2016年05月20日
眠っているのに、本人は「眠れない!」と感じてしまう、睡眠状態誤認って?
「なかなか眠れない」「睡眠不足が続いている」…不眠症でお悩みのかたは多いようです。
しかし、この中には、実際の睡眠時間と本人の認識が食い違っている、という場合があるのです!これが「睡眠状態誤認」と呼ばれる状態です。今回は、この睡眠状態誤認について、医師の話をお伝えします。
睡眠状態誤認とは…?
睡眠状態誤認は、寝ている状態であっても、本人は「目覚めている」と誤って認識してしまう状態のこと。家族やパートナーにしてみれば、ずっと眠っているように見えるのにも関わらず、本人は「眠れていない」と言うし、実際に眠り足りない感覚があるようです。
たとえ睡眠を判定する脳波検査で「睡眠中だった」という結果が出ても、本人の感覚では「決して眠れていない」のです。
睡眠状態誤認になる原因は?
睡眠状態誤認の原因ははっきりわかっていないのです。
ただ、高齢者、または長く不眠に悩んだ人は、脳の前頭葉などの活動が抑制されてしまうため、認識がうまくいかず、睡眠状態誤認が起こるのではないかといわれています。
実際眠っているんだから問題ないんじゃない?
睡眠状態誤認では「よく眠れた」という感覚がなく、睡眠時間を短く感じます。そのため、
・昼間疲れやすい
・やる気が出ない
・仕事などでミスが多い
・イライラしやすい
といった問題が起こります。
睡眠状態誤認は実際は眠っている状態なので、睡眠薬は効果的ではないでしょう。治療として、自分の睡眠時間や質をしっかりと把握するための、認知療法などが行われる場合があります。自分がどれくらい眠っているのかを理解し、見極めることが大切になります。