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2016年09月13日

母についた”ウソ”

究極の二択

母が抗がん剤治療を受けるか受けないか
選択を迫られていた時、
結果的に、私は母にウソをついた。

母は悩んでいた。
抗がん剤治療を受けたくないという気持ちは
痛いほど伝わってきたし
しかし、だからと言って、受けなければ・・・
という逃げられないような気持ちも感じられた。

受けなければ余命が短い・・・受ければ
癌の進行を遅らせることが出来る望みが持てるが
副作用がどれくらいの症状になるかは
個人差もあるのでやってみなければわからない。

母は本当に悩んでいた。
自分の中では答えが出ていたのかもしれないが
最期の最期まで考えていた。

それほどまでに抗がん剤というものに対する恐怖が
予想以上であったのだろう。


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俺がついてるから絶対に大丈夫

不安で押しつぶされそうな母をそっと抱きしめた。
そして「俺がついてるから絶対に大丈夫」と言った。
母はそのままトイレに入って泣き崩れた。

我が家に母の鳴き声が悲しく響き渡った瞬間でもあった。
しばらくトイレから出てこれなかった。

今だから思う・・・
あの時の自分の発言の根拠は何だったのだろうか?
なぜ故にあのようなセリフを自信満々で言えたのか?
今の自分でも理解が出来ない。

・・・正々堂々とついたウソだった・・・!?
今となってはそうとしか言いようがないし、
そう言われてもなんら反論が出来ない。

母を勇気づける為に!?
当時の私が、いかに母に抗がん剤治療を受けて欲しかったのか、
という気持ちが前面に出過ぎていた結果なのだろうか?

単純に、母は抗がん剤治療を受けたくはなかった・・・
そう仮定してしまうと、
自分のした行為が限りなく「悪」に近い
行為であったと仮定される。

後先考えずについた”ウソ!?”は、母にとっては
優しさや励ましを盾にした言葉の暴力だったのかもしれない。


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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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