アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2018年12月22日

国家試験解説「応用力試験(No.198,199,200)」〜公衆栄養学〜

次の文を読み「198」、「199」、「200」に答えよ。K市保健センターに勤務する管理栄養士である。K市は、都心から通勤1時間圏内という利便性から、近年人口が増えている。2年前から5年計画で、「18歳以上の1日当たりの野菜摂取量の平均値290gを350g以上にする」を目標とした事業を行っている。3年目に入るにあたり、事業の見直し・改善(Act)を行っている。表1は、性・年齢別野菜摂取量の中間評価の結果であり、表2は、実施目標に対する昨年度の評価の一部である。

198.png

Q198.今後、野菜摂取量の目標達成に向けて、重点的に取り組む対象とその理由である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)18〜29歳男女。男女とも増加したが、未だ摂取量が最も少ないため。
(2)30〜49歳男女。人口も多く、男女とも変化がみられていないため。
(3)50〜69歳男女。ベースライン値より、男女とも摂取量が減少しているため。
(4)70歳以上男女。目標の350gを維持させるため。
【解説】…正答(2)
(1)適切でない。野菜摂取量はベースライン値よりも増加しており、
   かつ人口構成比が10%と低いことから、
   野菜摂取量の目標達成に向けて重点的に取り組む対象に設定する必要性は低い。
(2)適切。人口構成比の高い30〜49歳男女に重点的な介入を行い野菜摂取量の増加を図ることで、
   K市全体としての目標に近づくことが期待できる。
(3)適切でない。野菜摂取量はベースライン値よりも減少しているが、
   全体の摂取量平均値を上回っていること及び人口構成比から、
   野菜摂取量の目標達成に向けて重点的に取り組む対象に設定する必要性は低い。
(4)適切でない。野菜摂取量はベースライン値よりも増加しており、
   かつその摂取量も県が設定した目標値に到達しているため、
   野菜摂取量の目標達成に向けて重点的に取り組む対象に設定する必要性は低い。
   まずは、野菜摂取量が少なく、かつ摂取量の増加がみられない年齢層を対象とした活動を
   計画することが望ましい。


Q199.野菜摂取量の目標達成のための実施目標1(表2)の見直し・改善(Act)の意見である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)参加者の満足度も高いので、同じ内容で募集人数を増やす。
(2)これまでの参加者が参加しても内容が重複しないよう、内容を一新する。
(3)修了者に、推進員として学んだことを地域に広めてもらう。
(4)さらに深く学べるよう、8回シリーズにする。
【解説】…正答(3)
(1)・(2)・(4)適切でない。平日にフルタイムで働いている人でも参加しやすいよう
           開催日時を祝日に変更するなど、
           重点的に取り組む対象の参加率を高めるための実施目標に見直すことが望ましい。
(3)適切。地域ぐるみで活発な野菜摂取量の増加に向けた食育活動への展開が期待される内容であり、
   最も適切である。


Q200.野菜摂取量の目標達成のための実施目標2(表2)の見直し・改善(Act)で提案された新たな企画である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)子どもが楽しめる野菜クイズなどのブースの設置
(2)高齢者も参加しやすいよう、休憩室の設置
(3)さらに人を集めるため、芸能人との野菜をテーマとした対談の実施
(4)市内商店街で野菜を購入する際に使えるポイントカードの配布
【解説】…正答(4)
(1)・(2)適切でない。子どもや高齢者への配慮も必要ではあるが、
       野菜摂取量の目標達成のためには重点的に取り組む対象の行動変容が期待できる
       企画内容とすることが望ましい。
(3)適切でない。芸能人をゲストに招くことで参加者数の増加が期待できるが、
   重点的に取り組む対象を含めたK市全体の野菜摂取量を増加させるための企画内容としては、
   選択肢(4)に劣る。
(4)適切。野菜を購入する際に使えるポイントカードを配布することで、
   重点的に取り組む対象も含めK市全体の野菜購入量の増加が期待でき、最も適切な企画内容である。

2018年12月21日

国家試験解説「応用力試験(No.196,197)」〜公衆栄養学、社会・環境と健康、栄養教育論〜

次の文を読み「196」、「197」に答えよ。K県の健康増進課に勤める管理栄養士である。K県の健康増進プランの担当をしている。K県は全国の中で、脳血管疾患のSMR(標準化死亡比)が高く、高血圧の有病率が高い。食塩摂取量も全国平均より多く、その供給源は、1位調味料、2位魚介加工品、3位パンである。これらの課題解決に向けて、地域住民組織、地元企業、自治会などで構成される対策委員会が組織されている。表は、K県北部地域の人口と脳血管疾患SMRである。

196.png

Q196.県全体の脳血管疾患死亡率低下を目標に対策を進めることになった。課題の重要性と県全体への影響を考慮して重点支援地域を決めた。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)地域1
(2)地域2
(3)地域3
(4)地域4
【解説】…正答(2)
(1)・(3)適切でない。
(2)適切。地域2は4つの地域の中で人口が2番目に多く、かつSMRも県全域と比較して高いため、
   重点支援地域として最も適切である。
(4)適切でない。SMRは4つの地域の中で最も高いが、人口は最も少ない。
   課題の重要性は最も高いが県全域への影響を考慮すると、
   地域2を重点支援地域にすることが最も適切である。


Q197.重点支援地域における脳血管疾患予防対策を計画した。効果が大きく、実現可能性を考慮した栄養・食生活分野の取組である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)脳血管疾患に関する啓発パンフレットの自治会による全戸配布
(2)県の健康増進課ホームページにおける減塩レシピの紹介
(3)地元スーパーや食料品店と連携した減塩商品の販売促進
(4)地域ボランティアの戸別訪問による、みそ汁の塩分濃度の測定と指導
【解説】…正答(3)
(1)適切でない。全戸へのパンフレットの配布は費用・労力面において実現性に欠けるとともに、
   知識の一方的な伝達に終わる可能性が高いため、
   地域住民の行動変容を促す上で最も適切な取り組みとはいえない。
(2)適切でない。地域住民が県のホームページを閲覧するとは限らず、
   知識の一方的な伝達に終わる可能性が高いため、
   地域住民の行動変容を促す上で最も適切な取り組みとはいえない。
(3)適切。食育ネットワークを活用した地域ぐるみで減塩に対する取り組みを展開することで、
   地域住民の行動変容が生じやすく、脳血管疾患の大きな予防効果が期待できる。
(4)適切でない。戸別訪問による指導は効果が大きいと考えられるが、
   時間・労力面において実現性に欠ける。

2018年12月20日

国家試験解説「応用力試験(No.193,194,195)」〜給食経営管理論〜

次の文を読み「193」、「194」、「195」に答えよ。K学校給食共同調理場に勤務する管理栄養士である。給食は直営で運営されている。検便日は原則火曜と決められており、直近では2月6日火曜日に実施した。


Q193.調理従事者の次回の検便予定日である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)2月20日火曜日
(2)2月27日火曜日
(3)3月6日火曜日
(4)4月3日火曜日
【解説】…正答(1)
「学校給食衛生基準」と「大量調理施設衛生管理マニュアル」の両者に検便に関する規定があるが、学校給食における衛生管理においては前者を適用することが望ましい。
本基準において、検便は毎月2回以上実施することが定められている。
直近の検便日は2月6日火曜日であったことから、次回の検便予定日は選択肢(1)2週間後の2月20日火曜日が最も適切である。


Q194.2月6日の検便結果で、調理従事者Aからノロウイルスの陽性反応がでた。Aは無症状であり、家族にも下痢・嘔吐の症状を示す者はいない。Aに対して、管理栄養士が最初にとるべき対応である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)医療機関を受診させる。
(2)調理作業の担当から外す。
(3)食器洗浄作業を担当させる。
(4)検便の再検査を実施する。
【解説】…正答(2)
(1)適切でない。まず、調理従事者Aを調理作業から外し、その後医療機関を受診させることが望ましい。
(2)適切。調理従事者Aからノロウイルスの調整反応が出ており、
   ノロウイルスへの不顕性感染の可能性があるため、管理栄養士が最初にとる対応として、
   まず調理従事者Aを調理作業から外し、感染拡大の防止を図ることが最も適切である。
(3)適切でない。食品に直接触れる調理作業を控えさせることで感染拡大の防止を図ることはできるが、
   調理従事者Aを調理作業から外すことが先決である。
(4)適切でない。まず、調理従事者Aを調理作業から外し、
   その後高感度の検便検査を実施することが望ましい。


Q195.このことをきっかけに、調理従事者全員に実施すべき食中毒予防のための衛生教育である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)調理作業中のマスク着用の重要性
(2)日常生活のうがい実施の重要性
(3)日常生活の手洗いの重要性
(4)食中毒発生時の対応の重要性
【解説】…正答(3)
食中毒予防の3原則として「付けない・増やさない・殺菌する」が挙げられるが、手洗いを徹底して食品に菌を付けないことが食中毒予防のすべての基本となる。
したがって、選択肢(3)の調理従事者全員に手洗いの重要性を周知することが食中毒予防のための衛生教育として最も適切である。

2018年12月19日

国家試験解説「応用力試験(No.191,192)」〜社会・環境と健康、公衆栄養学〜

K市の健康増進課に勤務する管理栄養士である。K市では高血圧の有病率が全国より高いため、中高年で正常高値血圧の者を対象とした栄養教室(月1回、通年)を企画した。特定健康診査の際に収縮期血圧が130〜139mmHgであった者に周知し、参加希望を募った。教室参加者は40名となった。対照群を設けることができず、教室の評価は前後比較で行うことになった。教室終了時の事後調査に協力が得られた者は22名であった。


Q191.食塩摂取量について、対象者の負担が少なく、かつ精度の高い方法で測定した。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)連続した普段の日の2日間の写真法による食事記録
(2)普段の1日の目安量法による食事記録
(3)普段の日の翌日1回の随時尿による推定
(4)塩蔵食品、汁物、麺類の摂取頻度の調査
【解説】…正答(3)
(1)適切でない。写真法は対象者の負担は少ないが、尿検査による食塩摂取量の推定に比べて精度が劣る。
(2)適切でない。1日の食事記録では、対象者の習慣的な食事摂取量を把握できない。
(3)適切。1回の尿検査で、随時尿に含まれるナトリウム(Na)とクレアチニン(Cr)から
   24時間尿中Na排泄量を求めることで1日食塩摂取量の推定が可能であり、
   対象者の負担が少なく、かつ最も制度の高い方法であるといえる。
(4)適切でない。食物摂取頻度調査法は1回の調査で簡便に対象者の習慣的な食事摂取量を把握できるが、   塩蔵食品、汁物、麺類以外の食品にも食塩は含まれており、
   これらに限定した食物摂取頻度調査法では精度に欠ける。


Q192.食塩摂取量を教室の前後で比較したところ、統計的に有意な減少が認められた。この結果の解釈である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)統計的に有意な減少があったため、教室の減塩効果があった。
(2)対照群を設定していないため、教室の減塩効果があったとはいえない。
(3)性別を調整していないため、教室の減塩効果があったとはいえない。
(4)事後調査の人数が少ないため、教室前後の変化を過小評価している。
【解説】…正答(2)
前後比較試験では、選択バイアスなどの種々のバイアスが生じやすいため、プログラム実施の前後で評価指標に差がみられたとしても、それがプログラムの実施によるものであると結論付けるには多くの検討が必要である。対象群を設定して介入群とのプログラム実施の前後における評価指標の差を比較することで、評価の信頼性を高めることが可能になる。

2018年12月18日

国家試験解説「応用力試験(No.189,190)」〜社会・環境と健康、公衆栄養学〜

Q184.次の文を読み「189」、「190」に答えよ。Kクリニックに勤務する管理栄養士である。特定保健指導を担当している。対象者は41歳、男性。今年受けた特定健康診査で、積極的支援レベルとなり、Kクリニックに特定保健指導を受けに来た。
身長170cm、体重81kg、BMI28.0kg/m2、腹囲100.0cm、血圧146/94mmHg。空腹時血液検査値は、トリグリセリド150mg/dL、血糖110mg/dL。服薬なし。喫煙習慣なし。


Q189.保健指導の途中で、男性が研究結果(右図)をもとにした広告を見せ、「トクホ(特定保健用食品)Aは、脂肪の吸収を抑えると謳っているから、これを飲めば痩せますよね。」と質問した。その回答である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
189.png
(1)トクホと言っても、これを飲めば痩せるという食品はありません。
   減量はそんな簡単にはできませんよ。
(2)この結果は、食後の血清中性脂肪の変化を見ているものなので、
    減量効果があるかどうか、わかりませんね。
(3)この研究の対象者は、あなたと年代も空腹時の中性脂肪の値も近いから、
  減量効果が期待できるかもしれないですね。
(4)食後の中性脂肪の吸収を抑えると減量するという話も聞くので、 可能性はありますね 。
【解説】…正答(2)
(1)適切でない。保健指導対象者の考えを完全に否定し、
   モチベーションの低下を招きかねない発言であり、不適切である。
(2)適切。研究結果の図を見ながら、保健指導対象者の「脂肪の吸収を抑える=痩せる」
   という考えが誤りであることに気付かせようとしており、最も適切であるといえる。
(3)適切でない。保健指導対象者の「特定保健用食品を使用し減量を行おう」
   という考えを受容しているが、
   食後の血中中性脂肪の経時変化では「痩せる」ことは表現されていないことを伝える。
(4)適切でない。「〜という話も聞く」というエビデンスに欠ける発言であり、不適切である。


Q190.男性に、より適切な助言をするために、この広告のもとになっている研究論文を見て管理栄養士が確認すべき事項である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)研究対象者の男女の比率が方法に書かれているか。
(2)負荷食の食べ方の指示が方法に書かれているか。
(3)負荷食の栄養素構成の妥当性を考察しているか。
(4)中性脂肪に統計的有意差があることの、健康への影響を考察しているか。
【解説】…正答(4)
(1)・(2)・(3)適切でない。飲料Aを摂取して食後の血中中性脂肪値の上昇が穏やかになった群は、
           飲料Aを摂取していない群と比較してBMIなどの健康指標に
           どのような変化の違いがみられたかを確認し、それを伝えることで、
           保健指導対象者の「脂肪の吸収を抑える=痩せる」という誤った認識を
           より修正しやすく、かつエビデンスに基づいた保健指導となる。
(4)適切。


2018年12月17日

国家試験解説「応用力試験(No.187,188)」〜栄養教育論、公衆栄養学〜

次の文を読み「187」、「188」に答えよ。K事業所に勤務する管理栄養士である。特定健康診査の結果により、Aさんに特定保健指導を始めることとなった。48歳、女性。BMI26.0kg/m2、腹囲87.0cm、血圧126/80mmHg。空腹時血液検査値は、血糖120mg/dL、トリグリセリド160mg/dL、尿酸6.9mg/dL。服薬なし。喫煙習慣あり。缶ビール1本(350ml)を毎日飲んでいる。保健指導レベルは、積極的支援レベルとなった。


Q187.Aさんの初回面接を行い、食習慣の行動目標を設定することになった。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)漬物は2日に1回に減らす。
(2)速く食べることをやめ、毎食20分以上かける。
(3)毎朝果物を食べるようにする。
(4)調理に使う脂質の種類を見直す。
【解説】…正答(2)
<アセスメント>
・BMI26.0kg/u、腹囲87.0p→腹囲90p未満かつBMI25.0kg/u以上のため、健康診断結果及び質問票より追加リスクが3以上で「積極的支援」となる。
・血圧126/80mm/Hg→正常(診断基準:140/90mmHg以上、階層化の基準:130/85mmHg以上)
・空腹時血糖120mg/dL→追加リスク(階層化の基準:100mg/dL以上)
・血清トリグリセリド160mg/dL→追加リスク(階層化の基準:150mg/dL以上)
・尿酸6.9mg/dL→やや高め(基準値[女性]:2.1〜6mg/dL)
・喫煙→追加リスク。飲酒習慣あり。
(1)適切でない。血圧は正常範囲内であるため、減塩のための行動目標の設定は最も適切とはいえない。
(2)適切。食べ方を見直すことで食べ過ぎを防ぎ、結果として原料が期待できるため、
   行動目標として最も適切であるといえる。
(3)適切でない。果物かたのエネルギー及び果糖の過剰摂取が懸念される目標であり、
   トリグリセリドが高値である本症例において、適切な目標ではない。
(4)適切でない。調理に使う脂質の種類を見直し、n-3系多価不飽和脂肪酸からの摂取を推奨することで、
   血清トリグリセリド値の改善が期待できる。
   しかしながら、BMI・腹囲のアセスメント結果も考慮して総合的に考えると、
   内脂肪を減少させるための行動目標の設定が優先される。


Q188.Aさんの支援を続けた結果、6か月後には、BMIが25.0kg/m2、腹囲85.0cmに改善した。血圧120/80mmHg、空腹時血糖108mg/dL。喫煙・飲酒習慣は変化なし。Aさんに対する6か月後の指導内容である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)現在の生活習慣の継続を勧める。
(2)禁酒を勧める。
(3)禁煙を勧める。
(4)医療機関への受診を勧める。
【解説】…正答(3)
(1)適切でない。喫煙や飲酒習慣の改善を促し、動脈硬化の伸展防止に努める指導をすべきである。
(2)適切でない。禁酒ではなく、休刊日を設け摂取に努めるよう指導するのが適切である。
(3)適切。食事指導と併せて喫煙指導を行うことで、より大きな効果が期待できる。
(4)適切でない。保健指導実施前に比べてBMI、腹囲が減少している。
   また、血圧、空腹時血糖ともに改善しており、
   数値も正常範囲内であるため医療機関への受診を勧める必要はない。
   また、血清トリグリセリド値については保健指導後の値が示されていないが、
   初回面接の時点で既に基準値を超えているため、
   初回面接において医療機関への受診を勧めるべきである。

2018年12月16日

国家試験解説「応用力試験(No.184,185,186)」〜臨床栄養学、食べ物と健康、栄養教育論〜

正しいのはどれか。1つ選べ。次の文を読み「184」、「185」、「186」に答えよ。
K総合病院に勤務する管理栄養士である。患者は、58歳、男性。酒販店を自営している。慢性腎臓病(CKD)で近所のクリニックに通院して生活指導を受けていたが、本人は積極的に取り組んでいなかった。この度、腎機能が悪化した(ステージ4)ため当院に紹介された。
医師より、エネルギー2,000kcal、たんぱく質40g、カリウム1,500mg以下、食塩6g未満の栄養食事指導の依頼があった。本人と妻に日常の食事計画について説明を行い、患者と相談の結果、低たんぱく質ごはんを使用し、主菜の食材でたんぱく質摂取量が約30gとなるように計画することにした。


Q184.患者は、朝食の主菜は卵1個(50g)または木綿豆腐1/3丁(100g)のどちらかにすると言う。これを受けて、昼食と夕食の主菜を合わせた目安量である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)魚介類30gまたは肉類30g
(2)魚介類45gまたは肉類45g
(3)魚介類30gと肉類30g
(4)魚介類60gと肉類60g
【解説】…正答(4)
朝食の卵1個(50g)、木綿豆腐1/3丁(100g)は、腎臓病食品交換表においてそれぞれ2単位(1単位=たんぱく質3g)に当たるとされており、約6gのたんぱく質が含まれている。
昼食と夕食の主催を合わせた目安量は30g(主菜の指示たんぱく質量:10単位)ー6g(朝食に含まれるたんぱく質量:2g)=24g(8単位)となる。
また、腎臓病食品交換表によると、1単位は、魚介類で15g、肉類で15gとされている。
(1)適切でない。昼食と夕食の主菜を合わせたたんぱく質量が約6g(2単位)となり、少なすぎる。
(2)適切でない。昼食と夕食の主菜を合わせたたんぱく質量が約9g(3単位)となり、少なすぎる。
(3)適切でない。昼食と夕食の主菜を合わせたたんぱく質量が約12g(4単位)となり、少なすぎる。
(4)適切。昼食と夕食の主菜を合わせたたんぱく質量が約24g(8単位)となり、
   朝食の主菜に含まれるたんぱく質量6g(2単位)と合わせると、
   主菜の指示たんぱく質量である約30g(10単位)となる。


Q185.指導が終わって、患者は「これなら簡単です。頑張ります。」と言って席を立った。しかし妻から、「本当は配達時にコンビニで、から揚げなどしっかり買い食いしています。私は知らないと思っているでしょうけど。」と耳元でささやかれた。その後の患者への声かけである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。(1)今日説明した肉と魚の量を守って、外で買い食いをしないでくださいね。
(2)外で食べられたものも、忘れずに奥様に報告してくださいね。
(3)コンビニで買っておられるから揚げは、たんぱく質が多いですよ。
(4)今日説明したことを守ると体調が良くなるでしょうから、頑張ってくださいね。
【解説】…正答(4)
(1)〜(3)適切でない。指導が終わり、妻が耳元でささやいた内容が、患者に伝わってしまう。
       本事例の状況より、食事計画を理解した妻が、管理栄養士に伝えた方がよい情報と思い、
       耳元でささやいたと考えられる。
(4)適切。患者と相談の上、食事計画は決定しているため、食事計画を遵守することを伝えるとともに、
   患者の「頑張ります」の言葉を受けている本選択肢が最も適切である。


Q186.約1か月後、2回目の栄養食事指導を行った。提出された食事記録から、ほぼ計画通りに食べられているが、エネルギー摂取量が不足気味であると判断された。面接の中で、患者から「仕事の休憩時にはどんな飲み物を飲むとよいか。」と質問があった。この回答として勧める飲み物である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)トマトジュース
(2)みかん20%果汁入り飲料
(3)缶コーヒー(乳成分入り、加糖)
(4)緑茶
【解説】…正答(2)
(1)・(3)・(4)適切でない。カリウムやリンが多く含まれるため、
           腎機能が低下している患者には勧められない。
           なお、選択肢(3)は、乳成分入りでたんぱく質も含んでおり、適切とはいえない。
(2)適切。100%果汁ジュースではカリウムの過剰摂取が懸念されるが、
   20%果汁ジュースではカリウム摂取の許容範囲内でエネルギーの補給が期待できる。

2018年12月15日

国家試験解説「応用力試験(No.181,182,183)」〜臨床栄養学、栄養教育論〜

次の文を読み「181」、「182」、「183」に答えよ。K内科クリニックに勤務する管理栄養士である。居宅療養管理指導を行っている。患者は、84歳、女性。約30年前に糖尿病を発症し、現在は1,200kcalの食事療法と毎食、食前に即効型インスリンの薬物療法で治療を続けている。糖尿病網膜症により視力はほとんどないために、87歳の夫が食事を作って食べさせ、一緒に入浴するなど、日常生活のほとんどを介護している。
身長147cm、体重52kg、血圧138/94mmHg。空腹時血液検査値は、アルブミン4.0g/dL、血糖118mg/dL、HbA1c7.0%、トリグリセリド95mg/dL、総コレステロール175mg/dL、LDL-コレステロール105mg/dL、HDL-コレステロール48mg/dL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL。


Q181.患者の栄養アセスメントの結果である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)脂質異常症にあてはまる。
(2)標準体重の範囲を超えている。
(3)低栄養状態である。
(4)糖尿病腎症が進展している。
(5)血糖のコントロールは良好である。
【解説】…正答(5)
<アセスメント>
・糖尿病網膜症で視力がほとんどなく、日常生活のほとんどを夫が介護→基本的ADL低下
・身長147p、体重53s(標準体重47.5s)→BMI24.1s/uで普通
・血圧138/94oHg→拡張期血圧高値(診断基準:140/90oHg以上)
・アルブミン4.0g/dL→正常(基準値:3.7〜4.9g/dL)
・空腹時血糖118o/dL→正常(診断基準:126mg/dL以上)
・HbA1c7.1%→血糖コントロール良好(速効型インスリン療法によるコントロールかつ基本的ADL低下による血糖コントロール目標:8.5%未満)
・血清脂質:トリグリセリド96mg/dL→正常(診断基準:150mg/dL)
  LDL-コレステロール105mg/dL→正常
  (診断基準:140mg/dL以上<境界域は120〜139mg/dL>)
  HDL-コレステロール48mg/dL→正常(診断基準:40mg/dL未満)
  non-HDLコレステロール127mg/dL→正常
  (診断基準:170mg/dL以上<境界域は150〜169mg/dL>)
・尿素窒素16mg/dL→正常(基準値:9〜21mg/dL)
・クレアチニン0.7mg/dL→正常(基準値[女性]:0.4〜0.9mg/dL)
(1)誤り。トリグリセリド、LDL‐コレステロール、HDL‐コレステロール、non-HDLコレステロールの
   いずれも正常であり、脂質異常症ではない。
(2)誤り。標準体重とはBMI22s/uとなる場合の体重を指し、範囲は存在しない。
(3)誤り。BMIは普通、アルブミンは正常であり、特に体重減少が生じている記載もないため、
   低栄養状態とはいえない。
(4)誤り。尿素窒素、クレアチニンともに正常であり、糖尿病腎症が進行しているとはいえない。
(5)正しい。患者は84歳と高齢で、即効型インスリン療法による血糖コントロールを行っており、
   かつ基本的ADLが低下している。
   このことから「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」のカテゴリーVに分類され、
   血糖コントロール目標(8.5%)を下回っている。
   したがって、血糖コントロールは良好とアセスメントできる。


Q182.昨日の食事メモをもとにして、日常の食事内容をアセスメントした。ほぼ毎日これに近い食事を続けているという。管理栄養士が患者に最初にかける言葉である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
182.png

(1)食塩摂取量が多めですね。
(2)たんぱく質摂取量が少なめですね。
(3)簡単な料理の繰り返しですね。
(4)3食バランスよく摂取できていますね。
【解説】…正答(4)
(1)・(2)適切でない。管理栄養士から先に患者の食事内容を評価するのではなく、
       聞かれた質問を行い、自身の食事内容の問題点について患者に考える機会を与えたり、
       患者の行動の準備性を確認した上で、専門家としての意見を述べたりすることが望ましい。
(3)適切でない。患者の食事内容を否定しており、管理栄養士が患者にかける言葉として不適切である。
(4)適切。記録方も主食、たんぱく質源、副菜が3食ともそろっていることがうかがえる。
   受容的な態度で患者に接しており、ラポールの形成をする上で最も適切な発言といえる。


Q183.これまで夕食後20時ぐらいにお風呂に入っていた。最近、夫が19時からの野球中継を観るため、夕食前の17時にお風呂に入るようになり、風呂上りに低血糖になることがある、と患者から相談された。これに対するアドバイスである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)低血糖を防ぐため、昼食の量を増やし、その分夕食の量を減らす。
(2)低血糖を防ぐため、朝食の果物を入浴前の補食に回す。
(3)低血糖を防ぐため、入浴の時間を短くする。
(4)夫にテレビ観戦を我慢してもらい、これまでと同じ時間に入浴してもらう。
【解説】…正答(2)
(1)適切でない。夕食の量を減らすと就寝時低血糖が起こるリスクが高まるため、
   適切なアドバイスとはいえない。
(2)適切。朝食の2品のデザートのうち1品を入浴前の補食に回すことで、
   入浴後に低血糖が起こるリスクを下げることができる。
(3)適切でない。患者のQOLを下げることになるとともに、
   入浴時間を短縮しても低血糖を予防できるとは限らないため、適切なアドバイスをはいえない。
(4)適切でない。介護者のQOLを下げることになるため、適切なアドバイスとはいえない。



2018年12月14日

国家試験解説「公衆栄養学(No.160)」

Q160.A市において、食育推進計画を第二次から第三次へと改定するために、行政が最初に取り組むべきものである。最も適切なのはどれか。1つ選べ。

(1)第三次食育推進計画の策定
(2)各組織における食育実施計画の作成
(3)第二次食育推進計画の評価
(4)生産者と市民の食育フェスティバルの開催

【解説】…正答(3)
(1)適切でない。A市の実情に即した効果的な第三次食育推進計画を策定するには、
   まず、第二次食育推進計画の評価に取り組むことが先決である。
(2)適切でない。第三次食育推進計画が策定された後に、それに基づいて各組織における
   食育実施計画を作成する。
(3)適切。最初に、第二次食育推進計画の評価・分析を行い、
   改善点や課題を第三次食育推進計画の策定に反映されることが最も効果的である。
(4)適切でない。改訂された食育推進計画や食育実施計画に基づいて、具体的なイベントを企画する。

2018年12月13日

国家試験解説「公衆栄養学(No.159)」

Q159.A市保健センターで企画する、男性の肥満者を対象とした生活習慣病予防教室のプロセス評価の指標である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)糖尿病の有病率
(2)肥満者(BMI25kg/m2以上)の割合
(3)野菜の摂取量
(4)教室への参加率
(5)身体活動量

【解説】…正答(4)
(1)・(2)誤り。長期目標の達成状況を評価したものであり、結果評価に該当する。
(3)・(5)誤り。短・中期目標の達成状況を評価したものであり、影響評価に該当する。
(4)正しい。プログラムの進行に伴って起こる事項を評価したものであり、プロセス評価に該当する。
ファン
検索
<< 2020年02月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
さんの画像

食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
プロフィール
日別アーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。