<個人的な評価:10点中8点>
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
下記、個人的な感想。
ネタバレあり
前から気になってた映画、ようやく観れた。かなりの批評もある映画だけど、私はけっこう好きだったな。
もっと別のタイトルでも良かったと思うが...
そもそも、このタイトルは、視聴者への問いかけのように聞こえるが、私は問いかけられてるような感じはしなかった。思想の押し付けもないし。純粋に主人公の少年のファンタジー世界を通しての成長物語として見た。『君たちはどう生きるか』ってのは、少年の母親からの少年への問いかけではないかな。
まあ、もっと哲学的な解釈もあるんだけど、そんな小難しい事は考えず、単に、私はファンタジー映画として見たよ。XxxHOLICの真夏ノ夜ノ夢に出てた屋敷を思い出させるような、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスを連想させるような、大きな大きな屋敷。
主人公の家も、巨大な和風の屋敷かと思ったら、その敷地内に、かわいらしい洋館が建ってたり、大きな池や森があったり、謎の塔があったり、かなり摩訶不思議でデカかったけど、別世界の城のような場所も、すごい不思議だった。こういった不思議な建造物に、私は元々興味があるので、それだけでも、この世界観に魅入ってしまった。
『君たちはどう生きるか』の英語タイトルは『 The Boy and the Heron』だが、英語の方が、わかりやすくって、しっくりくる笑。少年とアオサギ。
今作は、宮ア駿脚本・監督による冒険活劇ファンタジーで、宮アの脚本・監督による長編作品では2013年公開の『風立ちぬ』以来10年ぶりとなった。
本作は公開前および公開後も一時期に限り一切情報を明かさず、予告編及びテレビCMを制作しないトップシークレット手法を取っていたことで知られる。また、『魔女の宅急便』以降制作に携わっていた日本テレビやディズニーなどが本作では関与せず、かつ2023年10月6日に日本テレビホールディングスの子会社となる前のスタジオジブリ作品では唯一となる単独出資映画となったらしい。
ディズニーが、手を出してこないのは幸いだね。あのカルト団体が手を出したら、変な思想の押し付け映画になるからね。
あらすじ:
主人公・眞人は、裕福な家の坊ちゃん。実母は病院で入院中。
太平洋戦争が始まってから3年目に、母が入院してた病院は、火災になって、眞人は実母・ヒサコを失う。
軍需工場の経営者である父親の勝一はヒサコの妹、夏子と再婚。眞人は母方の実家へ工場とともに疎開する。母方の実家は、かなりお金持ちで、広大な屋敷がある。
妻の死後、妻の姉妹と再婚するのは、昔ではよくある話。子供にとっても赤の他人が継母になるより、血が繋がった叔母が母親になった方が良いというのもあるし、男性も女性も、結婚しないといけない時代だったから、未婚の姉妹がいると、姉が死んだ場合は、その夫が、未婚の姉妹と結婚する事も、そう珍しくはないが...
しかし、眞人の場合はどうだろう。あまりにも、結婚のタイミングと継母・夏子の妊娠が早くて、もしかして、母が生きてた時から不倫してた?という疑惑もあったが、もしかして、母は先が長くないので、自分に何かあった場合は、夫と息子をよろしく...と妹の夏子に伝えてたかもしれない。(←むしろ、最後まで見た感想としては、こっちの線が濃厚だ)。眞人が怪我をした時に、夏子は責任を感じて、姉に申し訳ない!と嘆いてたのも、姉に託された息子だから大切に育てたいという想いがあったのかも。
さて、疎開先の屋敷の近くには覗き屋の青サギが住む塔が建っていた。この塔を不思議に思った眞人は土砂で半ば埋もれている入り口から入ろうとするが、屋敷に仕えるばあやたちに制止される。その晩、眞人は夏子から塔は、大伯父によって建てられ、その後大伯父は塔の中で忽然と姿を消したこと、大水が出たときに塔と母屋をつなぐ通路が落ちて迷路のようなトンネルが見つかり、危なかったので夏子の父親(眞人の祖父)によって入り口が埋め立てられたことを告げられる。
この映画は、長く途中でウトウトした場面もあったけど、大きくわけて、6つの章がある。
1章: 現実世界における塔との出会い
2章: 下の世界との遭遇
3章: 少年と青サギ、夏子を探す旅
4章: 大伯父との邂逅
5章: 「下の世界」からの脱出
6章: 現実世界への帰還
最後、「下の世界」の崩壊により避難してきたインコたちやペリカンたちも眞人たちの現実世界に出現し、塔はすべて崩壊。青サギに「まだ向こうのことを覚えてんですかい」と問われた眞人は、ポケットの中のキリコの人形や、大伯父のもとへ向かう際に積み木の丘で拾った石に気付く。青サギはその記憶もじきに忘れると言い、眞人の前から姿を消していく。
ようやく日本は終戦を迎える。無事に、夏子も出産をして、眞人にも弟が出来た。
終戦から2年が経って一家は疎開先から東京へ戻ることになり、玄関先で待つ一家の呼び声で、身支度を済ませた眞人は自室から出ていく。
眞人は、継母の夏子を母親として受け入れているようで、家族4人でハッピーエンド。
他の感想をみると、小難しい哲学的な解釈もあるだろうけど、私からみれば、少年が下の世界を通して、成長して、現実を受け入れて、前に進み、生き残った残された家族と共にしっかり新しい未来を生きる物語だった。
ファンタジーな世界観が好きなので、けっこう気に入った。