2018年12月21日
国家試験解説「応用力試験(No.196,197)」〜公衆栄養学、社会・環境と健康、栄養教育論〜
次の文を読み「196」、「197」に答えよ。K県の健康増進課に勤める管理栄養士である。K県の健康増進プランの担当をしている。K県は全国の中で、脳血管疾患のSMR(標準化死亡比)が高く、高血圧の有病率が高い。食塩摂取量も全国平均より多く、その供給源は、1位調味料、2位魚介加工品、3位パンである。これらの課題解決に向けて、地域住民組織、地元企業、自治会などで構成される対策委員会が組織されている。表は、K県北部地域の人口と脳血管疾患SMRである。
Q196.県全体の脳血管疾患死亡率低下を目標に対策を進めることになった。課題の重要性と県全体への影響を考慮して重点支援地域を決めた。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)地域1
(2)地域2
(3)地域3
(4)地域4
【解説】…正答(2)
(1)・(3)適切でない。
(2)適切。地域2は4つの地域の中で人口が2番目に多く、かつSMRも県全域と比較して高いため、
重点支援地域として最も適切である。
(4)適切でない。SMRは4つの地域の中で最も高いが、人口は最も少ない。
課題の重要性は最も高いが県全域への影響を考慮すると、
地域2を重点支援地域にすることが最も適切である。
Q197.重点支援地域における脳血管疾患予防対策を計画した。効果が大きく、実現可能性を考慮した栄養・食生活分野の取組である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)脳血管疾患に関する啓発パンフレットの自治会による全戸配布
(2)県の健康増進課ホームページにおける減塩レシピの紹介
(3)地元スーパーや食料品店と連携した減塩商品の販売促進
(4)地域ボランティアの戸別訪問による、みそ汁の塩分濃度の測定と指導
【解説】…正答(3)
(1)適切でない。全戸へのパンフレットの配布は費用・労力面において実現性に欠けるとともに、
知識の一方的な伝達に終わる可能性が高いため、
地域住民の行動変容を促す上で最も適切な取り組みとはいえない。
(2)適切でない。地域住民が県のホームページを閲覧するとは限らず、
知識の一方的な伝達に終わる可能性が高いため、
地域住民の行動変容を促す上で最も適切な取り組みとはいえない。
(3)適切。食育ネットワークを活用した地域ぐるみで減塩に対する取り組みを展開することで、
地域住民の行動変容が生じやすく、脳血管疾患の大きな予防効果が期待できる。
(4)適切でない。戸別訪問による指導は効果が大きいと考えられるが、
時間・労力面において実現性に欠ける。
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