2018年12月18日
国家試験解説「応用力試験(No.189,190)」〜社会・環境と健康、公衆栄養学〜
Q184.次の文を読み「189」、「190」に答えよ。Kクリニックに勤務する管理栄養士である。特定保健指導を担当している。対象者は41歳、男性。今年受けた特定健康診査で、積極的支援レベルとなり、Kクリニックに特定保健指導を受けに来た。
身長170cm、体重81kg、BMI28.0kg/m2、腹囲100.0cm、血圧146/94mmHg。空腹時血液検査値は、トリグリセリド150mg/dL、血糖110mg/dL。服薬なし。喫煙習慣なし。
身長170cm、体重81kg、BMI28.0kg/m2、腹囲100.0cm、血圧146/94mmHg。空腹時血液検査値は、トリグリセリド150mg/dL、血糖110mg/dL。服薬なし。喫煙習慣なし。
Q189.保健指導の途中で、男性が研究結果(右図)をもとにした広告を見せ、「トクホ(特定保健用食品)Aは、脂肪の吸収を抑えると謳っているから、これを飲めば痩せますよね。」と質問した。その回答である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)トクホと言っても、これを飲めば痩せるという食品はありません。
減量はそんな簡単にはできませんよ。
(2)この結果は、食後の血清中性脂肪の変化を見ているものなので、
減量効果があるかどうか、わかりませんね。
(3)この研究の対象者は、あなたと年代も空腹時の中性脂肪の値も近いから、
減量効果が期待できるかもしれないですね。
(4)食後の中性脂肪の吸収を抑えると減量するという話も聞くので、 可能性はありますね 。
【解説】…正答(2)
(1)適切でない。保健指導対象者の考えを完全に否定し、
モチベーションの低下を招きかねない発言であり、不適切である。
(2)適切。研究結果の図を見ながら、保健指導対象者の「脂肪の吸収を抑える=痩せる」
という考えが誤りであることに気付かせようとしており、最も適切であるといえる。
(3)適切でない。保健指導対象者の「特定保健用食品を使用し減量を行おう」
という考えを受容しているが、
食後の血中中性脂肪の経時変化では「痩せる」ことは表現されていないことを伝える。
(4)適切でない。「〜という話も聞く」というエビデンスに欠ける発言であり、不適切である。
Q190.男性に、より適切な助言をするために、この広告のもとになっている研究論文を見て管理栄養士が確認すべき事項である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)研究対象者の男女の比率が方法に書かれているか。
(2)負荷食の食べ方の指示が方法に書かれているか。
(3)負荷食の栄養素構成の妥当性を考察しているか。
(4)中性脂肪に統計的有意差があることの、健康への影響を考察しているか。
【解説】…正答(4)
(1)・(2)・(3)適切でない。飲料Aを摂取して食後の血中中性脂肪値の上昇が穏やかになった群は、
飲料Aを摂取していない群と比較してBMIなどの健康指標に
どのような変化の違いがみられたかを確認し、それを伝えることで、
保健指導対象者の「脂肪の吸収を抑える=痩せる」という誤った認識を
より修正しやすく、かつエビデンスに基づいた保健指導となる。
(4)適切。
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