2015年06月09日
がん患者が増えているのは単に「日本人が●●」だから
いまや“3人に1人”がかかり、昭和56年から日本人の死因第1位になっているがん。1/3の確率ですから、誰でもなる可能性があり、もはやひとごとではありません。
ところで、なぜ日本人にがんが増え続けているのか、疑問に感じませんか?
そこで今回は、国立がんセンターがん予防・検診研究センター・センター長の津金昌一郎さんの著書『がんになる人 ならない人 科学的根拠に基づくがん予防』などを参考に、日本人にがんが増え続けている理由とそれに伴う予防法をご紹介します!
■“がんによる死亡が増え続けている”理由は?
“がんによる死亡が増え続けている”原因というと、日本人の体質変化、環境汚染、がんの悪性度が増していることなどが理由ではないか、と考える方もいらっしゃることでしょう。同著によれば、上記はいずれも科学的な根拠はなく、がんが増えている単純な理由は、“日本人が長寿になった”からとのこと。
<(略)日本でがんになる人やがんで死亡する人が多くなったのは、寿命が伸び、人口構成が高齢化していること、すなわち、がんになる確率の高い年齢層の国民が増えていることを反映しているのです。>
健康長寿はたいへん喜ばしいことですが、上記のとおり、長生きによるがんなどの病気のリスクは、今から念頭に入れておく必要がありそうです。
■日本人が80歳までにがんになる確率は?
また、同著によると、日本人が80歳までにがんになる確率は、男性で3人に1人、女性で5人に1人になるとか。
<さらに、85歳までとなると男性では2人に1人、女性では4人に1人とがんのリスクは一段と増大します。>
最新のデータを見ると、2012年の日本人の男女合わせた平均寿命は84歳で、世界長寿になっています。上記の確率を見ると、風邪を引くのと同じか、もしくはそれ以上にありふれた病なんだということがわかりますね。
■日本人のためのがん予防法!
これまでのなかで、がんは誰にでもなりうる病だということがわかりましたが、私たちが予防のためにできることって具体的に何があるのでしょうか? 国立がん研究センターがん予防・検診研究センターのHPを参考に、“日本人のためのがん予防法”をご紹介します。
(1)たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける
(2)節度のある飲酒(日本酒なら1日1合、ワインならボトル1/3程度)
(3)食塩の摂取は最小限に、野菜や果物をよく摂り、バランスの良い食生活を
(4)1日60分を目安に適度な運動を行う
(5)中高年期男性のBMI値は21〜27、女性は21〜25の範囲内を目指して体重管理
(6)一度は肝炎ウイルスの検査を受けること。機会があればピロリ菌の検査も
なんといっても、がん予防の最も大きな効果が期待できるのは、(1)の禁煙なんだそうですよ。たばこを吸っている人は健康のことを考え、できるだけ吸わないように心がけたいですね。
以上、日本人にがんが増え続けている理由と予防法をご紹介しましたが、いかがでしたか?
がんは老化現象により起こるものとも考えられているので、誰しも年をとれば、がんになる可能性があることになります。ですから、がんになるリスクを極力下げるためには、日ごろの地道な取り組みが重要といっても過言ではないでしょう。ご参考にしてみてくださいね。