが大学に入学したら交際するつもりであることを明かし、ギウなら信用できるという。浪人中のギウは教える資格がないとためらうが、高い報酬のこともあり家庭教師の仕事を受けることを決意した...
そして、、、
さて、ここからはネタバレ有りです・・・
ネタバレ注意
ネタバレ注意
ネタバレ注意
面白かったです。
家族の喜劇+悲劇。
喜劇であり悲劇でもある。そんなユニークな映画です。けっこう笑える部分も冒頭からありましたが、後半はかなりダークな展開。
ちなみに、私のお気に入りキャラは、美しく、純真、若くて“シンプル”なパク社長の妻ヨンギョ!
騙されやすい天然キャラで憎めないし、でも、ちゃんとマダムっぽい部分もあるし、美しく可愛く、そしておバカ。彼女の気持ちや家庭教師や家政婦に頼って信じてしまう気持ちもわかるんだよな。決して大馬鹿ってわけではないし、クズでもないし、意地悪でもない。むしろ妻や母としての責任を一生懸命はたそうとしているし、使用人に対しても、普通に良い人。ちゃんと給料払ってるしね。かなり高額でケチらず。
末っ子を溺愛している気持ちもわかるし親バカな部分もわかる。甘やかしすぎだけど、まあ金持ちにありがちというか笑。わからなくはなです。社長のパク・ドンイクもイケメン社長だし、普通に理想の金持ち社長という感じですね。奥様と違って、かなり頭がキレるし、人をあまり信用せず、人を寄せ付けないような部分があるけど、でもジェントルマンで良い人です。(この旦那様も末っ子を甘やかしすぎだけど)別にダイアナ妃レベルの良い人って意味ではないけれど、普通に悪い人ではなく、使用人にも高額の給料を払っていて、普通に意地悪ではないし、性格も別にクズじゃないし、普通にまともな人って意味で、良い人って言いました。奥さんの方もそうです。クズではないんですよね。少なくとも私よりは良い人たちです笑。そう、彼らは別に悪人ではないんですよ。むしろこの作品では、被害者ですね確実に。
たまにありがちな映画で、悪い金持ち!とか出てくるけど(ワンピースに多いよね、そういう描写。シンプルに飽きた)でも、この映画は、この金持ちはごくごく、普通の社長の金持ちの一家。不運なことに貧乏一家に寄生された被害者一家です。このレベルの金持ちは、リアルでも家族や友人にいます。医者一家、資産家一家、IT社長一家、財閥系の一族、不動産王の一族などなど、中学高校の友達にもゴロゴロいたし、どことは言いませんが、私自身の実家もそうです。アメリカの実家では雇ってないけど、シンガポールの実家に帰れば運転手もお手伝いさんもいますし、私の相方も、まわりの友人もそうです。さすがに、ここまで能天気で人を信じやすい可愛い奥様は、私のまわりにはいないけど笑。特に私の母は人を疑ってかかりますし使用人を信じてないですからね笑。
第三者目線でみたかったけど、でも、やっぱり、パク一族に感情移入してしまいましたね。
でも、キム一族も哀れで可哀想で。どこまで膨張しているか知らないけど、本当にこんな半地下の生活をしている人が韓国にはいるんでしょうか?洪水のシーンはけっこうショッキングでした。下水があふれでていて汚い。でも、韓国の格差社会もけっこうあるらしいですからね。それにしても、才能ある人が就職もできないのは嘆かわしい。おやじの方はもっとしっかりしろよ!って最初から思ったけどね。タクシーの運転手にもなれなかったのかな?そこまで就職困難だったんでしょうか。日本は今どこも人手が足りないから実感ないけど。この映画では、才能あっても健康体であっても運転ができても、就職することが困難な環境だったのでしょう。
そして、この映画では家族がテーマ。
韓国は、もともと、日本より、家族兄弟間の繋がりが強いんですね。中国もそうだけど。
私も母は中華系のシンガポール人だから、家族の繋がりが濃いし、親兄弟や一族(家)を大切にするというのは、もう骨にしみこんでいるんです。だからですかね。観ていると色々思うことあるし、理解できる部分もあるんですよね。貧しい家庭の方の気持ちもわからなくはない。
子供は親の面倒もちゃんとみるし、長男のギウなんか、責任感ありますよね。
自分さえよければ、親兄弟どうでもいいって人が日本にはけっこういるようだけど、韓国や中華系では、まずありえないですね。だから、ギウは計画をたてて、妹を家庭教師として紹介、その妹は父を運転手として紹介。そして、その父は妻を家政婦として紹介。この紹介のやり方が笑えたりユーモラスだったり面白いんですよ。そして毎回騙されていく奥様〜!!!!!!!!おくさーん!!!しっかりしろ!
貧乏家族4人が金持ち家族4人に寄生!面白い構図です。
ちょっと追い出された家政婦かわいそうでしたね。
でも、もっとビックリしたのは中盤ですかね。
どんでん返しがすごいですよ。
視聴者の私も騙された!!!って感じです。
なんと、半地下の家族というタイトルは二重の意味があったんです。
金持ち一家の金持ちさえも知らない、建築家と家政婦だけが知っている秘密の地下シェルターがあったのでした!そこには、家政婦の夫がずーーーーーっと暮らしてた。うーん、びっくり。
ちなみに、韓国の富裕層は北朝鮮のミサイルに備えたシェルターや借金取りから逃げるために地下室を作ることがあるとの事ですが、そうなんですかね?韓国の事情はよく知りませんが、韓国に限らず、どの国でも、豪邸といえば、地下室じゃないですかね?特に自分で設計したのなら、なおさら。その地下室が秘密のもあれば、ゲームルームやカラオケルームや倉庫にしている人もいますよね。さて、この映画では、自分の家なのに、地下シェルターの事も知らなかったパク一家。うーん笑。まあ、忙しい旦那に、家事は家政婦にまかせっきりのシンプル奥様だからなー。
しかも恐ろしい事に、その地下に、人が住んでたなんて。怖すぎる笑。幽霊より怖いです。
知らない同居人。。。怖。
人間は幽霊より怖いですね。
まあ、この元家政婦の旦那さん、地下に長年住んでたからか、精神を病んでますね。
出てきたときは思いつかなかったけど、まさか、こいつが最後のあの事件の発端だったとは。
うーん、想像できなかったな。
パク社長一家の末っ子が病んでるのは、1年前に幽霊をみたから。その幽霊は、この地下住民の家政婦さんの旦那さんだったってわけですね。そりゃ病むよ!怖い。
この映画、良かったんだけど、でもパク一家のその後が描かれてないのが、ちょっとな。
むしろ一番の被害者だし。この末っ子くんは、この先、まともに成長できないでしょ。
二度もトラウマを経験したのだから。だって目の前で、家庭教師の先生がぶっ刺されて殺されるのを観たんですよ。この末っ子、その後、どうなったのか。
そして、高校生の娘。彼女はどうなったのか。本当に家庭教師の先生できたギウを信頼してたし好きだったわけだし、頭殴られたギウを助けたのって彼女ですよね?
そのうえ、父親が殺されてしまって。
その後、彼女は真実を知ったのでしょうか?ギウの正体を知ったんでしょうか?
彼女はどうたの?
父親を亡くして、これからどうするの?
そして私のお気に入りキャラの奥様、ご主人が刺されてその後、どうなったの?
この映画、あまりにも被害者家族がその後どうなったか描かれてなくて。
そこが、ちょっと残念でしたね。
ぶっちゃけ、人の家族に寄生して、その家族をぶっ壊したわけですからね。
犠牲になったのは社長一人だったけど、残された遺族はどうなるんですか?
奥様も実家がお金持ちのようだから実家に帰るのかな?
たかがフィクションの映画とはいえ、残された遺族が心配だし彼女たちの幸せを願います。
キム一家も犠牲になった人がいないわけではない。
そう可哀想なのは、ギウの妹のギジョン(ジェシカ先生)ですね。
詐欺をやらかしたから自業自得という人もいるかもしれないけど、でも、やっぱり可哀想ですね。
才能あるにもかかわらず金ないので美大にいけず、半地下の臭い家に住んで、そして詐欺師。
この映画のテーマである格差社会。
日本より、韓国は格差社会はひどいのでしょうか?
アメリカも格差社会だけど努力すれば奨学金とかで大学には行けます。金持ちの何倍も努力が必要ですが。
それよりアメリカで気になるのは、働くことを放棄して政府の金をあてに、好き放題している貧乏人ですかね。怠慢で貧乏で生活保護をあてにしている連中。私たちの税金で生きている寄生虫ども。リアルではそういう連中が一番嫌いです。日本にもいますよね。生活保護あてにしている怠慢なクズ。
ただ、そういう人ばかりじゃないのも事実なんでしょう。働きたくても働けない。才能あるのに大学にいけない。親の介護のために無職とか。そういう人達の為に、税金で何かすべきなのではないかな。
韓国の事情は詳しくはわかりませんが、別に頭が悪いわけでも怠慢でもないのに、この映画は家族4人が全員無職ですね。父親の方はちょっと、もっとまじめに仕事探せよと思うのですが笑。
でも4人で内職しながら、日々を生きていました。
この映画で、気になったのは、無意識の差別と臭い。
人間だから、ほとんどの人がしているでしょう。私もしていますよ。無意識どころか意識的にやる事もあるかも。正しい事とも思わないけど、でも自分と自分の家族を守るためには仕方がないのではないでしょうか?
臭いとか特に。簡単な極端な例でいうと、ホームレスとか臭いじゃないですか。近寄らないですよ。
例えば、電車で席が二つあった。清楚な服装の主婦のとなりと、汚らしい病気もってそうなホームレスっぽいオジサンのとなり。あなたならどっちに座りますか?
普段、何気ないこの行動こそが差別そのもの。私は差別なんかしない!ホームレスも一般人も同様に接する!って人はどれだけいるんでしょうか?みんなしていると思いますよ。
聖人君子ではあるまいし。人さまの旦那を寝取るとか、詐欺するとか、他人様に迷惑かけさえしなければ。
でも差別された側はどう思うのでしょうか?
今回、社長が殺されたのは自業自得でしょうか?
私は自業自得とは全く思いませんし社長に同情しますが、引き金を引いたのは社長自身ですよね。
彼のある行動が、ギテクに怒り?を爆発させたのかも。無計画ですがね。
臭い。
子供の鼻は騙せないですね。
末っ子君が気づいてたんですね。4人にしみ込んでた同じ臭い。
半地下の臭い。
半地下に住んでいるからといって、別に風呂に入ってないわけじゃないし、それなりに清潔にしているようにみえるキム一家ですが、それでも貧乏臭というのは、中々消えないかな。
臭い。。。
この作品のテーマでもありますね。
もう一つの無意識の差別。
最初っからあったんですね。
ギウの友達。家庭教師の仕事を紹介してきたミニョク。
彼はなぜギウを紹介したのか?
自分の好きな女の家庭教師に、なぜギウを選んだのか。
ギウなら信頼できるというけど。
それって本心では、ギウのような貧乏人をダヘが好きになるわけないって思ってるからなのでは?
だって、普通なら、女性の家庭教師を紹介した方が安全だと思うけど。
友人だけど無意識の差別が、ここでもあったのでは?と思いますね。
最後の展開。
うーん。父を想うギウの気持ちが切なかったですね。
彼の儚い夢はかなうのでしょうか。
貧乏人の彼が、あの家を買うことができるのでしょうか?
父親はずっとあの地下で暮らすんでしょうか。
切なかったけど、映画としては、良いエンディングだと思いました。
格差社会、無意識の差別、臭い。。。
暗いテーマだけど、それをユーモア混じりながら描いた作品。
悲劇であり喜劇でもある。
そんな作品でした。
そして、富をもたらす山水景石という岩。
これは、この石で、ギウが金持ち一家をぶっKOROSUのかなと予想してたけど、違った。
この石は、ギウにへばりついて離れないというセリフがあったけど。
この石は、ギウ自身を傷つける石だったんですね涙。深い。
ギウ、命は助かったけど。
さて、殺人がおきたあの家を買ったのは、韓国に来たばかりの外国人(ドイツ人)一家。
まあ、これも、リアルでありがちですね。
というのは、実際に私の友人達や彼が同じ目にあったからですよ。
私の友人たちも、彼も、学生時代は、父親が駐在員でした。彼らは高収入で海外で働きます。
例えば、私の彼、アメリカ人ですが、父親の仕事の関係でマレーシアに住んでた事があり、最初に住んでた家は、12LDKでプール付き、地下も2層あった、それぞれの寝室にバストイレ付き、かなりの豪邸でしたが、地元では有名な幽霊屋敷でした。というか、その一帯が、やばかったんですね。
地元の人は絶対済まない。豪邸がゴロゴロ立ち並ぶけど、住んでいるのは5割が外国人でそれ以外が空き家。
かなりひどい目にあったらしいですよ。信じない人は信じないけどね。
私の友達は、タイで似たようなことにあった事があります。やはり、何も知らなかったので、幽霊屋敷に住んでしまったらしいですね。
よくある話です。ちなみに、私の父も一回、似たような経験があります。父の単身赴任だったので私は行かなかったけど。それはマンションでしたね。まあ、すぐに引っ越したけど。
駐在員の方、注意してくださいね!
すごく良かった!
これは受賞できるはずだ
日本の映画も見習うべき
笑いもありましたが無意識の差別とか格差社会とかいろいろ考えさせられました
映画の中で、金持ちだから優しいというようなセリフがあったけど
そうかもしれませんね
(金持ちのクズもたくさんいるけど)
そして貧しいと心も病んでいく
この映画のキム一家のように
だからこそ考えさせられる良い作品だったと思います
映画やドラマにありがちな典型的な悪い金持ち、摂取されてる可哀想な貧乏人という構図ではなく
この場合摂取されてるのは金持ち一家の方ですからね
リアリティある映画だと思います
実は私も観ました。評価は10点中7点です。
面白かったけど金持ち一家のその後の扱いがぞんざいで。
どうなったから描かれるべきかなと。
おっしゃる通り金持ち一家は被害者だしキム一家は加害者。
決してキム一家が美化されるべきではないですね。