2015年04月13日
ひとはなぜご飯を食べると眠くなるのか
■食後に急激に眠くなるのはなぜ?
食事をしたあと、眠気に襲われることはありませんか? 病気ではないかと心配する人もいるかもしれませんが、そもそも人はなぜ、ご飯を食べると眠くなるのでしょうか。
●食後に食べ物を消化するために消化管に血流が豊富に流れ、食前に比べると相対的に脳への血流が減るため
(脳や心臓といった重要臓器には血流量を一定に保つ機能があるため、量自体は変わりません)
●食後に上昇する血糖値を下げるために「インスリン」が分泌されるため
ある程度の食後の眠気は自然なことで、健康の証ともいえるでしょう。
■糖尿病の合併症に注意……!
しかし食後の異常な眠気の場合は、糖尿病発症直前・早期の可能性があります。糖尿病とは高血糖となってしまう病気ですが、怖いのが「三大合併症」ともいわれる、糖尿病がもとになって起こる合併症です。
1.糖尿病神経障害:足先のしびれや痛みなど
2.糖尿病網膜症:白内障や緑内障の原因になるほか、ひどくなると失明する恐れも
3.糖尿病腎症:むくみや蛋白尿など。ひどくなると透析が必要に
糖尿病になりかけのひとつのサインが“食後の異常な眠気”なのです。そのメカニズムを見てみましょう。
■急激な血糖値の変化が眠気を引き起こす
食事をすると、誰でも一時的に血糖値が上昇します。健康な人であれば食後2時間ほどで血糖値は低下しますが、低下せずに高い値が続く状態を「食後高血糖」といいます。
糖尿病の早期は食後に膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌される量が減少したりタイミングが遅れたりします。すると血糖値を下げる働きが十分でないため、「食後高血糖」を引き起こします。そして相対的に「高インスリン血症」となり、今度はインスリンが働きすぎて血糖値が過剰に下がり「低血糖」に陥るケースが生まれるのです。
このような急激な血糖値の変化は、異常ともいえる眠気を誘います。
自覚的に発見しやすいのは、この低血糖による異常な眠気です。そのことを心に留めて、特に生活習慣の乱れを感じるときには、セルフチェックを念入りに行いましょう。