海外旅行初心者のワシントンDC３ヶ月滞在記

　※注釈
「68日目【後半】 -Little ItalyのVincent'sとHigh Line Park-」から
日をまたいだ深夜からの記事です。
海外トラブルにあったせいもあり、長文で、不快感丸出しの記事ですが、
海外ではこういうケースも起こりうるということで、参考にしていただけたらと思い
日誌の記事をそのまま公開してみます。

　日誌より抜粋
お土産も買ったし、あとは帰るだけ、とホクホク顔で移動する。
するとトン、と衝撃と共にカシャンとなにか落ちる音。
特に気にもならずそのまま歩いていると、
後ろからアフロのカップルの男性に肩を捉まれ呼び止められる。...

ん？と振り向くとメガネを見せられ、「壊れたんだけどどうしてくれるんだ」と言われる。
最後の最後でなにしてんだ俺・・・。
旅行にも慣れ、意外と小さなトラブルもこなして順風満帆だったから完全に気を抜いていた。

まず最初に「なんでメガネを手に持ってんの？」
「そもそも今の衝撃で欠けたってどう証明するの？」と思い、当たり屋を想定した。

表情を見ると涙目だ。女性の方も困惑している表情。え、結構マジっぽい・・・？
悪意はないことを伝えるため「Sorry」を連呼する。少しでも時間を稼いで相手の出方も見たい。

「明日学校で使うのに、どう修理すればいいんだ。147ドルもしたんだ。」と言う。
やっぱ要求は金だよねぇ・・・。

正直に考えて全額払うつもりはない。メガネは欠けてはいるが汚く使い古された様子。
「払わないようなら喧嘩するしかない」と泣き顔で恐喝し、床に唾を吐く。
唾を吐くのはどこのヤンキーも一緒だな。

体格を見た感じ意外と勝てそうなんだけど、喧嘩したところでどうなるんだ？
一対一で勝って、それで恨みを買って友人を連れてこられてもなんだし、
一対一で負けてもなんだし。だいたい暴力が絡めばさすがに警察も大きく動く。

「金がない、英語が話せない、ぶつかったのは両者に問題がある、警察を呼ぼう」
など身振り手振りの拙い英会話で伝える。

手持ちは20ドルだ。これで話はつかないか？50ドルなら出せる。
じりじりと上げられ結局50：50の70ドルで手を打つことに。

「だいたい147ドルって値段はどこで証明するんだよ・・・」何度見ても学生らしき男性は泣き顔だ。
実はメガネが割れてしまった不幸な学生なのか？俺の良心を揺さぶってんのか？
ただのギャングだったら最初の振り向き様殴ったり刺したりして金奪うのかな。
ハスラーにしてはけち臭い手口じゃないか？え、やっぱマジなの？

頭は意外と冷たく分析しているが、
いかんせんトラブル状況での対応の引き出しが皆無だ。

近くのATMで金を下ろすが、20ドル紙幣でしか下ろせず、
もういいや、80ドルなら文句ないだろ、とそれを渡す。

男性は始終涙目な表情、女性はオロオロ、どの道今の現場状況じゃ
相手にとっちゃこれは相当いい値段でしょ・・・。

「ここはNYだ。人も多いし気をつけてよな。」と言われ握手される。
「お前も女と喋りながら余所見してんじゃねーよ」と言いたいが
またこじれたくないので即現場を離れ、遠目からカップルを見る。
はやり変わらぬ表情。うわぁ・・・なんなんだよもう。

バス停に行き、バスが来たので乗るがやはりモヤモヤが残る。
もっとうまくトラブルを捌けなかったのか。

これは勉強代だ。人生勉強させてもらったのだ。そう思わないとやってられない！

日本にも、めったに出会わないが、当たり屋というお仕事がある。それの予行練習だ。
人とぶつかった瞬間ダッシュして、捉まっても白を切るってのもある意味正解か？
今回は弱そうだったからいいけど、大男だったら捉まりでもしたら、どうなるかわからない。

また今考えればWhy did you bring glasses by your hand?Where is piece of your grass?
How do you inprove that you said about 147dollers.とか
文法なんてむちゃくちゃでもいいからもっとゴネればよかったんだ。

英会話となるとスッと出てこない。逆に日本語のみで対応したほうがましだったかもしれない。
だいたい相手が思い通りにならなかった際にどんな手段を取るか、
よくわかってない瀬戸際外交だった。旅行初心者には荷が重すぎた。

バスでうなだれていると、おっさんが隣に座っていいかと聞いてくる。
他にも席は空いているし、嫌な予感しかしないので躊躇するが仕方なく承諾。

だがさすが悪いことが起こると何度でもそれはやってくる。
隣のおっさんは席に着くなり、ため息を連発し俺はうんざり。

寝たら寝たでいびきがうるさいし、倒れこんで暑苦しい顔をこっちに向け席を圧迫してくる。
MP3プレイヤー忘れなければよかった。これは寝むれずに完全に徹夜コースだ。

今日は稀に見る運の悪い日だマジで。
さすが神様は何度でも俺に地味な試練を与えたもう、気前がいいから大好き。
でもこれだけ試練をもらうと、俺お得意のポジティブ変換が追いつかず過食気味だ。
ごちそうさまって言ってんだろ・・・しばらくもうNYはいいや。

まだまだなにか起きそうな夜、途中のボルティモアでいびきのおっさんが降りたはいいが、
少しして隣にフードを被った変な女が急に「隣に座っていい？」と聞いてくる。

完全に疑心暗鬼モードな俺。お前今までの席はどうしてたんだよ。
「・・・Yeah」と言うと同時にドカッと座る女。

たかが明るめの色のワイシャツでそんなに金持ちに見えるのか？早く家に帰りたい。
ちょっとしたその女の動きにも警戒を解かず、眠らずにバスで何時間か揺られる。

挙動のおかしく見える女だが、特に大きな行動は取らず、
DCに着くと共に元いた席に戻っていく。マジでなんなんだ？

家に帰り、モヤモヤしながらも一息つき、出来事を何度も整理する。納得がいくわけない。

ここでやっと海外保険の存在を思い出す。

トラブルの証拠や写真もないのに保険が下りるわけもないか。
電話代も気にしてる場合じゃない、電話する。
すぐ対応スタッフにメールでやり取りできないか尋ねるが融通利かず。

もう保険が降りることは期待していない、今後このようなトラブルにまたなったら
どう対処したらいいか聞きたいだけだと言うと、手短に詳しく話してくれと言われる。

事の顛末を眠気で働かない頭で説明し、対応策を教えてもらう。
やはり当事者同士のサインの書いた書類や連絡先、壊れた物品の写真などが必要らしい。

増えていく電話代に焦る気持ちを抑えつつ、丁寧な言葉を心がける。

ある程度話して電話を切ろうとすると「メールで結果を送るのでアドレスを教えてください」との言葉。
だから初めからメールでやり取りしましょうよ！それだとタダなんですよ！

電話の音声を会社のために記録していることは知っている、でもそんな都合は俺は知らない。
結局電話代は1000円以上になり、また被害額は増えた。なんだかな・・・。

6amに家に着いて電話や調べ物で8am、電話が終わるといつのもまに寝ていた。
昼頃目を覚まし、自炊する気も起きないのでカップラーメンを食べ、
モヤモヤが残ったこの状態で日誌を書く。

今は感情的になっているが、日本に帰った頃これをまた読んで、
事実を自分がどう捉えるか楽しみではある。
旅のいい思い出になっていればいいけど・・・。まぁ、それすらも今は期待していない。