たのしい演劇

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 26


ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論06

クリストフ.メイナーズ
Christoph Meiners(1747 – 1810)



ドイツ哲学者　歴史家
人種2元論支持　科学的人種差別実践家

ゲティンゲン大学の歴史学舎：歴史考古学研究団体Göttingen school of history所属
　　学舎は科学に基づく歴史研究　と科学的人種差別を作った責任を負う　

反カント
知的祖先としてナチ党はメイナーズを敬った

メイナーズは
　物理的.精神的.文化的特質を調査研究し　当時の科学と人類学における知見を踏まえ
　人種の階層を構築　　各人種毎に　違う始祖を持つと結論した
　
彼によれば　人種は　美しい白人種と　醜い黒人種　に大別される

彼の著書『人類史の概要/The Outline of History of Mankind(1785)』
人種の主要な分け目は　美か醜か　にある　
美に属するのは白人種のみ　醜に属する種は　劣勢.不道徳.亜-人間　

黒人種は　その不徳と悪習により　美しい白人種とは全く違う種である

メイナーズは云う
知的で本質的に高貴な人間は適応性が高く　繊細　華奢　しなやかな身体を持つ　

他方は　能力も　徳への意識も欠け　適応性も低く　痛みや寒暑に反応しない
　消化の悪い食材も難なく摂取し　不調を起こさない　病気に対し鈍感で治りも早い

黒人種の神経は太い故に　鈍感　黒人種は人間というより動物に近い
“私はある黒人の火刑に立ち会った　身体が炎に包まれる最中　その黒人はタバコを所望
　平然とそれをかぎ続けたのだ”　

メイナーズは解剖学を研究し
　黒人種は他の種に比べ 大きな歯と顎を持つ故　肉食種だと判明
　また頭蓋骨は肥大だが　脳はそれに対し　他の人種に比べ小さい
　更に　その粗末な食事.生活様式.と不徳により最も不健康な人種であると云う

アメリカインディアンは下等である 　彼らは気候.食事.習慣の変化に適応できない
　なので環境の変化により　鬱状態に陥る　

インディアンの食習慣を研究し　汚れた臓物も平気で食し　飲酒も盛んである事を知る
スペイン軍隊の体験談によると　インディアンの皮膚は　銃剣をも砕くほどに強い
　なので　彼らの皮膚は牛以上に頑丈だ　と云う

メイナーズは　ケルト人種は最も高貴な人種で　その食生活から彼らの繊細さは理解でき
　彼らこそ　世界の大半を従わせるであろうと云う

スラブ人種は　劣る種で　神経は鈍くその食習慣を研究した結果
　雑食で毒キノコさえ食し平気である　また彼らの医術は支離滅裂で
　病人をオーブンで焼いた後に　雪上を転がす　と云う

中東とアジア人種はアラブにも劣り
　知性は低く　悪癖は適応の低さと鈍感さを特徴とする　と云う


著書『人間の多様性の研究/Researches on the variations in human nature (1815)』
の性科学によれば
　黒人種は強壮で異常な性行動をとる　欧州白人種だけが適切である と云う






欧州の世界支配.市場獲得と奴隷貿易を疑似科学により　正当化してみせた手腕は　喜劇のよい種


次回へと続く

と　たのしい演劇の日