2015年06月20日
「ふくらはぎとアキレス腱のケガ」の原因と対策
夏になると野外でのイベントなども増え、いつもより活動的になる方も多いと思います。しかし、日頃あまり運動していない方は、急な運動で体を負傷してしまう危険性があります。
体の中でよく負傷する部位は足です。特に、40代以上の男性はふくらはぎからアキレス腱を痛めることが多くみられます。
そこで今回は、夏に注意したい足の負傷の原因と対策をご紹介します。
■原因と初期症状
運動によって足を負傷してしまう主な原因は、走る・歩くなどの動作時における急発進と急ブレーキです。実は、軽いジョギングでも、着地時に体重の3倍、歩行時でも1.5倍の衝撃がかかっているのです。
足に負担がかかりすぎている場合、初期の症状として運動開始時に疼痛があります。また、腫れやギシギシという軋轢音がある場合もあります。
我慢して動いていると疼痛は軽減される、または無くなりますが、このような時は安静にすることが必要です。
ここで我慢して動かしてしまうと症状は悪化し、ふくらはぎを形成している筋肉やアキレス腱の炎症を起こしてしまいます。「せっかく運動をはじめたのに休むのは……」と思ってしまいがちですが、休む勇気も必要です。
■東洋医学からみると生活習慣が原因
東洋医学からみると、これらの炎症や痛みは、臓器の“肝”と“脾”の機能低下により、アキレス腱周辺の気血が滞っていることが原因だと考えられています。
この症状は、寒く風の強い所に長くいた場合や、湿度の高い季節に体を動かした際に起こりやすくなります。つまり梅雨から夏にかけての今の時期に起こりやすいのです。
“肝”はストレス、“脾”は食事の内容などが機能を低下させる要因となっています。予防のためには生活習慣が重要なのですが、即効性を考えると1番良い方法はストレッチです。
■伸びる感覚を意識したストレッチ
しかしそのストレッチも、上手に行わなければ意味がなくなります。
ふくらはぎは腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋という筋肉で形成されていて、いずれもアキレス腱としてかかとの骨に着きます。腓腹筋は上にむかって膝関節を越えて付着していますが、ヒラメ筋は膝関節の手前に付着しています。
この事を考えてそれぞれの筋肉をイメージしながらストレッチをする方法が大切です。
腓腹筋の場合は、左右の膝を伸ばしたまま伸ばす方のつま先を段差にのせて、ゆっくりと体の重心を前に移動し、筋肉が伸びている感覚を意識して行ないます。
ヒラメ筋の場合は、伸ばす方を立てる形で片膝をつき、伸ばす方のかかとを床から離さないようにして、ゆっくりと前方に重心を移動させます。ここでも筋肉が伸びている感覚を意識して行います。
どちらのストレッチも、どの筋肉を伸ばしているか意識することが大切です。反動をつけたり、痛みを感じるような動かし方は避けましょう。
このストレッチは、体を動かす前だけでなく、お風呂から出て体が温まっている時に毎日約1分間行うのが良いでしょう。日頃の運動不足から突然のケガを招いてしまわないように、筋肉ストレッチを日課にしてみてはいかがでしょうか。