2021年04月16日

朝のメッセージ

中学校のほとんどの教室の黒板に、毎日、生徒向けのメッセージが書かれている。

「みんなおはよう。昨日も、私はみなさんに癒やされました。みなさんたちの笑顔はとても素敵です。笑顔が私のエネルギー源です…。」

こんなメッセージが毎朝黒板に書いてあるのは、生徒たちも嬉しいだろう。

私にはこの発想はなかった。
「書かないで、口で言えばいいじゃないか…」、という古い時代の人間の一人だ。
だが、面白い方法だとは思う。

口で言いにくいから、文字にするのだろう。
古来、そんな風に、手紙も使われてきている。

黒板にメッセージを書くというのは、私も高校時代に経験したことがある。
当時、私はある部の部長だったが、一年後輩の副部長と交換日記のようなものをしていたのだ。

そのとき、ちょっとしたメッセージは、黒板に書いた。
他の人には分からない、中国語で書いたのだ。
同じく中国語を勉強してた後輩には、内容が理解できる。

メッセージを受けたら、その返信も中国語で書く。

他の人は何だか分からないだろうが、なんとなく秘密の交換みたいで面白かった。
もちろん、勉強したての自分たちに、それほど難しい中国語が書けるわけもなく、ほんの短いフレーズだが、今から三十年ほど前の出来事を、懐かしく思い出す。

「何だろう…。」
と、気になって読めば、心にも残る。
それが注意であろうと、祝福であろうと、記憶にはとどまるはずだ。

高校時代、非常勤の若い先生に古典を習ったことがある。
この三月で学校を去るというその先生は、最後に一人ずつノートにメッセージを残してくれた。

『颯爽と風に吹かれる人生であれ。さらば。』

その言葉今でも覚えている。
「颯爽」という漢字はこのとき初めて見た。

恐らく二十代であったであろう、その先生のメッセージを、高校生だった私は、きちんと受けとめ、三十年経っても覚えている。

教育とはおもしろい…。




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