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2018年11月02日
国家試験解説「基礎栄養学(No.76)」
Q76.食物繊維と難消化性糖質に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)不溶性食物繊維は、血圧を上昇させる。
(2)水溶性食物繊維は、大腸内pHを上昇させる。
(3)難消化性糖質は、インスリンの分泌を促進させる。
(4)難消化性糖質の過剰摂取は、便秘を引き起こす。
(5)有用菌増殖効果のあるオリゴ糖は、プレバイオティクスである。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。不溶性食物繊維に血圧を上昇させる作用はない。
(2)誤り。水溶性食物繊維は酸性成分である短鎖脂肪酸を産生し、大腸内pHを低下させる。
(3)誤り。難消化性糖質は糖質の消化吸収を遅延させるため、食後の血糖値上昇が抑えられる。
これにより、インスリン分泌の上昇が穏やかになり、分泌量も抑制される。
(4)誤り。難消化性糖質を一度に大量に摂取すると、大腸の浸透圧が高くなり、
大腸での水分吸収がされにくくなったり、腸管に水分が漏出したりして下痢を引き起こす。
(5)正しい。
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2018年11月01日
今月の目標<11月>
管理栄養士国家試験まであと4ヵ月となりました。
今年から国家試験は3月上旬に変更になりましたので、
早めの勉強スタートが合格へのカギとなります。
独学で管理栄養士国家試験に臨むのであれば、
勉強期間は最低でも半年は必要です。
今もまだエンジンがかかっていないという方は、
今月からはしっかりエンジンをかけて勉強を進めていきましょう。
独学だと勉強の進捗についても自分で全て管理していかなくてはいけないので、
厳密なスケジュールを立てることが非常に重要になっていきます。
【今月(11月中)に行いたいこと】
@4番の勉強を進め、今月中に大まかな内容を理解する。
4番の分からないところを明らかにする。
A4番の過去問題を解いてみる。
(問題を解く中でイメージを掴む)
B余裕があれば、1〜3番を復習する。
独学だと分からないことばかりですよね。
私もそうでした。
勉強の進め方について分からないことがあれば、何でもコメント下さいね。
今年から国家試験は3月上旬に変更になりましたので、
早めの勉強スタートが合格へのカギとなります。
独学で管理栄養士国家試験に臨むのであれば、
勉強期間は最低でも半年は必要です。
今もまだエンジンがかかっていないという方は、
今月からはしっかりエンジンをかけて勉強を進めていきましょう。
独学だと勉強の進捗についても自分で全て管理していかなくてはいけないので、
厳密なスケジュールを立てることが非常に重要になっていきます。
【勉強の順番】
1番:A「人体・疾病」、C「基礎栄養学」、F「臨床栄養学」 合計69問(34.5%)
2番:@「社会・環境と健康」、G「公衆栄養学」 合計35問(17.5%)
3番:B「食べ物と健康」 合計25問(12.5%)
4番:D「応用栄養学」、E「栄養教育論」H「給食経営管理論」 合計51問(25.5%) ※どの順でも可
【勉強にかける時間】
1番に1か月、2番に半月、3番に半月、4番に1か月
1〜4番を3か月間で行い、分からないところや弱点を明らかにする。
残りの3か月で過去問題や模試などの問題を徹底的に解きまくる。
1番:A「人体・疾病」、C「基礎栄養学」、F「臨床栄養学」 合計69問(34.5%)
2番:@「社会・環境と健康」、G「公衆栄養学」 合計35問(17.5%)
3番:B「食べ物と健康」 合計25問(12.5%)
4番:D「応用栄養学」、E「栄養教育論」H「給食経営管理論」 合計51問(25.5%) ※どの順でも可
【勉強にかける時間】
1番に1か月、2番に半月、3番に半月、4番に1か月
1〜4番を3か月間で行い、分からないところや弱点を明らかにする。
残りの3か月で過去問題や模試などの問題を徹底的に解きまくる。
【今月(11月中)に行いたいこと】
@4番の勉強を進め、今月中に大まかな内容を理解する。
4番の分からないところを明らかにする。
A4番の過去問題を解いてみる。
(問題を解く中でイメージを掴む)
B余裕があれば、1〜3番を復習する。
独学だと分からないことばかりですよね。
私もそうでした。
勉強の進め方について分からないことがあれば、何でもコメント下さいね。
国家試験解説「基礎栄養学(No.75)」
Q75.血糖とその調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)グルコースの筋肉組織への取込は、インスリンにより促進される。
(2)グルカゴンは、筋肉グリコーゲンの分解を促進する。
(3)組織重量当たりのグリコーゲン量は、肝臓より筋肉の方が多い。
(4)コリ回路では、アミノ酸からグルコースが産生される。
(5)脂肪酸は、糖新生の材料として利用される。
【解説】…正答(1)
(1)正しい。インスリンは、筋肉でGLUT4を介したグルコースの取り込みを促進する。
(2)誤り。筋肉にはグルカゴン受容体が存在しないので、グルカゴンは作用しない。
グルカゴンは、肝臓でのグリコーゲン分解を促進する。
(3)誤り。組織重量当たりのグリコーゲン量は、筋肉よりも肝臓の方が多い。
ただし、総重量は肝臓よりも筋肉の方がはるかに重いため、グリコーゲン総重量は筋肉の方が多い。
(4)誤り。コリ回路では、乳酸からグルコースが産生される。
(5)誤り。脂肪酸は糖新生の材料にならない。
糖新生の材料となるのは、乳酸、グリセロール、糖原性アミノ酸、ピルビン酸などである。
2018年10月31日
国家試験解説「基礎栄養学(No.74)」
Q74.たんぱく質の栄養に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)食品たんぱく質の栄養価は、アミノ酸の総量で決まる。
(2)アミノ酸価は、食品たんぱく質中の理想的な可欠(非必須)アミノ酸量を示す。
(3)制限アミノ酸が複数ある食品に、第一制限アミノ酸のみを加えると、栄養価が低下することがある 。
(4)たんぱく質効率比(protein efficiency ratio)は、窒素出納を基にして算出される。
(5)飢餓状態では、窒素出納は正になる。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。食品たんぱく質の栄養価は、不可欠アミノ酸のバランスで決まる。
(2)誤り。アミノ酸価は、食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量が、
アミノ酸評点パターンの何パーセントになるかを表した値である。
なお、アミノ酸評点パターンは、食品たんぱく質中の理想的な不可欠アミノ酸量を示す。
(3)正しい。アミノ酸のインバランスについての記述である。
(4)誤り。たんぱく質効率化は、摂取たんぱく質量当たりの体重増加量で表す。
※たんぱく質効率化=体重増加量(g)/摂取たんぱく質量(g)
(5)誤り。飢餓状態や栄養不良、悪性腫瘍などの消耗性疾患、手術直後では窒素出納は負になる。
窒素出納が正になるのは成長期や妊娠期、スポーツによる筋肉の増加期、病期の回復期などである。
2018年10月30日
国家試験解説「基礎栄養学(No.73)」
Q73.アミノ酸代謝の臓器差に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)イソロイシンは、主に骨格筋で代謝される。
(2)バリンは、主に肝臓で代謝される。
(3)グルタミン酸は、小腸で代謝される。
(4)腎臓では、グルタミンからアンモニアが産生される。
(5)フィッシャー比は、血液中の分枝アミノ酸と芳香族アミノ酸のモル比である。
【解説】…正答(2)
(1)正しい。分岐アミノ酸の代謝は主に骨格筋で行われる。
(2)誤り。肝臓はアミノ酸代謝の中心的臓器であるが、(1)の解説の通り、
分岐アミノ酸であるバリンは主に骨格筋で代謝される。
(3)正しい。小腸はグルタミンとグルタミン酸を多く代謝する。
(4)正しい。腎臓ではグルタミンからグルタミン酸とアンモニアが生成される。
腎臓で生じたアンモニアは、尿素回路を経ずにそのまま尿中に排泄される。
(5)正しい。なお、フィッシャー比を求める際の芳香族アミノ酸は、
フェニルアラニンとチロシンのみを指し、トリプトファンは含めない。
※フィッシャー比=分岐アミノ酸/芳香族アミノ酸
2018年10月29日
国家試験解説「基礎栄養学(No.72)」
Q72.次の式で算出される値の名称である。正しいのはどれか。1つ選べ。
〔摂取量−(糞中排泄量−糞中内因性損失量)〕÷摂取量×100
(1)見かけの消化吸収率
(2)真の消化吸収率
(3)窒素出納
(4)生物価
(5)正味たんぱく質利用率
【解説】…正答(2)
(1)誤り。見かけの消化吸収率は、糞中内因性損失量を考慮しない。
※見かけの消化吸収率(%)=摂取量ー糞中排泄量/摂取量×100
(2)正しい。
(3)誤り。窒素出納は、1日の窒素の摂取量と排泄される総窒素量との差である。
※窒素出納=摂取窒素量(食事によるもの)ー体外排泄窒素量(尿、糞便、汗、皮膚、爪、毛髪など)
(4)誤り。生物価とは、食物から吸収されたたんぱく質が、
体内にどのくらい保留されたかを割合で示した値である。
※生物価=保留窒素量/吸収窒素量×100
=吸収窒素量ー(尿中窒素量ー代謝性尿中窒素量)/摂取窒素量ー(糞中窒素量ー代謝性糞中窒素量) ×100
(5)誤り。正味たんぱく質利用率は、生物価に消化吸収率を加味したものである。
※正味たんぱく質利用率=保留窒素量/摂取窒素量×100=生物価×消化吸収率
2018年10月28日
国家試験解説「基礎栄養学(No.71)」
Q71.消化管ホルモンに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ガストリンの分泌は、胃に食塊が入ると抑制される。
(2)ガストリンの分泌は、セクレチンによって促進される。
(3)セクレチンの分泌は、十二指腸内H+濃度の上昇によって抑制される。
(4)コレシストキニンの分泌は、消化物中のペプチドによって促進される。
(5)膵臓からのHCO3-の分泌は、コレシストキニンによって促進される。
【解説】…正答(4)
(1)誤り。ガストリンは、胃に食塊が入ると分泌が促進される。
(2)誤り。ガストリンの分泌は、セレクチンによって抑制される。
(3)誤り。セレクチンは、十二指腸内のH⁺濃度が上昇すると分泌が促進される。
セレクチンは膵液中へのHCO3⁻の分泌を促進して、十二指腸内のpHを上昇させる。
(4)正しい。食塊が胃から十二指腸に送られると、コレシストキニンとセレクチンが分泌される。
コレシストキニンは、十二指腸内のペプチド、アミノ酸、脂肪酸によって分泌が促進され、
消化酵素を多く含む膵液の分泌と胆嚢収縮を促進する。
(5)誤り。膵臓からのHCO3⁻の分泌は、セレクチンによって促進される。
2018年10月27日
国家試験解説「基礎栄養学(No.70)」
Q70.栄養の定義、栄養と健康・疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)栄養とは、生物が生命を維持するために摂取すべき物質のことをいう。
(2)栄養素には、生体内において他の栄養素に変換されるものがある。
(3)欠乏症は、潜在的な欠乏状態を経て生じる。
(4)エネルギーの過剰摂取は、マラスムスを誘発する。
(5)飽和脂肪酸の過剰摂取は、循環器疾患のリスクを下げる。
【解説】…正答(2)、(3)
(1)誤り。栄養とは、生物が外界から物質を摂取し、
代謝によりエネルギーを獲得して生命を維持する現象のことを指す。
摂取すべき物質のことは栄養素と呼ぶ。
(2)正しい。たんぱく質と糖質の相互変換や、糖質から脂質への変換のほか、
生体内では様々な栄養素の変換がみられる。
(3)正しい。
(4)誤り。マラスムスは、エネルギーとたんぱく質の欠乏によって起こり、
特にエネルギーの欠乏が顕著である。
(5)誤り。飽和脂肪酸の過剰摂取は、動脈硬化などの循環器疾患のリスクを上げる。
2018年10月26日
国家試験解説「食べ物と健康(No.69)」
Q69.でんぷんの調理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)透明度を重視するあんかけでは、コーンスターチを使用する。
(2)くずでんぷんのゲルは、低温(4℃)で保存するとやわらかくなる。
(3)じゃがいもでんぷんのゲルに食塩を添加すると、粘度が増加する。
(4)ゲルに使用するじゃがいもでんぷん濃度は、2%が目安である。
(5)さつまいもでは、緩慢加熱によりでんぷんが分解して、甘味が増す。
【解説】…正答(5)
(1)誤り。糊化したコーンスターチは不透明なので、あんかけでは、ばれいしょでんぷんがよく使われる。
一般的に、地上でんぷんよりも地下でんぷんの方が糊の透明度が高い。
(2)誤り。くずでんぷんのゲルを低温で保存すると、いったん糊化したでんぷんの老化が進み、硬くなる。
(3)誤り。じゃがいもでんぷんのゲルは、食塩の添加により粘度が低下する。
(4)誤り。ゲルにするには、でんぷん濃度20%程度が目安である。
(5)正しい。さつまいもを緩慢加熱すると、
自身がもつβアミラーゼによってマルトースが生成して甘みが増す。
2018年10月25日
国家試験解説「食べ物と健康(No.68)」
Q68.食品のテクスチャーに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)味覚に影響を及ぼす。
(2)影響を及ぼす因子として、コロイド粒子がある。
(3)急速凍結は、緩慢凍結に比べ解凍後の変化が大きい。
(4)えん下困難者用食品の許可基準に関係する。
(5)流動性をもったコロイド分散系をゾルという。
【解説】…正答(3)
(1)正しい。食品のテクスチャーは、味覚感度を変化させる。
例えば、水溶液に比べてゼリー状の食品は口腔内に広がりにくいため、呈味効率が低い。
(2)正しい。例えば、マヨネーズの場合、拡販時間を長くすれば油のコロイド粒子の大きさは小さくなり、
硬くなる。
(3)誤り。急速凍結の方が解凍後の変化は小さい。
緩慢凍結では氷結晶が大きく成長するため、食品の組織が損傷されやすく、
テクスチャーに大きな影響が出る。
(4)正しい。嚥下困難者用食品の規格基準には、硬さ、付着性、凝集性の項目がある。
(5)正しい。流動性を失ったコロイド分散系をゲルという。